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「…………!!!」


驚きすぎて声が出なかった。

いや、まだ夢だという線が残ってる。飛び上がった上半身をゆっくりともう一度ベットに預ける。


うん、夢。夢だ。


「どうして無視するんですか」


委員長は私の腕を力任せに引っ張った。

うわっと、その力強さに驚きながらも再び起き上がる。


「おはようございます」

「お、おはよう?」


色んな疑問が湧いては解消出来ずにどんどんと溜まっていく。

溢れすぎると、どれから解消していけばいいかわからなくなってしまう。つまりは混乱している。


掴まれた腕は力任せに握られていて少し痛い。

それが夢ではないと証明している。


「ど、どうしているの?どうやって入ったの?なんで家を知ってるの?」

「あら、質問攻めですね。それを答える前に支度しましょうか。ほら、時間もうないですし」


見せられたスマホの待受は委員長とメイド服の女性が2人の写真だった。

そういう趣味でもあるんだろうか。人の事を詮索するのも、とやかくゆうのも嫌なので無視する。


確かに慌てないといけない時間だった。

溢れかえった疑問は1度置いておいて、委員長の言う通り準備することにした。


制服を手に取って皮肉のつもりで委員長に言う。


「委員長ってキャラ作ってるよね」


委員長は答えずにニコニコするだけだった。

顔面が良いから様になるけど、何を考えてるか分からなくって、少し怖い。


シリアルキラーとかじゃないことを祈るばかりだ。

もうお母さんは家を出てるから、刺されたら助からないだろうからね。


そう変な考えをしてしまうくらいには、委員長は作り物めいていて違和感があった。


どうせ本人に言ってもはぐらかされそうだったので、委員長の私の中の人物像としてそう捉えておくことにする。要はあまり信用しないという事だ。


当たり前だ、昨日今日話しただけの友達?知り合い?の家に朝から上がり込んでいるんだ。

家の前で待ってたとかなら百歩譲って分かるけど、寝てる所に来られると警戒してしまう。


制服に着替えようとしてずっと部屋にいる委員長を「いつまでいるのよ、着替えるから出て」と背中を押して追い出した。


「別に減るものじゃないのに……」

「着替え見られるの普通に嫌なんだけど」


バタンと扉を閉めても、閉じた扉の真ん前に気配を感じてもはや狂気を感じた。


「全く、何が委員長をそうさせるんだ」


面倒だなぁと思う。

けどなんか友達っぽくて楽しくもあった。


「これが本当に友達だったら良かったのに」


部屋の端に寄って着替え終わって姿見で変になってないか確認してそう呟いた。

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