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「戌井!なにをペラペラと喋ってるのですか!困ってるでしょう!恥ずかしいでしょう!」
永遠に思えたお嬢様愛と言うのか、もはやよう分からない聞き取れない日本語に終止符を打ったのは委員長だった。
走ってきたのか、少し息が荒い。
私が一方的に聞き手に回って困っていたのを遠目からみて駆けつけてくれたのかもしれない。
おこがましいけど、お客さんが困惑してたら主はそりゃ慌てるわなと思うし。
そうなんだよな。この待遇ってお客様なんだなと思うと、一線をどうしても感じる。
委員長の普通だとしても。普通だとしたら余計にだし、身分というか、違う世界に生きていると分からせられるというか。
ははっ、ほら。私は卑しい。
「委員長が恥ずかしがるなら良いよ。続けて」
「よくありませんでしてよ!?」
「言葉遣いめちゃくちゃ変になってるからね」
「はっ!」
「このようなお嬢様を初めて見ました」
「だね、お友達なんて虚言だと思ってたのに」
「散々な言いようだね」
「寧々さん、準備が整ったのです」
「え、うん」
「いーきーまーすーよー!!」




