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「秀口さんはどうして委員長の膝の上に居るんですか」
「どうしてでしょうね。私が知りたいです」
「お人形さんみたいでいいでしょう?先生」
「そうですね、席につきましょうか」
「……はい」
大注目を集めながら自分の席着いた。
死にたい。
特に意味もないホームルームが終わるや否や、ピーっと今度こそ誰にも止められないように急いで、逃げるように教室をでた。
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自転車で颯爽と帰る寧々を窓へわざわざ寄って見届けた私は、明日を楽しみにしていた。
どうしたらもっと、もっともっともっともっと!あの小さな手を、見下す様な眼光を、斜に構えた態度を!
独り占めにできるだろう!
「委員長、一緒に帰ろ?」
「ええ、そうですね。あ、少し寄りたいところが有るんですけど」
「うんっ、いいよ!」
貼り付けた仮面はバレることは無い。
こんなカス共と話す事も、行動する意味もない。
けれど、寧々さんが油断してくださる意味も込めて私は「委員長」をしなければならないのです。
そう、私のモノになるまでは、続けますよ。
どれほどのストレスを感じようとも。