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最後の授業は受けた。
数学だった。全く分からん。ごちゃごちゃと考えることは出来る。やらない理由も思いつくだろう。
それをしたところで意味もないし、覚えたところで意味もないと思うが、やっておいた方がいいことも分かる。
クラス内に友達なんて居ない私でも、授業中であれば関係ないなと思えたのは収穫だった。という事にしておく。
カツカツ、カリカリと黒板とノートをとる音。
強制感が嫌。嫌嫌嫌。
けど、馬鹿では居たくないのかもしれない。
とりあえずひたすら板書してたら授業が終わった。
起立礼着席が終わると全体重を載せるようにドカッと座る。
(つっかれた。早く帰りたい)
周りがビクッとするけど、気にしなければいいのに。
委員長は右端の1番前。私は4列目の窓際。
委員長は後ろの席と左の席の子と話してる。
スマホを見るふりをして、横目にじって見ていた。
普通だ。
サボってたなんて思えないくらいに普通だ。
これは嘘つきになるのだろうか。
帰りのホームルームは出る気にならなかったので、荷物をまとめて教室を出ようとした。
この時間違えを犯した。
後ろから出ればよかったのに、何故か分からないけれど委員長の前を通った。
深層心理なんて分かんないけど、言葉を交わしたかったんだと思う。
けど、チラリと見るだけで口を開くことも、止まることも無く通り過ぎたと思ったら鞄を思っいきっり捕まれ、「え、うわぁぁぁ〜」と我ながら情けない声を上げて転んだ。
何しやがんだ、コノヤロウ!と犯人、委員長を睨みつければ無表情から自然すぎる笑顔。
悪寒を覚えた。
私は関わっては行けない人と関わったと、直感した。
「まだ、ホームルーム終わってませんよ?」