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作戦第1。とりあえず声をかけまくる。
朝、珍しく寧々さんが教室へ来ていたので机の前まで行って「おはようございます、寧々さん」と挨拶すれば、「ああ、うん」と素っ気なく返されました。
寧々さんはそのまま押し黙って、なにか用でもあるのと言わんばかりの目を向けてくるので、あははと苦笑いして席に戻る羽目になりました。
「委員長って流石だね」
「皆に平等に挨拶するんだ」
「ね、でも感じ悪いよね」
「い、いえ。私も軽率でした。よく知りもしない相手が目の前に来たら身構えもしますよ」
言ってて悲しい。
思い返しても、なかなか上手くコミュニケーションは取れていたし、普通に喋ってくれもした気がするのですが、なにか間違えてしまったようです。
少し考えて、「場所」が大きく関係していそうだと仮定しました。
そうと決まれば早速、と言いたいところですが授業が始まりましたし、寧々さんと話す機会は昼休みまで無さそうです。




