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幻映

目の先に大きな山がそびえ立つ。辺り一面が山に囲まれている。


「ねぇ、どこ行くの?」

助手席に座る母親に長女は聞いた。


「山にね……死に行くんだよ。」


さすがに何を言っているのか理解出来るはずもなく、長女は戸惑う。


(なんで? 死ぬって、どゆこと?)


今、車に乗っているのは家族全員の、6人。

一人思考が追いつかない長女。

あっという間に山の麓にたどり着く。


もう後には戻れない。



山の中程まで歩いたところで母親が長女に声をかけた。


「ねぇ見てごらん、千夏(ちなつ)にそっくりだよ。」

笑顔で指差した先に居たのは大きな、たてがみを揺らすライオン。


(は?)


なぜ山にライオンが居るのか、何が自分とそっくりだと言っているのか、長女はもう母親の頭が狂ってしまっているとしか思えなかった。


するとライオンが顔を向け、長女と目があう。

(うそっ!)

慌てて来た道とは反対の山の急斜面を駆け下りる。

ライオンが近づいてくる気配を背中で感じながら、風を切るように必死に前に進む。

しかし木々が行く道を邪魔する。

ようやく両手を回せる程の木を見つけ、木のてっぺんまで力いっぱい登ると、足元に母親が見えた。


「なんでここにいるの!」

母親は泣き笑いを見せながら同じく木に登ってくる。

すると木が2人分の体重に耐えきれず、細い木は大きく弓なりにしなり始めた。


(まずい、ライオンは近くにいるのに!!)


突然勢い良く体が空中へ跳ね上がった。長女は母親の体を抱え、飛んでいる方向に木があることを幸いに太い枝を掴んだ。


しかしライオンは未だに獲物を見逃そうとはしない。しっかりとターゲットとしてとらえられた2人。長女の片手の力はそろそろ限界に達しようとしていた。


「ごめん、お母さん……もう無理」


そして力尽きて枝から手を離した。

だが涙を流す長女とは反対に、母親の顔は恍惚とした笑みだった……。


もう目の前は真っ赤な世界。

とんでもないぶっとんだ話でしたが、これは実際に作者が見た夢でした。


その日、朝から家族のことが気になってしょうがなくなりました…

何かの暗示だったらどうしようとorz


こんな話も小説にして消化してしまえ!という気持ちで書きました。

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