白菜
一年はあっという間、という言葉を意識しはじめるのは、御用納めまで、あと二、三日だと実感する、クリスマスが終わろうとしている夕食後の夜であろうか。何かと盛り沢山な十二番目の月は、賑やかで、慌ただしくて、鍋に心が癒される。たっぷりの食物繊維と、スタミナのタンパク質と出汁があれば、もう、贅沢の極みといえよう、と思っている。ほかほかのふんわりと盛った白飯を相棒に、TVで歌謡祭を観る時間に身を委ねると、何もかも報われた気持ちになっている自分が、間抜けな笑顔で鼻歌を楽しんでいる。
年の瀬くらい、暖かい我が家で芯を緩めてほぐすのもよかろう。年が明けたら総まとめ・総仕上げの年度末までただひたすらに日々を乗り越え、新年度の成長から未来への熟成に向けて根気よく歩くことになるからだ。
数年前から後天性のアレルギーで蕎麦が食べられなくなった。以来、大晦日も、正月も、うどんで締めて、うどんで始めている。元旦のうどんには験担ぎと難逃れに梅干しをのせていい匂いのする湯気とともにゆっくりと深く味わうことにしている。今回は、年越しと元日の両方にかき揚げを追加する。サクサクの食感と出汁とのコラボレーションが、今から楽しみだ。
さて、そろそろしょうが湯を飲んで、風呂に入るとするか。