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草原の魚  作者: 日次立樹


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草原の魚


草原でわれは一匹の魚 波打つ青を故郷と思い


隣り合うレーンの少し先を行く爪先が蹴る気泡のベール


自由とは50メートル自由形 もっと遠くへ腕を伸ばして


柔らかな肉の下には潮があり 赤い魚が住み着いている


しゃっくりの止まらぬ朝に水を飲み 気管に入りクジラになるか


銀色の魚になって思うまま光の帯を(くぐ)ってく夢


あなたにはずっと言えないことがある 私はあの日海から来たと


大げさに葬られるのは嫌なので海月のように溶けて消えたい


ありふれた言葉しか持たぬ悲しみと だからあなたに伝わる幸い


一眠りしたら忘れてくださいな 私も忘れたふりをするので


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