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「ね、何でいるの?」
「いちゃ悪い?」
ただ単に疑問に思ったような声。棘は感じられなかった。少し後にニッと口元を歪ませた。それがあまりにもイメージと違いすぎて面食らった。
熱心にスマホをいじってるお隣さんはなんとビックリ委員長様なのだ。
クラスのみなからクラスを纏めるのに相応しいと言うなの人気投票で一位の人だ。
勿論成績もいい。到底サボる人には思えなかったのだ。
「いちゃ悪いって……そりゃ、チクられると、ねぇ?」
「あっはは!今更だよ。クラスの大半の人は羅々(らら)さんの事なんてなんとも思ってないよ」
「結構言うのね……」
「だって事実だもん!」
立ち上がってターンして。アイドルのような仕草をして腰に手を回して前かがみで言うその姿は小さい子みたいで思わず、そう思わずだ。
「可愛い」
言ってしまった。