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幻灯の青
やるせなく君の幽霊探す夜は 愛よりいでて哀よりかなし
探しても見つからないや 夏の影 途方に暮れる足元の石
願うほど遠ざかる影は幻で積み上げた日々だけが実像
伝説の悪夢を食べる神獣の独善によって奪われる夢
妖精の抜け殻のように透き通る 夢か現か昼中の月
夢にでた巨大昆虫もしかして前前前世の君だったかも
クリスマスツリーの星は偽物でだからあんなに光ってられる
三日三晩塩抜きとあり脳内でクジラがずっと潮を吹いてる
吐く息が青にきらめく水面で弾けて消えるうたかたの夏
オオワシは覚えているかトラックの風切り裂いて駆け抜けた君




