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「あら、注目されている」
「……あっそ。じゃ」
教室に入るだけで、先にいた生徒たちは音に敏感に反応して私達を見る。
こういう時反応は結構別れる。
普段から私と同じように人付き合いしてない子はチラリと見るだけ。
喋り続けないと死ぬような子はヒソヒソと永遠に喋っている。そのまま死ぬまで喋ってろ。
その他はまあ、無関心と怖がられている気がする。
委員長からサッサと距離をとって机に荷物を置いて座る。
窓際の席は外さえ見ていれば教室の大半を見なくて済むから好きだ。
席替えとかでそうはいかなくなることもあるだろうけど、それまではこの席を満喫しよう。
ときどき視線を感じて、その都度その方向をむく。
バッと頭を下げて目を合わそうとしない。
委員長はよく分かんないけど心配そうな目を向けてきた。
無用な心配だとおもう。言いはしないけどさ。
私がいても居なくても変わんないし、委員長が必要に構ってくるけどやっぱり私にはそれも必要だとは思えなかった。
早くも昨日掃除して綺麗になった空き教室が恋しくて思いを馳せる。
人にじゃなくて場所にという所がなんとも虚しいが、私には熱量がそもそも欠けているから何も感じはしない。
こういうのは寂しいとか思われるんだろうか。
窓を開ければ風が入り、朝の涼しい風が頬を撫でる。
咳き込むことは無かったけれど、少し何かが痛む。




