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始めての村。

ここからが、マグマなんです。

間違えました、ここからようやくスタートです。

一応書き貯めしてから投稿してますが、誤字などあればご教示願います。

目が覚めると俺は川のそば、大木に体を預けていた。まるで誰かに助けられたように。


然し、思い出せない。

俺が何故ここにいるのか。ここはどこなのか。自分の顔すら忘れてしまっていた。


だが、一つだけ覚えていることがある。



''魔王を、殺す''



俺はもう一度魔王を挑むため、

そして名も忘れた一緒に戦っていた女と合流し、記憶を取り戻すために。


傷ついた体に鞭を打ち立ち上がった。

緑生い茂る森の中を歩き、この状況を整理する。


俺はダイオン。名前は覚えている。

そして武器、大きな太い剣が鞘にしまってある。

取り出すとかなり古びているような剣だ。


柄の部分には薄黒く汚れが付いており、鍔のような部分は片方が欠けている。

だが、刃の部分は良く手入れされており、見ただけで十分な業物だと考えられる。


その他の持ち物は…少ない食料以外は特に気になるものは無い。

しばらく歩いていると、気味の悪い獣のような魔物に遭遇した。


ダイオン「背中を見せている…今がチャンスか」

独り言を呟きながら、鞘から剣を抜き静かな足取りで近づいていく。


ヌヴ!!


声が森に轟いた後に、俺は剣を振り下ろした。

魔物は不覚からの一撃で一瞬で沈んだ。


剣に着いた血を服で拭い、魔物の生死を確認する。

その時、強烈な頭痛に襲われた。

「俺は……コイツと戦ったことがある…」


あの時一緒に居た女との戦いを一部分だけ思い出した。

そうだ、このように俺は剣を振るっていた。

パズルピースが埋まるように、ひとつ、またひとつと身につけた剣の技を思い出していった。


ダイオン「ふぅ、死んでいるか。」

魔物の死に一瞬安堵し、また先を進む。

2、3回戦闘を重ねた後、村のような場所が見えた。


ダイオン「あれは…村か?」

見る限りかなり廃れた村のようだった。

畑は少なく、木の柵の様なものは半分以上が折れている。


ダイオン「情報収集ついでに休んでいくか…」

村を見つけ疲労した俺は村に足を進めた。


村の入口にて


ダイオン「本当に廃れた村だな…」

ボソッと口にした後、村人らしきものからの怒号が飛んできた。


村人「なーーにが廃れた村じゃい!」

村人は顔をしかめながら続ける。


村人「余所者がうちの村を知らんけんして言いよって、あんた何様じゃんけ!」

俺は冷や汗をかき、必死に弁明の言葉を頭の中で探す。


ダイオン「すまない、つい言葉に出てきてしまっていた。」


村人「おんめーは最悪なやりょーだっちゃねや!」

村人が言葉を続けようとした時、俺の顔を見て不思議そうな顔をする。


村人「ン?あんた3日前くらいに泊まりに来ちょったあんちゃんか?」


村人「しゃーねーあんちゃんだの、おめーとはあの酒の仲があんだ、ゆるしちょる。」

全くもって知らない記憶に、俺は混乱しつつも村人に合わせる。


ダイオン「ありがとうございます。」

村人は首を横に振り、更に続ける。

村人「いんだいんだ、どうせ廃れた村っ言われてもしゃーにゃー村だがら」


村人「んで、泊まって飲んでぐんだべ?」

村人はニヤっとして俺の方を見つめてくる。

ダイオン「いえ、今夜は遠慮しておきます。」

ダイオン「酒より寝床とご飯が欲しいです。」


村人はこちらを睨みつけるように見て、口を開く。

村人「そうが、オラも思い出したんだげっど今日休肝日だっだばい!」

村人は高々と笑いを上げ、村の方に歩き出しながらこちらを誘うような動きで手を動かす。


村人「んで英雄様に寝でもらう布団用意すっがら、待っどげな」

俺は歩きながら聞き流し、村人が建物に指を刺して口を開く。

村人「それまであそこの飯でも食ってろ、いぎなしうんめーがら、」


俺は頷き、そこでご飯と今夜の寝床を手に入れた。


2時間後


俺は布団の上で今日聞いた事を整理した。

俺は魔王城に向かう途中でこの村に寄ったらしい。そして女の人と一緒にこの村に泊まり、襲撃に来た魔物を退け、2日ほど滞在した後にこの村を去っていったらしい。


知らない記憶を遡るように自分の事を整理していく。

ダイオン「うーん…」

未だに分からない。自分のこと、一緒に戦った女の人のこと。自分がなぜ魔王を殺す目的を持っているのか。

そんな事を悩みながら布団に身を乗せ眠りについた。


約3時間後……


襲撃だーー!!!!


大きな声が耳を刺し、叩かれたように目が覚める。

何が起きたか分からないまま、部屋のドアが蹴破られるように開けられる。


村人「英雄様、無事だっただべか!?」

息を荒くした村人がこちらを見つめながら言う。

ダイオン「何が起きたんだ?襲撃、と聞こえたが」


村人は焦りながら部屋の中をグルグル回りながら話す。

村人「魔物がうじゃうじゃ攻めて来たんだ」

汗をダラダラ流し顎に手を添え、ずっと回っている。


ダイオン「状況は分かった。今すぐ戦おう。」

村人はハッとした顔になり、こちらに向かってきて顔を縦にブンブン振り話す。

村人「んだ!英雄様が入れば百人力だ!

こっちだ、来てけろ!」


そして半強制的に手を引っ張られ俺は外に出た。


……外は、地獄絵図だった。


畑は焼かれ、家畜は殺され、死体がゴロゴロ転がっていた。

ダイオン「うっぷ…」

吐き気が込み上げる匂いの中、村人は口を開いた。

村人「ひでぇもんだ、はえぐ追っ払って弔ってやんねーど」


村人「英雄様、あっちから魔物が来てるだ!」

指を刺した方に振り返ると残った村人達が鎌や鍬で応戦している。

このままではいけない、そう思った矢先、またもや頭痛が込み上げてきた。


昨日の頭痛とは比べ物にはならないほどの、頭を突き刺すような痛さ。

ガッ…グ…ふぅ……ふぅ……

思わず声が出るが、苦しみの中俺の手は剣を握っていた。


喉の奥で熱い息が漏れた。

頭痛の奥から、剣の握り方、足の踏み込み、刃の軌道が脳内にフラッシュバックのように蘇る。

村人「英雄様!? どうしただ!?」

呻く俺の声を振り払うように、目の前の魔物が突っ込んでくる。

ダイオン「……来い。」

村人が後ろで息を呑むのが分かった。

剣を握る手に力を込め、地面を蹴った。


目の前の魔物が爪を振り上げた瞬間、その腕は宙を舞っていた。


ダイオン「────!」

剣の重さを感じないほど、体が勝手に動く。

斬る、かわす、踏み込む。

本能が、記憶の奥底から戻ってくる。



残った魔物が吠えながら突進してくる。

だが恐怖はない。むしろ、血の奥で沸き立つ熱が心臓を打つ。

一体目を斬り伏せると、二体目、三体目もまるで試すように現れる。

剣先を向け、低く息を吐く。


ダイオン「……全部、俺が切り伏せる。」


数分後。

荒い息を吐きながら、剣を地面につく。

背後には、村人たちの安堵の声と、泣き声が混じっていた。


村長らしき老人が、震える声でこちらに近づいてくる。


村長「……やっぱり、あんたは……英雄様だ……!」

村長は泣きそうな顔で続ける。

村長「2度もこの村を守ってくれてありがとうだ……! 本当に……ありがとうだ……!」


俺は剣を拭い、まだ熱い呼吸を落ち着けながら呟く。

ダイオン「また記憶が1つ戻ったか…」

その後は色々と大変だった。

死んだ村人達の弔い、壊れた柵や家の修理も行い、最後に生き残った全員で酒を浴びるほど飲んで眠りについた。


その次の日。


俺は村人全員に別れを告げ、この村を去った。

記憶は順調に戻りつつある。そう思った矢先、あの時の情景が目に浮かぶ。


殺された家族や友人、食料が奪われ飢餓が訪れた冬、自分の無力を悟ったあの夜。

そうだ、なぜ忘れていたんだろうか。

俺は、復讐するために魔王を殺す。


全てを奪っていった諸悪の根源を潰すために。

痛みにに頭を抱えながら、土を踏みにじるように歩いていく。

あの女の事も気になる、なぜ俺と一緒にいた

のかも…

そんなことを考えながら、次の町へと進んだ。

戦闘シーン凝ってみました、ただめんどくさいので次の重要な戦闘シーンまでは省略します。

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