始まり
生徒会長に出会います。
Mr
今日僕は気づいたことがある。
それは花千さんの様子が少しおかしいことにだ。
僕はこの高校の、生徒会長である。クラスの異変に気づかないわけがない、そうかといってとりわけ正義感の強い僕ではないのだが、
でも、放ってはおけない、なんせ僕は生徒会長なのだから、どうしたのか聞くのは、義務だ。
「花千さん今日は元気ないですね、どうしました?」
「い・いえなんでも・・・・」
「ああ、そうですか元気がないように見えたので、心配してしまいました。でわ、」
元気ないですね? 彼女はいつも元気のある人ではないだろう。自分の失態に苦笑いしながらも、なにか他に異変がないか自分の席に戻り彼女をよく観察する。
そういえば、僕はまったく興味ないのだが同じクラスの男達が噂してたな・・・・・・
そうだ、花千さんは男子にだんとつで人気の、女子だということだった。
他の高校の男子も帰りに一目見ようと校門で待ち構えてるくらいだそうだ。
あらためて見ればれば確かに顔立ちは整っている。整っているし『かわいい』というよりは、美しい部類に入ると思う。
しかし、これは僕の予測であるが、この花千さんが、人に好まれるの理由は、私のように天性の才に恵まれているからなのかもしれない、
なぜなら表情だ、彼女は、表情が一つ一つ芸術のようである。
この世ではスキルこそすべて、その技の多さによってその人の、人生が決まると言っても過言ではない、それほど、この世の中は、技に依存している。
私も世渡りスキルが他人よりもあり、見事生徒会長になった。彼女は表情スキルだ。
これでは、男子にも、女子にも嫌いになれという方が難しい、
しかしそこだけではない、と彼らは語っていたようなきがする。
ええっと人徳だっけ、うん、そう人徳だ、彼女はその美貌たらしめる表情技で善を成し、みなから名声と共感をえている。僕とは反対の正義感の強い女性だ。
確かに顔も良く、性格も良いとなれば、その甘い蜜によってくる虫どもも、さぞかしいるだろうが、そうはさない、
ふん、なぜなら、彼女は私のクラスメイトでもありこの高校の生徒でもある。
そして私はこの高校の生徒会長 きにいっ・・・・我が校の生徒を守るのは僕の使命、運命、宿命。
それじゃーさっそく明日から、彼女の生活行動を改め、どんな虫がよってきているのか、調査しなければ!!
Ms
今日はなんだか憂鬱です。『夏休み最期の日』気分になっています。
はぁー、ため息をついていると、私の憂鬱に気づいたのか、誰かが話しかけてきました。
「花千さん今日は元気ないね、どうしました。」
「い・いえなんでも・・・・」
「ああ、そうですか元気がないようにみえたので、心配してしまいました。でわ」
いきなり話かけられたので、びっくりしながら失礼のないように言葉を返し、声のする方を向くと、そこにいたのは我が校の生徒会長、高坂章さんでした。
みなさん章さんのことを、しょうと読んでしまうので、間違えないようにしっかりと、名前を覚えています。
しかし生徒会長さんといっても、先輩ではありません。高校生とは思えぬ大人びた成年男子には見えますが、学年は私と同じ一年生です。
なぜかと聞かれますと、普通の学校なら、行事やこの学校に詳しい三年生が担当するのですが、五十年以上は続いてる我が学園では。他の学校にはない、特別な校訓ができています。
その校訓はというと、『ビバ 実力主義』
初代校長先生が未来を担える人材育成を唱え、その影響で、作られた校訓なのですが・・・・・
そのため、二千人弱を数える我が学校では、生徒会長選挙も、自民の顔も真っ青とまではいきませんが、一二年を含め、かなりの生徒が立候補します。
その中には本気でなりたい人もいるのですが、人気を得たい人、目立ちたい人、何となく立候補した人など、様々な理由で狼煙をあげる方ばかり。
その中で、人脈のない一年生が生徒会長になるなど、我が校では、無理に等しいです。
しかし彼は史上二人目の一年生生徒会長になりました。
びっくりです。おどろきです。信じられません。
彼は私達平凡な人間から見たらスーパーマンのように見えます。
でもそんなことは今関係ありません。
それより昨日の殿方です、たしか神矢竜一さんと言いましたが、彼は一体何者なのでしょう。謎は深まるばかりです。
また、うーんと唸っていると
「レミちゃーーんどうしたの?そんなくらい顔して」
今度は、友達に声をかけられてしまいました。私はそんなに顔に表情が出やすいのでしょうか、今度から注意します。
「えっっああの昨日の夕飯の事を考えていました。」
彼女は、私の友達の渡瀬五十里さん中学校からの、お友達です。
背は私と同じくらいで、とても明るく、元気なのですが、一つ問題があります。
「レミちゃん、嘘はいけないよ。そんな顔してる時って何か隠し事があるときだよね。」
そう言って彼女は、パッチリ二重でウィンクします。こういう時は、私に話して、のサインです。
このとおり彼女は、勘が鋭いので、私の嘘はすべて見破ってしまいます。
なので詳細を斯く斯く然々説明します。彼女の反応はといいますと、・・・・・・・
「プッッッッッッ」
お腹を抱えて大笑いしていました。
「レ・レミたぶんね、そ・それは、クッッッ」
また堪えきれず笑っています。友達だからといって少しひどいです。親しき仲にも礼儀あり。
私は少し怒りながら、続きを最期まで話していきました。
「これでいじょうですー」
「ごめんごめん笑っちゃて、でもレミそれは夢の話でしょ? そんな真剣に夢の話するなんて、おもっていなかったからさ」
まだ笑っています。
「それにレミ途中から河豚みたいに顔ふくらませるんだもん」
「もういいです。イカリンなんてもう知りません。」
「ほんとごめん、でも、私が言えることは、一つだよ」
そういうと五十里さんが、まじめな顔になりました。私も助言は聞きたいので、五十里さんの方を見つめます。
「それはね。」
「それは?」
「考えても分からないことは、忘れるしかないってこと」
五十里さんが言った同時に一時間目のチャイムが鳴り、その話は後にして私は席に着きました。