表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

久しぶりの訪問

そんな話し合いは決着がつくわけもなく、まずは明日に持ち越しとなり、全員が仕事に戻ろうとした。


その時、お店のドアが開く音がした。

一番に気づいたマヤは小走りでお店に戻る。

そして、毎回欠かさずやることをする。


「いらっしゃいま・・・」


マヤは全てを言い切る前に口が大きく開ける状態となった。


「お、マヤちゃんか?

お手伝いえらいねぇ」


「え、エアリアさん!」





仕事場を父親とナバーに任せて、母親とマイはエアリアの相手をお店の奥でしていた。


「いつから帰って来ていたのよ、エアリア」


「ウィリー、苦しい・・・」


マイの母、ウィリーはエアリアの服をたぐり寄せるようにしていた。

それに、エアリアはウィリーの手をパンパン叩く。


「あらあら、ごめんなさい。

なにぶん、久しぶりだから」


「久しぶりだからと言われてもなあ。

昔からウィリーは手加減というものを憶えようとしない」


「だから、ごめんなさいって」


二人はマイを忘れてじゃれあう。


エアリアは元々、この食堂の隣に住んでおり、小さい頃はウィリーとよく遊んでいた。

今になっては、エアリアが帰ってくると、お店に顔を出すという感じになっている。


二人のじゃれあいが終わり、次はマイの話となった。


「それにしても、成長期の子って、本当に大きくなるのが早いね」


「それはそうですよ。

エアリアさんと最後に会ってから、もう二年経ちますから」


「二年!?

私も老けたもんだね」


エアリアは大きく笑って、マイとウィリーも続いて笑う。


その後も近況的な話が始まり、先程の家族での問題も出てきた。

その事情はマイがエアリアに話すと、エアリアはある提案を出した。


「うちの船員たちで庭に地下空間を作って、そこに冷蔵庫を置くか?」


「そんなことできるんですか!?」


マイは立ち上がる。

しかし、彼女の隣にいたウィリーは落ち着いていた。


「お願いできるかしら?」


母の変わらない態度に、マイはさらに驚く。


そして極めつけの会話が。


「でも、エアリア。

それが完成するのって、意外と掛かるんじゃない?」


ウィリーからの質問に、エアリアは首を横に振って答える。


「大体、二日程度で済むぞ。

冷蔵庫もうちの在庫にあるから直ぐに持ってくる」


マイは腰を抜かしたかのように座るしかなかった。


(ここの世界、凄すぎる・・・)


今更のようなことだが、このようなことがマイによく起こるのだ。

彼女の前に座っているエアリアによって。


こうして、市場近くの料亭は少しの改造が始まるのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ