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「で、どうでしょうか」
「どうでしょうと、言われても……」
「ふむ、ふむふむ。お嬢様の事は好きですか?」
「いや、分かんない、分かんない。話すようになって1週間も経ってないんだよ?」
「あー。紅茶をどうぞ」
あ、誤魔化した。これはアレかな。想定が相当に好感度上がってたのか。
イマイチ表情が読めない。
「あ、ありがとうございます」
差し出された紅茶はきっといい物なんだろう。それを判別できるかどうかは別として。
委員長遅いなあ。知らない人と一緒なのは辛い。
気を使うし、すっごい見てくるし。
変わってる人だ。
「あ、あの。委員長って普段はどうなんですか?」
身が固くなる沈黙に耐えられなくって要らぬ事を聞いてしまった。
戌井さんは無表情ながらもキラリンっと音がするくらいキラキラ目を輝かせ、両手を握り締めて滅茶苦茶顔を寄せてくる。
「お嬢様の事が気になるんですね!!」
「えっと、ああ、はい……」




