冒険者達の午後 急3-4
0:ーーー「冒険者達の午後 28章」ーーー
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レーヴェ:「ーーー…さーーて。」
アイネス:「…ごほっ…!」
ガーフィール:「かは…っ。」
レーヴェ:「一丁上がり。こんなもんで終いか?」
アイネス:(M)レーヴェンシュタイン…!ここまで強いか…!!大層なリュックサック背負ったまま私達二人を軽くいなす…っ。これじゃあ現役ナンバーズよりも強い可能性がある…っ。
レーヴェ:「見たとこステージ3くらいだろ。いい準備運動になったよ、ありがとな。」
アイネス:「舐め、やがって…!」
レーヴェ:「おお。まだ立つか」
アイネス:「定義転換…っ!」
レーヴェ:「ACT」
アイネス:「一滴ッッ!」
レーヴェ:「ぉおおおら!」
アイネス:(M)近付けもしない…!流動体になっても、全部吹っ飛ばされる…!
レーヴェ:「実体になっちまったらあとはこっちのもんだもんよ。」
アイネス:(M)しかも、ガロンドールよりも速い…!
レーヴェ:「そぉい!」
0:殴った
アイネス:「ぶごォ…っ!」
レーヴェ:「もう一丁ぉ!」
ガーフィール:「Pressionッッ…!」
0:レーヴェに圧力がかかる
レーヴェ:「うご…!?またこれか!」
ガーフィール:(M)くそ…!出力も限界だ…!叩き潰す程の圧力をかけられない…!
レーヴェ:「ACTぉ!」
ガーフィール:(M)そもそも、圧力をもろともしない…!人間離れした質量…!!
レーヴェ:「お前鬱陶しいなぁ。ほれ!」
0:蹴りあげる
ガーフィール:「がはァアっ…!」
レーヴェ:「そいっ。」
0:殴り飛ばした
ガーフィール:「ぶごぉあっ!」
アイネス:「ガーフィール…!!」
レーヴェ:「もうちょい持たせてくれると思ったんだけどな…!」
0:急接近
アイネス:「くそが…ッ!」
レーヴェ:「ぉおおらッッ!」
アイネス:「ぶごォ…ッ。」
ガーフィール:「最大出力…ッッ…!」
アイネス:(M)おい、やめろ…っ。それ以上は負担がーーー
ガーフィール:「Pressionッッ!!」
レーヴェ:「うぉぉおお!?」
ガーフィール:「潰れ、ろぉぉおおッッ!」
0:レーヴェは地面に激しく叩き付けられる
レーヴェ:「ぶごぉえ!!」
0:リュックの中身が辺りに散らばる
アイネス:「くそ…ッ…!定義転換…!!」
レーヴェ:「はは…っ!」
アイネス:「…ッ…!」
レーヴェ:「ONELimit・BURSTッッ!」
アイネス:「がはッッ…!!」
レーヴェ:「ほい。これで今度こそ終わり。思ったより時間かからなかったな。」
アイネス:(M)やっぱり、グランシャリノの最高戦力は、アリアンロードと、レーヴェンシュタイン…っ。この二人だ…!
レーヴェ:「参った。暇になっちまったな。アリはどうなってんだろ。」
アイネス:(M)ガロンドールの兄貴と聞いたが、完全上位互換…っ…。
0:船内が激しく揺れる
レーヴェ:「おお…?」
レーヴェ:(M)はは。やってんな、ガロ。オーダー相手はちぃとキツイかもしれねえが。まあ、お前らなら何とかやってくるだろ。
0:レーヴェは歩き出した
レーヴェ:「…はは。これだから冒険ってのはやめらんねえな。」
0:時間経過
アイネス:(M)次に目を覚ましたのは、暫く後。
ガーフィール:「…」
アイネス:(M)辺りでは激しい爆発音と共に船内が揺れ動き、船が軋む音が聞こえる。
0:アイネスはゆっくりと身体を持ち上げた
アイネス:「…ガーフィール…。」
0:ガーフィールに返事は無い
アイネス:(M)息はある…が。再起不能だな。クソ。目が覚めたからには動かざるを得ないじゃないか。寝かせてくれ…。
0:アイネスは足元の本に気付く
アイネス:(M)ふと足元を見ると。レーヴェンシュタインのリュックから離散された分厚い本があった。本には汚い文字でこう書かれている
アイネス:(M)レーヴェンシュタイン冒険譚。
0:時間は少し遡る
0:場面転換
0:ノアの方舟 4階フロア
アリアンロード:「LANCE」
林檎:「Scramble…!」
0:槍はどこかへ消えた
ジオ:「突風・紫斑ッッ!」
アリアンロード:「SHIELD」
0:突風は掻き消される
ジオ:(M)ちっ。攻防、どっちもほぼ完璧にこなせる異常性…!便利でいいなあ、チート野郎…!
アカシ:「Rebellionッッ…!」
アリアンロード:「Sword。」
アカシ:「痛ぁあッッ…!」
アリアンロード:(M)あちらの彼は面白い異常性だ。自身に対する攻撃全てを「物理」から「精神」へ置き換える。その蓄積された精神的ダメージは彼の拳へ乗る。
アカシ:「痛ぁあああああ……。ああ…死にたくなってきたかも…」
林檎:「しっかりしろよメンヘラ!」
アカシ:「メンヘラ…」
アリアンロード:「LANCE」
アカシ:「ごほ…!ああ!やばい!死にたくなってきた!本格的に!」
アリアンロード:(M)肉体から精神へ置き換えているのであれば、精神崩壊して当然なほど叩いている。異様なのは、異常性との相性を加速させる、常軌を逸した「メンタルの強さ」。
アカシ:(M)いい感じに溜まってきたのう。うう…( ; ; )。今ならガロンドールにも負けず劣らずの出力が…うう…( ; ; )…出せる気がするわい!
アリアンロード:(M)最も。近付けさせなければなんら脅威でも無し。
アカシ:(M)って事じゃろ。それが一番難しいのは分かっとるわ。お前、戦闘始まってから一歩もそこ動いとらんもんなあ…!
アリアンロード:「GAN」
ジオ:「ごぼぉ…ッ!く、そ…!林檎ぉ、仕事しろ!!」
林檎:「分かってるよ…!」
アリアンロード:(M)赤い林檎。座標内容としてはアレジ・ロンドンやレイと同じ。しかし、やはり練度が違う。
林檎:(M)近距離中距離遠距離のオールラウンダー、長期戦じゃ不利なのは明白…!一撃で沈めるしかない…!
0:手をかざした
林檎:「Scramble…!」
アリアンロード:「Iron・maiden」
0:鉄の壁が現れる
林檎:(M)やっぱり。現象遮断の盾。アストレア異常性の内容は殆ど同じだ。だからこそ厄介…!まじでどうかしてる性能だな、アイツ…っ。
ジオ:「風流・架設…!」
0:風に乗って飛ぶ
アカシ:「ぉおおおおっっ!ラァアッ!!」
0:殴るが、止められる
アリアンロード:「SHIELD」
アカシ:「くそ…!クールタイムどうなっとるんじゃお前ぇ!」
ジオ:「使えねえロケットだな…!」
林檎:「次来るよ…!構えろって!」
アリアンロード:「LANCE」
アカシ:(M)…なんじゃ。さっきまでとは違う匂いじゃ。
0:アカシは手で印を組んだ
アカシ:「ーー定義転換…ッ!」
アリアンロード:「mode・RAIN」
0:大量の槍が降り注ぐ
アカシ:「総反逆ッッッ!!!」
林檎:「うおお!?槍の雨!?」
ジオ:「とんでもねえ事やがる…っ。」
アリアンロード:(M)異常性対象を自分自身のみから、範囲内の人間全員に切り替える定義転換。過度のストレスでショック死してもおかしくない程の損傷でしょうが
アカシ:「あああああ!病んだああああ!」
アリアンロード:「大概化け物でしょう。貴方も。」
林檎:「Moveッ!」
ジオ:「突風・荒波ッ!」
アリアンロード:「ほお。」
0:アリアンロードは壁に向かって吹き飛ばされる
林檎:「プチッと潰れて…!!」
ジオ:「激突しろ…ッ!」
アリアンロード:「GANLOT」
0:2人は弾丸に体を貫かれる
林檎:「ぶごッ…!」
ジオ:「がは…っ!」
アリアンロード:「見事。駒を動かしましたね。」
0:背後に回ったアカシが脇腹を殴る
アカシ:「ぉぉおおおおおおッ!」
アリアンロード:「ごぶッ…!」
アカシ:「んんんッ!はぁ〜スッキリした!」
アリアンロード:「LANCE」
0:貫かれる
アカシ:「ぼごォ!」
アリアンロード:「Sword」
0:貫かれる
アカシ:「がはァ…!」
林檎:「2回も刺すこと無いだろ…っ!Scram(スクラーーー
アリアンロード:「鎖。」
0:動きが止められる
林檎:「おォっっ…!?」
アリアンロード:「Skewed」
ジオ:「川柳・発散ッッ!」
0:林檎を吹き飛ばした
林檎:「うおお!?っと、助かった!ありがとう、ジオ…!」
ジオ:「くそ…っ。だからクールタイムはよォ!」
アリアンロード:「鉄槌。」
0:3人を叩き潰す
林檎:「ぶごぉ…!」
ジオ:「がはッ…!」
アカシ:「病む!」
林檎:(M)く、そ…!僕のクールタイムが5秒。ジオが3秒。アカシは常時発動。手数で押されちゃ敵わない…!大陸最強の分け身、伊達じゃない…!
アリアンロード:「定義収束」
アカシ:「ーー…ッ!」
ジオ:「は…!?」
林檎:(M)いや。いやいやいや、それはまずいだろ…っ。
アカシ:「ジオ!!逃げろ!!」
林檎:「ふざけんな、アリアンロード…!」
レーヴェ:「おー!アリ!ここに居たか!俺もさっきーーー
アリアンロード:『鋼』
0:場面転換
0:鋼
林檎:「ーーっ…。くそ!やられた…!!」
0:鋼
ジオ:「これが噂の絶対殺す結界ね。いよいよ生き残れる気がしねえが…っ。」
0:鋼
アカシ:「ジオ!!どこ行った!!ジオ!!」
0:鋼
林檎:(M)全員分断されたし。僕は逃げられても、鋼の座標はランダム配置だ。侵入が出来ない…っ。アカシとジオは…損切りするか…?いやいや、それこそ一人で戻ってどうするって話だろ…っ。
林檎:「…って。ちょっと待て。」
0:鋼
0:全員が同時に同じ事を喋った
ジオ:「誰か居なかったか?」
林檎:「誰か居なかった?」
アカシ:「誰かおったな?」
0:鋼
レーヴェ:「ほげ〜!なんだここ、面白。なんかちょっと寒いし。アガットのロンギヌスみたいなもんか?」
0:レーヴェは一人で鋼を歩いている
レーヴェ:「おーーい!アリ!グラン!オーダー!アガットー!誰かいねえのかー!」
0:とぼとぼ
レーヴェ:「とほほ。ひとりだ。折角混ぜてもらおうと思ったのに。」
0:歩く
レーヴェ:「まっ。折角だしもうちょい散歩してからーーーー」
0:鋼が解除される
0:ノアの方舟 4階フロア
レーヴェ:「お…?」
林檎:「ーー…っ…!帰ってきた…?」
アカシ:「みたいじゃのう。」
ジオ:「やっぱ異物混入かい」
アリアンロード:「…レーヴェンシュタイン…」
レーヴェ:「おお、アリ!さっきのヒンヤリ空間もう終わりか?」
アリアンロード:「今は戦闘中です。邪魔しないでください」
レーヴェ:「なんでそんな酷いこと言う。一緒に戦おうぜ、な。」
林檎:「…!」
アカシ:「おいおいおい…」
ジオ:「流石にあの化け物に加えてこの怪物の相手は厳しいぞ…っ。」
林檎:「最っっ悪だね。まじで…」
アリアンロード:「暇なだけでしょう。貴方には貴方の持ち場があるはずですが。先程も彼らに協力するような真似をしたとマクバーンから…」
レーヴェ:「あーあーあーわからんプウ、バビロンブゥ。」
林檎:(M)くそ…!もう十分時間は稼いだろ…っ。誰か、誰か来ないか…!誰でもいい、誰か…!
0:扉が開く
林檎:(M)って願ってりゃ誰か来ると思ったよ…!さあ、一体誰がーーーー
モルポ:「そぉらグランシャリノおらおらおら覚悟しやがれ!俺がモルポ・モルポットだあ!!そう!バグテリアの連中をトンボ帰りさせた男、モルポ・モルポットだあ!さあ、膝を着いて…」
林檎:「…」
モルポ:「こうべを…」
アカシ:「…誰じゃ?」
ジオ:「知らん。」
モルポ:「たれ、て…」
アリアンロード:「…。」
レーヴェ:「モッコリ…なんだって?」
モルポ:(M)俺、モルポ・モルポットです。すぐ調子に乗ります。弱いです。一目見ればそいつが俺より強いかどうかが分かります。セリフスカウターです。壊れました。ビンビンに、場違いだと分かります。帰ります。
0:扉を閉めた
モルポ:「…失礼しました〜…」
0:掴み
林檎:「期待させておいてそんなオチないでしょうよ。」
モルポ:「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」
アカシ:「誰かは知らんが、バグテリアの連中を退けたならそれなりに戦えるじゃろ。力貸してくれや。」
ジオ:「ああ。見て分かるだろ、やばい状況だ。見たところ殆ど無傷だしな。まだやれるだろ。」
モルポ:(M)やれないよ!!めっちゃ勘違いされてるよ!やめてよ!無傷なのは戦ってないからだよ!
レーヴェ:「ジャガーとポルがぁ?まじでえ?」
アリアンロード:「…確かに。撤退情報がありますね。中央とギルドだけで退けるとも思えない。見たとこらただの人間ですが」
レーヴェ:「って事はハチャメチャに体術マンって事か!?なんだよなんだよ、興奮するじゃねえか!」
アリアンロード:「どうでしょう。一見そうは見えませんが。まあ、人は見かけに寄らないと言いますからね」
レーヴェ:「そうそう。いいね。出来レースかと思ったけど、一気に楽しくなってきた。」
モルポ:(M)そんなポンポン話進みますかね??馬鹿ばっかなの??見たまんまだよ。見たまんま弱いよ俺は。人は見かけに寄るよ。
0:場面転換
0:ノアの方舟 最上階 司令室
グランシオラ:「電子回路。脳回路。時の流れ、血液の循環や運命でさえ、全ての事象、概念は「巡り」によって結果を産む。」
ノエル:「……。」
グランシオラ:「座標は要素。その間にある巡りこそが、結果を結果たらしめるプロセスさ。で、あればこそ。君達がここまで行き着いたのにも、それ相応のプロセスがある。それを人々は目的と呼ぶんだ。」
0:グランシオラは椅子に座ったままノエルの方を向いた
グランシオラ:「結果を書き換えるには、そのプロセスが必要だろう。プロセスさえ理解してしまえば、結果すら任意のものに上書きできてしまう。運命など、そんなものさ。」
ノエル:「よく喋るな。」
グランシオラ:「はは。気分が上がっているんだ。君達なんかね、私の視界にも映らない動かぬ要素でしかなかった。だがどうだ?今、私の喉元に最も近いのは君だ。ノエル・ベルメット」
ノエル:「中央政府も介入した。私の仲間達も、刻一刻とお前に近付いてる。気付け、今際の際だぞ。」
グランシオラ:「うーん。アリアンロードとレーヴェを攻略できるとは思えない。アガットは残念ながら負けてしまったようだけれど。あれは相手が悪かったね。想定外は常にある」
ノエル:「その薄ら笑いをやめろって言ってんだ…!」
0:ノエルは銃口を向けた
ノエル:「チェックメイトなんだよ…!グランシオラ…っ。」
グランシオラ:「…。撃つのかい。その引き金を、引いてしまうのかい」
0:グランシオラは銃口に自ら近付いた
グランシオラ:「そう。それを引けば、私の脳天がかち割るという結果になる。」
ノエル:「は…?」
グランシオラ:「どれ。」
0:銃口を自らの額に当てる
グランシオラ:「試してみるといい。」
ノエル:「撃てないと思ってるのか…!私が、お前を…!」
グランシオラ:「どうだろう。君次第だ。」
ノエル:「ふざけんな…っ…!今この瞬間も、私の仲間達が命懸けで戦ってる…っ。死ぬ覚悟で、殺す覚悟を持ってるんだ…!私一人が…っ。」
0:ノエルは引き金を引く
ノエル:「ーーーッ…!」
0:グランシオラの口角は上がっている
ノエル:「また逃げると思うな…ッッ!」
0:引き金は引けない
ノエル:「…は…?」
グランシオラ:「はは。」
ノエル:(M)弾詰まり…!?なんでだ…っ。そんな使い方してない…!有り得ない…っ。
グランシオラ:「はははははははっ。いやあ、ヒヤヒヤしたよ。死ぬかと思った。」
0:グランシオラはノエルの手を取った
グランシオラ:「ほらね。理由など必要無い。結果を成すためのこじつけでしか無いんだ。或いは、君達がここまで来たプロセスも、結果のこじつけでしかない。」
ノエル:「く、そ…っ。何処までも…っ。」
0:ノエルはナイフを手に取った
ノエル:「人を馬鹿にしやがって…!」
0:その手をとめた
グランシオラ:「そう急くな。なぜ君一人でここまで来た。私を殺せると思ったかい。君一人で?」
ノエル:「あぁそうだよ…っ。お前は参謀、身を固めるジャックは各配置でみんなが抑えてくれてる…!ここでお前を殺すのが、私の役割だ…!たとえ刺し違えてでも…!」
グランシオラ:「はははは。冗談きついね。ニーアの妹たる君。グリム写本の謎を解いた君。ノアに侵入するにまで至った君。」
ノエル:「兄さんの名前を呼ぶな…っ。」
グランシオラ:「それだけ賢い君が、私を侮るはずが無い。分かっているよ。君は「捨て駒」。私がなんの策も弄さず、君たちをおめおめと迎える筈がないと分かっている。」
ノエル:(M)バレてる。まあ、そりゃそうだ。
グランシオラ:「見に来たんだろう。中央を、ギルドを、全世界を敵に回すに至った私の根拠を。君の命と引き換えに」
ノエル:「だったら、なんだ…!」
0:ナイフはグランシオラの頬を掠めた
グランシオラ:「…。君のその覚悟に免じて。敢えて、見せてあげよう。歯向かうことすら今を成さない、その理由を。」
0:グランシオラもまた剣を取り出した
ノエル:(M)ナイフ…。いや、短剣か…っ。何んにせよ、異常器なのは確か…!
グランシオラ:「時間。場所。これが結果を導き出す為の正常なルートだ。どこで、どれほどの速度で、後は「何を成すか」。それが目的意識さ。」
0:グランシオラは剣を虚空に立てつけた
グランシオラ:「ーーー止まれ。莫耶」
ノエル:(M)来た…!リベールの電子機器停止を齎した異常器…!ただ、それだけなはずが無い…っ。グランシオラが、近代兵器と異常性のみを排除しただけで終わるはずがないんだ…!
グランシオラ:「…」
ノエル:(M)さーて。何が飛んでくる…っ。
グランシオラ:「…」
ノエル:(M)…なんだ…。何もしないのか。時間が掛かるものなのか。
グランシオラ:「定義収束」
ノエル:(M)いいや、違う…!
グランシオラ:「阿頼耶識」
ノエル:(M)もう終わってるんだ…!!
0:グランシオラは莫耶を掲げる
グランシオラ:「GRID・BORROW」
ノエル:「ーーーー…」
グランシオラ:「FURU・BURST」
ノエル:「ッッ…!」
0:大爆発が起こり、司令室は吹き抜けとなる
グランシオラ:「…ああ。涼しいね。やっぱり外の空気は良い。」
0:辺りは砂煙で覆われている
グランシオラ:「はは、ははは。生きているだろう、ノエル・ベルメット。これをよく見た君だ。緊急回避等造作もないはずだ。」
ノエル:「ーーはぁ…はぁ…っ。」
グランシオラ:「最も。片腕は頂いたがね」
0:ノエルの左腕はちぎれている
ノエル:(M)捨て駒になるつもりなんてなかった。皆で、生きてまた会うと、そう思ってここに来た。
グランシオラ:「ああ。やっぱり、姉さんは間違ってないよ。」
ノエル:(M)でもそれは。命を賭けない理由にはならない…っ。結局私のやることは、こいつの脅威をみんなに知らせること…っ。こいつに、一矢報いてやる…!
0:場面転換
0:4階フロア
林檎:「Scrambleッ…!」
レーヴェ:「ACTォ!」
0:レーヴェは急接近する
レーヴェ:「そぉおお、れェ!」
林檎:「ごぼぉ…っ!」
レーヴェ:「はは。さっき共闘した手前、やりづれえな。」
林檎:(M)くっっそ…!こいつも、やっぱり化け物…!僕の異常性との相性も最悪…!!
アカシ:「そぉぉおおらッッ!」
レーヴェ:「ぶごッッ!」
アカシ:「ぉおらおらおらおら!」
レーヴェ:「ぶべべべっ。」
ジオ:「突風!旋回ッッ!」
アリアンロード:「Sword」
0:横腹に刺さる
ジオ:「ぶごぉ…ッッ!」
アリアンロード:「乱戦であればこうも仕留めやすい」
アカシ:「ジオ…!」
レーヴェ:「こっち見ろよ…!」
アカシ:「しまっ…!」
レーヴェ:「ONELimit・BURSTッッ!」
アカシ:「病むッッ!!」
0:場面転換
0:司令室
グランシオラ:「VOLT」
0:電撃がノエルの身体を巡る
ノエル:「がァあ…ッッ…!」
グランシオラ:「考える暇も与えないさ。分かるよ。君は、ここで首を跳ねるに値する。」
ノエル:「く、そ…っ…!」
0:ノエルは走った
グランシオラ:「おや。」
ノエル:「ただで死んでやるもんか…!」
0:ナイフで切りつける
グランシオラ:「SHIELD」
ノエル:「こちとら1回、アガットに殺されかけてんだよ…!」
グランシオラ:「flambe」
0:ノエルの足が燃える
ノエル:「ぁああ…ッッ…!」
グランシオラ:「よく足掻く。」
ノエル:「は、はは…!もう十分だ、やっぱり…っ。お前は座標の読み解き方を知ってる…!」
グランシオラ:「…。」
ノエル:「特定の異常器を所有している間は理論上、どの異常性すらも使えるってタネだ…!」
グランシオラ:「ああ。やはり。首を跳ねる価値がある」
0:場面転換
グランシオラ:『君達が何を敵に回したか。分かっているかい』
レーヴェ:「そぉぉおおれ!!」(殴る)
アカシ:「ブムムッ!」
グランシオラ:『世界を敵に回す覚悟をした人間を。たかだか寄せ集めの有象無象でどうこう出来ると。』
アリアンロード:「雷」
0:2人は潰される
林檎:「ごぶぉッッ…!」
ジオ:「がはッッ…!」
グランシオラ:『私の喉元に届き得る?有り得ないさ』
レーヴェ:「Steins・BORROW」
グランシオラ:『理想論は捨てる事だ。』
レーヴェ:「NEO・BURSTッッ!」
0:3人は同時に対抗する
林檎:「Scrambleッッ!!」
ジオ:「突風!旋回ッッ!!」
アカシ:「ぉおおおおおおおッッ!!」
グランシオラ:『理解した方がいい』
アリアンロード:「鉄槌」
アカシ:「ぶごぉッ…!」
林檎:「がはッッ。」
ジオ:「ぶぉオッ…!」
グランシオラ:『ここが。君達の死地だ。』
林檎:「はぁ…はぁ…ごぷっ…。」
ジオ:「おえっ。おええっ。」
アカシ:「ああ、ダメじゃ…心、折れてきた…本格的に…!」
林檎:(M)アリアンロード一人でも勝機が薄いってのに…っ。レーヴェンシュタインの野郎…っ。横槍入れやがって…!
アリアンロード:「ここまで、ですか。」
モルポ:(M)や、やべえ…っ。全然、ついて行くとか、そういう話じゃねえってこれ…っ。勢いで首突っ込んでどうにかなる奴らじゃねえ…っ。分かる、一歩でも動いたら次瞬きした頃にはあの世だ…っ。
レーヴェ:「はは。余裕だなアリっ。ほれ、ハイタッチハイタッチ」
アリアンロード:「…」
0:アリアンロードは面倒くさそうにハイタッチした
レーヴェ:「いえーい。」
ジオ:「クソが…っ。舐め腐ってやがる…っ。」
レーヴェ:「え?いや、お前ら強かったよ。」
ジオ:「そういう所がさらにムカつくってんだよ…っ。」
アリアンロード:「ここまで来れたのは見事。時の運を掴みましたね。」
林檎:「は、はは。こっからは運だけじゃダメってかい。辛口だねえ」
アリアンロード:「どうでしょう。試してみますか。」
林檎:(M)…終わった、か。クソ。負け戦のつもりは無かったけど。ここまでどうにもならないとは。
0:場面転換
0:最上階 司令室
グランシオラ:「…」
ノエル:「はぁ…はぁ…はは。本当に。凄いな。どいつもこいつも。力で物言わず馬鹿ばっかりだ…っ。」
グランシオラ:「理想に地に足を付けるのは力さ。地位だったり、金だったり、暴力だったりとね。単純な話。それが及ばないというーーー」
ノエル:「うっせーよ、ばーかっ。」
グランシオラ:「…」
ノエル:「お前、友達居ないだろ」
0:ノエルはフラフラになりながら立った
ノエル:「お前をここまで追い詰めたのが、私一人の力だなんて、私たちだけの力だなんて思っちゃいない…っ。それ以外の、沢山の人が力を貸してくれたから、運良くここまで来れたんだよ。」
グランシオラ:「…」
ノエル:「力不足だなんてのは、私が1番よく分かってる…っ。」
0:場面転換
0:4階フロア
アリアンロード:「荒ぶる流れに抗えど、雨に打たれる雛鳥に過ぎず。残念です」
林檎:「…っ。」
モルポ:「う、うわああああんっ!ぽかぽかぽかぽかぽかっ。」
0:雑魚殴り
レーヴェ:「ぽかぽか…初めて見た…!」
アリアンロード:「呆れるほど弱い。悲しい事ですね。」
モルポ:「くそ…!やめろよ…!やめろよおおっ。」
レーヴェ:「よっ。」
0:蹴る
モルポ:「ぶごぇええっ…!」
林檎:「モルポくん…!」
レーヴェ:「アリ、ここまでだ。これ以上は見込めねえよ」
アリアンロード:「でしょうね。」
モルポ:「やめろ…っ。やめろよ…っ。」
0:モルポはアリアンロードの足にしがみついた
モルポ:「お前らが、お前らがこんなことしてから、リベールの人達がどんな風になったか、分かってんのか…っ。」
アリアンロード:「…」
モルポ:「電子機器が止まった…っ。医療設備が全部止まった…!何百人って人が死んだんだよ…っ。フランス一の貿易都市リベールが、その貿易権を剥奪された…っ。食べ物はすぐに腐るからって、保存食を巡って争いが起きてる…っ。寒さに凍える子供が居る…っ。夜は真っ暗闇で、何人の女の人が襲われたと思ってんだ…っ。全部、ギルドに依頼が来た内容だ…!見えないとこじゃ、もっと沢山の最悪なことが起こってる…!!」
レーヴェ:「…」
モルポ:「お前らが好き放題したから!!ここは地獄になっちまったんだよお!!」
アカシ:「…モッコリくん…」
モルポ:「この人たちは…!俺とは違う!!本当に力のある人達だ!お前らみたいな奴を止めてくれる、最後の希望なんだよ…!!リベールの皆が、それ以外の人だって、この人達を頼りに、寝るのも怖い夜を耐え忍んでるんだ…!!だから、俺一人の命でどうにかなるなら…!死んだってこの人たちが生きる一秒を優先する!!!」
アリアンロード:「…。吠えるのは犬でも出来ます。貴方は何故、伴わない行動をするのですか。」
モルポ:「俺が!!!支える篭手だからだ!!!」
アリアンロード:「…そうですか」
モルポ:「〜〜っ…っ!!」
アリアンロード:「定義収束」
劉淵:「よく言った!!!モルポ少年!!」
イオハロット:「やっぱり最高にかっこいいぜ、お前…!」
モルポ:「へ…」
アリアンロード:「次から次へと…」
ノエル:『無謀だなんてのは、みんな分かってる…っ。分かった上で、馬鹿みたいな理想に付き合ってくれてるんだ…っ。』
レーヴェ:「Steins・BORROW。」
ヴァン:「待った待った。」
レーヴェ:「おぉ…?」
フェリス:「私達は無視かい、寂しいね」
アリアンロード:「…カリギュラ。」
アカシ:「フェリス…!無事だったんじゃなっ。」
フェリス:「はい、お陰様で」
アカシ:「おかげさま?」
フェリス:「いえ。こっちの話です」
ヴァン:「生憎、槍はもう寝っ転がしだ。他も勝負がつき始めてんだろ。」
レーヴェ:「ええ。アガット負けたかぁ〜。残念。」
ノエル:『プロセスとか、理由とか、どうでもいいんだよ…!お前がやろうとしてる事は、阻まれて当然だ…!私達はそれに全力尽くすっ。今に見てろ…!結果は後から着いてくる…っ。』
グランシオラ:『傲慢だね。』
レーヴェ:「そぉぉおおら!!」
劉淵:「ぐぅぉおおッ!」
イオハロット:「ぶち抜けッッ!」
レーヴェ:「っとぉ。ほい!」
イオハロット:「ごぷぉッ…!!」
グランシオラ:『人が生きていれば、否が応でも変革は起こる。何千、何億という人間が日々産まれ死んでいく。その激動の中、歴史の在り方を変える人間も出てくる。時の流れとはそういうものだ。』
アリアンロード:「鉄槌」
ヴァン:「ぶごぉッッ…!」
フェリス:「Switch・feather!!」
アリアンロード:「SHIELD」
グランシオラ:『その激動を止めるのも、動かすのも、その覚悟と力が必要だ。為せば成る等という絵空事で罷り通る程、君の理想には死んでもらうだけの価値があるのかい』
レーヴェ:「ACTッッ…!」
劉淵:(M)手負いじゃあここまでか…っ。だが、少しでも彼らA級を生かした…!それだけでも、この命を散らす価値がある…!
レーヴェ:「弱いのによく戦ったよ、すげーなお前」
劉淵:「俺よりも遥かに弱い、勇敢な戦士がそうしたからな。」
レーヴェ:「ご立派ァ…!」
イオハロット:「く、そ…!劉淵…っ。」
林檎:「Scramble」
0:林檎と劉淵の位置が入れ替わる
レーヴェ:「おぉ…?」
劉淵:「は…?」
林檎:「生憎。自分の為に誰かが死ぬのは見飽きたんだ。」
劉淵:「林檎さん…!!何をやっている!それでは意味が…っ。」
レーヴェ:「いいね。俺好きだなあ、お前。」
林檎:「どーも。」
レーヴェ:「ACTッッ…!」
グランシオラ:『君の馬鹿げたご都合理想論に付き合わされる命の数々が可哀想だ。勝算の無い勝利を掲げるのは、傲慢だよ。』
ノエル:『だから仲間がいる…!』
0:場面転換
0:最上階 司令室
ノエル:「不可能、絵空事、理想論、そんな馬鹿に付き合ってくれるのが、仲間だ…!」
グランシオラ:「反吐が出る程くだらない」
ノエル:「私もそう思ってたさ、そんな臭いこと吐いたって現実は何も変わらないって」
グランシオラ:「今はそうじゃないと?」
ノエル:「お前の目の前に私が居る。これが全部だ…!」
グランシオラ:「負け犬の遠吠えだね。聞くだけ無駄だったよ。」
ノエル:(M)ああ。死ぬ。今度こそ、死ぬ。でも、絶対に誰かが助けに来てくれるって信じてる。他人頼り?他力本願?そうさ、それが私だ!
グランシオラ:「GRID・BORROW」
ノエル:(M)最後まで。信じ抜くんだ…!
グランシオラ:「FURU」
ノエル:(M)そうしないと、二度とアイツらを、仲間って呼べない気がするから…っ。
グランシオラ:「BURS(バース
ニーア:「そこまでだ、グランシオラ」
グランシオラ:「…おや。」
ノエル:「え…兄、さん…?」
ニーア:「そう虐めないでくれ。僕の、ただ一人の妹なんだ。」
グランシオラ:「ニーア・ベルメット…!」
0:場面転換
0:4階フロア
林檎:「ごぽっ…。」
レーヴェ:「Steins・BORROW」
劉淵:「やめろぉおお…ッッ!!」
アリアンロード:「最後まで呼ばないのですね。カリギュラ」
ヴァン:「呼べるわけねえだろ…っ。ここまで目立つ場所でぇ…っ。」
フェリス:「ごぽっ…。」
アリアンロード:「言い残すことは?」
フェリス:「はは。無いね」
アカシ:「フェリス!!!」
ジオ:(M)くそ…!今動かなくていつ動くんだよ、この身体…!くそ、くそくそ…!!
アカシ:「やめんか…!お前らァ!!」
レーヴェ:「NEO」
アリアンロード:「定義転換」
ガロ:「ーーーッッ…。」
0:ガロはレーヴェの手を掴んだ
レーヴェ:「…!」
ジャイロ:「削り取れ。」
カラス:「桜華流・執刀」
アリアンロード:(M)次なる指し手。オーダーを退けましたか。
ジャイロ:「サーティーン!!」
カラス:「乱れ桜ァア!!」
アリアンロード:「天ノ鉾」
0:3人は撃ち合いになる
ガロ:「お前ら。俺の仲間に何してんだ。」
レーヴェ:「ガロ…!!」
林檎:「…はは、遅いよ。」
アカシ:「アホレンジャーの…!」
ジャイロ:「悪いが、ちぃと気が立ってる。手加減無用だ」
劉淵:「異能狩り…っ。」
イオハロット:「はは、こりゃもう先輩風吹けねえな…っ。」
カラス:「無事…じゃねえな。だが、生きてて何よりだ。ヴァン。フェリス」
ヴァン:「…か、はは。おう。」
フェリス:「そっちも無事決着が着いたようで。何よりだよ」
ガロ:「レーヴェ。今度こそ、決着付けに来たぞ」
レーヴェ:「ああ。待ってたよ、ガロ。」
0:場面転換
0:最上階 司令室
グランシオラ:(M)匂い。
ニーア:「ノエル、止血を」
グランシオラ:(M)激動の匂い。
ノエル:「兄さん…っ。なんで…」
ニーア:「妹が頑張ってるのに。僕一人がのうのうと寝てる訳にもいかないよ。」
グランシオラ:「ーーーー無象が。」
ニーア:「どうかな。その無象が重なって、今君の目の前に僕達がいる。」
グランシオラ:「どうやって檻から…」
ネロ:「元中央政府特務研究員。グランシオラ・ルルカブル。不法占拠、殺人罪、中央統治反逆罪、罪は数えだしたらキリが無いが」
アスカ:「執行対象として拘束、処分に当たる。」
ノエル:「アスカさん…!」
アスカ:「間に合ってよかったよ。よく耐えた、ノエル・べるめっと。」
グランシオラ:「そうか。まあ、それはそうだね。ガサ入れされればそうなるね。一週間ぶり、ネロ。アスカ」
ニーア:「ああ。沢山の人が、君の目的を阻止しようと動いている。君の異常器とやらを利用した計画における、「無視せざるを得ない」一つ一つの小さな要素が、今になって君を蝕んでいる。」
0:場面転換
0:4階フロア
アリアンロード:「……。引きます」
林檎:「は?」
ジオ:「お、おい、アカシ。あいつ今なんて言った」
アカシ:「引いてくれる、と。」
ジオ:(M)…なんでだ。正直、あの怪物女がいる間は俺達にどれほど援軍が来た所で勝機は薄い。今撤退するってのはどういう…。
レーヴェ:「もういいのか、アリ」
アリアンロード:「はい。既に見届け役として責は果たしたでしょう。莫耶のモデルケースも既に得た。ここまでが、グランシオラの限界でしょう。上の方にも、彼が戻ったようです」
レーヴェ:「彼…。あー、ニーア!」
ガロ:「おい、逃げんのか」
ジャイロ:「おい。余計なこと言うな」
アリアンロード:「グランシオラも、あなた達もまた。人の子。バグテリアの彼らにアガット、オーダーですは退けたとあれば。あなた方の行き着く先は既に実現可能の結果として認識しました。」
0:アリアンロードは槍を下げる
アリアンロード:「であれば。これ以上の過干渉は、あの方も望まないでしょう。」
ガロ:「何言ってんだ。こいつ。」
林檎:「知らないよ。ずっとだ。」
レーヴェ:「2年か?結構長い間一緒したけど。楽しかったわ。ありがとな、アリ」
アリアンロード:「はい。どうでしょう。貴方であれば、アキノも歓迎するかと思いますが。共に深淵を覗いた事もありますし。一緒に来られますか。」
レーヴェ:「うーん。いいや。お前らの目指すところは俺興味ねえし」
アリアンロード:「そうですか、少し残念ですね。」
レーヴェ:「おぇぁ」
アリアンロード:「その顔をやめてください。感情としては紛い物ですので。そう感じる事自体は偽りなのでしょうが」
レーヴェ:「ははは、そんな事ねえよ。お前はお前だ」
アリアンロード:「…」
レーヴェ:「そんじゃあな。アリ。楽しかった」
アリアンロード:「はい。どうか、武勲を。」
0:アリアンロードはその場から消えた
林檎:「聞きたいことが山積みだったけれど。まあ、しょうがないか。」
ジオ:「お前は引かないんだな。レーヴェンシュタイン」
レーヴェ:「おう。引かねえ。」
ガロ:「じゃあ。しょうがねえな…!」
ジャイロ:「連戦連戦…っ。やってらんねえな…!」
カラス:「そのつもりで来たんだろうが、弱音かアロハ」
ジャイロ:「お前の方が足プルプルじゃねえか、本当にナマクラになっちまったか?」
カラス:「はっ。言ってろ」
レーヴェ:「ははは…!やっと来たなぁ!!嬉しいよ、ガロ…!」
ガロ:「おう。待たせたな、レーヴェ…!」
0:場面転換
0:ノアの箱舟 最上階
グランシオラ:(M)激動の匂い。最も愛し、最も嫌った。深淵の香り
ニーア:「ノエル。君も気付いただろう。グランシオラの計画の全貌を」
ノエル:「…。うん…!」
グランシオラ:(M)5年前。手駒となった彼が。
ニーア:「22年前。君は中央政府の研究部における、たった2人しかいなかった特務研究員なる役所に着く人物だった」
グランシオラ:(M)一週間前、動かぬ駒となった筈の彼女が。
ノエル:「お前はそこで異常性のロジックに気づいた。結果の前借りに過ぎない座標は常に移ろうものであり、物にすら宿るものである事も。」
グランシオラ:(M)それが今はどうだ。
ニーア:「その要素となるのが時間と場所。この2つ。移ろう結果を捉える為の座標へ干渉する、唯一のプロセスだ。」
グランシオラ:(M)私の喉元に、最も近い所にいる。
ノエル:「異常器の作成方法は、目的意識を特定の時間、特定の場所で、無機物へとアプローチをかけること。偶発的でしか実現し得ないその現象に気付けたのは。中央政府「観測室」での座標観測によるものだ」
グランシオラ:(M)違和感。
ニーア:「中央政府が野良の異常体を捕縛できるのは、観測室の存在が大きい。力場の発生地点と称してはいるが、実際のところそれは「座標が繋がった時間と場所」を観測するもの。」
グランシオラ:(M)喉のシコリを伴うような、違和感。
ノエル:「お前は渇望した。場所を移ろう座標を、時を止めて捉える手段を。」
グランシオラ:(M)6年前。私の手駒となった彼女はどうなった?
ニーア:「そして6年前。無題解体作戦の中で、ようやくその手段を手に入れた。中央政府の人間なら誰しもが知っているであろう、オーダー・アルバーナの異常性を。」
グランシオラ:(M)14年前。私の手駒となった彼女はどうした。
ノエル:「そこからは早かったんだろうな。アガットが使ってた2本の槍を試作した。」
グランシオラ:(M)なぜ誰一人。私の手元に今居ない。
ニーア:「5年前。リベールでの大量失踪事件。僕達が、君に負けた日だ。異常器は人と同じ性質を持つ、無機物でありながら肉体として再生する、絶対不落の城を。それが、僕の異常性で空を飛ぶこの舟だろう。」
グランシオラ:(M)5年前に挫いただろう。心折れた彼も。お前も。
ノエル:「異常器になった後の人間は殺せない。生かしておかなければならない理由がある。」
グランシオラ:(M)違和感。
ニーア:「座標の繋がりが、無機物を介して繋がっている。本体が死ねば異常器は壊れる。異常器が壊れれば本体が死ぬ。異常器と異常体は共同体なんだろ。だから僕を生かさざるを得なかった。」
グランシオラ:(M)大切に。丁寧に。手の平に収めるはずの。経緯。
ノエル:「これが。緻密に計算された、20年以上に渡る妄執の。唯一無視せざるを得なかった小さな要素だ…!」
グランシオラ:(M)違和感。
ニーア:「オーダー・アルバーナの本体が居なければ、その異常器は意味を成さない。飼い殺しにする必要があった。その異常器があれば、中央政府や全国家を敵に回せるだけの計算だった。理論上、ありとあらゆる異常性を使役することが出来るからだ。」
グランシオラ:(M)自我を出してしまった。自分を押し殺してでも、何を捨てでも。それを実行すると決めたろうに。
ノエル:「このロジックが分かった以上。オーダーを殺せばお前の計画は破綻する。」
グランシオラ:(M)自由の代償は。血で贖うと決めたろうに。
ニーア:「僕が死ねば。絶対不落の方舟は、ただの鉄の塊になる。」
グランシオラ:(M)あの時も。そうだった
アスカ:「…は、はは。凄いな。あの二人は」
ネロ:「まあ。無題解体作戦の推察を見れば当然と言えば当然だろう。」
アスカ:「とんだ虎の子だ。」
ノエル:「…はは。少しは、成長したかな」
ニーア:「うん、少しどころじゃない。すごーーーく、だ。流石、僕の妹だね」
0:頭を撫でた
ノエル:(M)頭を撫でてくれる手は、昔よりも冷たくて。でも、昔と何も変わらないその手が。嬉しくて、とても悲しい。
グランシオラ:(M)ーーー違和感。
0:グランシオラは剣を握った
グランシオラ:「だから。どうした。」
アスカ:「動くな…!」
グランシオラ:「阿頼耶識」
ノエル:「…!アスカさん…!」
グランシオラ:「Sword」
0:剣が突き刺さる
アスカ:「ごぶッ…!」
ネロ:「この…ッ!」
グランシオラ:「flambe」
0:ネロの足が燃える
ネロ:「ッッがぁ…!!」
グランシオラ:「この場で殺してしまえば、何も問題なし。」
ノエル:「結局脳筋作戦かよ…っ。」
ニーア:「グランシオラは僕だけは殺さないはずだ…!僕の後ろに隠れてて、ノエル」
ノエル:「嫌だっ。私だって、戦うんだ…っ。」
グランシオラ:「いつもの自分を曲げた時。人は敗北するんだよ。ノエル・ベルメット…!」
0:場面転換
0:4階フロア
レーヴェ:「もっと張り合ってこいよォ!!ガロ!!」
ガロ:「ッッぁああ…!分かってる!」
カラス:(M)全員消耗が激しい。今アイツとマトモにやり合えるのはもうガロとA級の面々共か…っ。
林檎:「Scramble(スクランーー
レーヴェ:「そぉらッ!」
林檎:「ぶごッ…!」
アカシ:「ジオ。立てるか…!」
ジオ:「意地でも立つじゃろがい…!」
ジャイロ:「最後の門番が一番厄介じゃねえか…!ガロ!もうちょい頼むぞ!!」
ガロ:「お、おう…っ。」
カラス:「…ガロ…?」
ガロ:「いや。大丈夫、だ。わりい。ちょっとフラついただけだ…っ。」
ジオ:「突風・旋回ッッ!」
0:突風がレーヴェの腕を掠める
レーヴェ:「痛ぁ!お前!ふざけんな!」
ジオ:「お前がふざけんな!!」
フェリス:「遊んでないで真面目にやってくださいよ…!ジオさん…!」
ヴァン:「まったくだ…っ!」
ガロ:(M)あれ。なんだ。身体が思うように動かねえ…
劉淵:「イオハロット!!!」
イオハロット:「はいよぉ…!!」
レーヴェ:「だっははは!あっぶねえ!侮れねえなB級グルメ!」
イオハロット:「B級ギルドだ!!」
ガロ:(M)俺も、戦わなくちゃいけねえのに。足が重い。思考が穴抜けしていくみたいに、白くなっていく
林檎:「ガロ!!なにやってんの!!」
レーヴェ:「ははは!ボーッとしてんなよガロ!」
モルポ:「ぉおい!!ガロンドール!さっさとやっちまってくれよ!!」
ガロ:(M)…何か。重要な糸みたいなのが、解ける感覚がした。
レーヴェ:「…あ?」
ガロ:「ーーー…ッ…」
0:ガロは膝を地についてる
ジャイロ:「ガロ…!?」
ガロ:「…あれ。…体。動かねえ。」
カラス:「ーーー…っ。」
林檎:(M)そりゃそうだ…っ。一週間前から前借りを続けてる。前借りの「余白」が産まれたら、立つのも困難でしょうよ…っ。
レーヴェ:「…。はぁ…?」
ガロ:「…」
レーヴェ:「おいおいおい。そりゃないぜガロ」
ガロ:「…っ…」
レーヴェ:「…。まあ。立てねえもんは立てねえか。アリが引いちまった。こっちも多分佳境ってやつだ。運がなかったな、ガロ。」
ガロ:「く、そ…ッッ…!ここ、まで、来て…っ。」
ジャイロ:「誰もお前を責めねえよ…!!けど…!」
カラス:「絶望的なのは確かだろう…っ。」
ガロ:(M)なにやってんだ、こんな時に…っ。全員死に物狂いで戦ってんだ…、歯車にスイッチをハめる感じだ、急げ、急げ急げ急げ…っ。
アカシ:「おい、ガロンドール」
ガロ:「なんだよ!!」
アカシ:「少し休ませてやる。その間に立て。何がなんでも立て」
ガロ:「……。分かった…!」
アカシ:「ーーー動ける奴はガロンドールを死守しろ…!!林檎くんは最上階、ノエル・ベルメットの元へ迎え!!他に足でまといになると思ったヤツらもだ!」
林檎:「ーー…!」
アカシ:「各自自己判断に任せる!!アリアンロードが退いた今、残す戦力はコイツだけじゃ!!今が攻め時ィ、何がなんでも諦めんな!!」
ヴァン:「流石の判断力…!A級束ねてるだけあるわ…!」
劉淵:「作戦行動を準拠しろ!!動けるものから援護!!」
レーヴェ:「ははは!それでこそだよなあ!?」
アカシ:「うぉおおおお!!」
レーヴェ:「ぶごッ!」
アカシ:「どぉらドラドラドラ!!」
レーヴェ:「ぶぶぶッッ!」
劉淵:「むんッッ…!!」
0:鎖でレーヴェを放り投げる
レーヴェ:(M)鎖鎌の…!こいつも面白いんだよなあ
劉淵:「んんぉぉおおおおッッ!!」
レーヴェ:「おろろろろろ!?」
カラス:「桜華流・超上段…ッッ!」
レーヴェ:「い!?やっっべ!」
カラス:「千年落としッッ!」
0:避ける
レーヴェ:「ぉおっと!良い太刀筋してんなぁ!」
カラス:(M)空中だぞ…!どんな運動神経してんだこいつ…!!
レーヴェ:「ACT…ッッ!」
0:レーヴェの身体が発熱する
レーヴェ:「bound・BURSTッッ!!」
0:壁を蹴り続けバウンドする
カラス:「ごぶぉ!!」
レーヴェ:「はい、次ィ!」(頭突き)
劉淵:「ごぶッッ…!」
レーヴェ:「もう一丁ぉ!!」(蹴る)
アカシ:「がはッッ…!!」
林檎:「全員、判断してくれ!ノエルの救助も急ぎたい…!僕と一緒に行くのは誰だ!」
0:全員が一斉に返事をする
ヴァン:「俺が行く…!」
フェリス:「私が行きますっ。」
ジオ:「俺が行こう。」
イオハロット:「私が行くっ。」
モルポ:「俺行く俺行く!!」
林檎:「よし。そういう訳だ…!後は頼んだよ、皆…!」
アカシ:「く、そ…!おう!任せんかい!!」
林檎:「Scrambleッ…!」
0:林檎、フェリス、ヴァン、ジオ、イオハロットがその場から消える
レーヴェ:「ははは!マンマと逃がしちまった!グランなら大丈夫だろうけど、なァ!」
0:殴るが受け止める
ジャイロ:「Adsorption…ッ!」
レーヴェ:「おぉ!?」
0:顔を掴む
ジャイロ:「Refundォッ!」
レーヴェ:「ぶごぉ!ったー!そうだ!忘れてた!それもあったなジャイロ!」
アカシ:「そぉぉおいやッ!」
レーヴェ:「っと。ぉおら!」(避けて殴る)
アカシ:「ぶごッッ!」
劉淵:「好き放題する…ッ!」
0:鎖を巻き付ける
レーヴェ:「だぁ!これうぜぇって!」
劉淵:「同じ気持ちだ、よ!!」(投げる)
レーヴェ:「ACTッッ!」
0:鎖はちぎれる
劉淵:(M)鎖を膂力だけでちぎりやがる…!どうかしてるな…!
カラス:「巻柄ァ!」
0:刀を避ける
レーヴェ:「だっはは!ジャパニーズ侍だな!いいね、カッコイイッ!」
0:殴る
カラス:「ぶごぉッ…!」
アカシ:「殴ったぶん、耳揃えて返すぞ!!」
レーヴェ:「bound・BURST」
アカシ:(M)壁を蹴って走る異常性…!目視で捉えるのは無理か…っ!
レーヴェ:「そぉらそらそらそらそらそら!!」
アカシ:「ぉおお…!?」
ジャイロ:「んんん!?」
カラス:「な、んだ…!?」
劉淵:「痛くないぞ!!見えんだけで!!」
ガロ:「…!お前ら…!気を付けろ…!!」
レーヴェ:「定義反転」
ガロ:「その技、遅れて痛みが来る…!!」
レーヴェ:「強制返済」
0:全員の身体に激痛が走る
アカシ:「がががァ…!」
ジャイロ:「ぶごォ…ッッ!」
カラス:「かは…ッッ…!」
劉淵:「むごぉ…!」
アカシ:(M)意識外の攻撃…!Rebellionの対象外じゃ…!くそ、肋骨折れたか…ッ!
レーヴェ:「Steins・BORROWッッ…!!」
ガロ:「お前ら…!!」
ジャイロ:「黙って集中してろ!!」
カラス:「そんなに頼りねえか、俺らが…!!」
ガロ:「…!」
レーヴェ:「NEOッッ…!」
ジャイロ:(M)コンマ一秒ズレたら全員が吹っ飛ぶ…っ!どんな瞬発力ゲーだよ…!
レーヴェ:「BURSTッッ!」
ジャイロ:「Adsorptionッッ!!」
0:衝撃は吸収される
レーヴェ:「おお…!よく凌いだ!」
ジャイロ:「うっっせえ…!!」
アカシ:「Rebellionッッ!」
カラス:「桜華流・奥義ィ…!」
レーヴェ:「Steins・BORROWッッ!」
0:3人が同時に攻撃を開始する
ジャイロ:「Refundォオッッ!!」
カラス:「神楽ァァアッッ!」
アカシ:「どおぉおおおラァアッッ!」
レーヴェ:「quick・LUSHッッッ!!!」
0:激しい衝撃が走る
カラス:「ぶごォ…ッッ!?」
アカシ:「ガッは…!!」
ジャイロ:「がァ…ッ!」
レーヴェ:「ッッ…効くねェ〜!特に禄戀会のぉ!」
ジャイロ:(M)サーティーンを取り出す暇もねえ…!戦況変化が速すぎる…!
レーヴェ:「そぉらもういっちょォ…!」
ジャイロ:(M)クールタイムもあって無いようなもんだ…!!次は捌けねえぞ…ッ!
劉淵:「ぉぉおおおッッ…!」
0:タックル
レーヴェ:「ぉお…っ!?ここに来て脳筋タックルかよ!」
劉淵:「生憎、手持ちがあまり無いものでな…!」
レーヴェ:「右手もねえしな!」
劉淵:「ははは!デリカシーの無いヤツめ…ッ!」
レーヴェ:「力勝負は好きだ!やってみろ!」
劉淵:「舐めてくれる…ッッ!」
0:2人は押し合いになる
ガロ:(M)皆が戦ってる。
レーヴェ:「ぉおおおおおッッ!」
劉淵:「ぉぉぉおおおおッッ!!」
ガロ:(M)情けない気持ちと、嬉しい気持ちがあった。
カラス:「桜華流・速攻ッッ…!」
ガロ:(M)アル。お前の言う通りだ、俺一人何も出来なくたって。皆が助けてくれる
カラス:「抜刀・居合ッッ!」
レーヴェ:「ぉおっとぉ!力勝負に割って入る馬鹿が何処にいるんだ!」
カラス:「刀を素手で止めるヤツがどこにいんだよクソが…!」
レーヴェ:「おるやろがい!」
ガロ:(M)だから。皆が何も出来なくなっても。俺が皆を支えられるように。
アカシ:「ぉおおッ!」(殴る)
レーヴェ:「っとぉ!」(止める)
カラス:「んんッ!」(斬る)
レーヴェ:「たぁハッ!」(避ける)
劉淵:「ムンッッ!」(殴る)
レーヴェ:「ッッ…!」(止める)
アカシ:「おぉらッ!」(蹴る)
レーヴェ:「ごぶッ…!ぁああッ!」(蹴る)
カラス:「がはッッ…!」
レーヴェ:「んんッッ!」(殴る)
劉淵:「ぐぉオ…ッ!」(止める)
アカシ:「そぉい!!」(殴る)
レーヴェ:「ぶほッ!」
アカシ:「オラオラオラオッッ!」(連打)
レーヴェ:「ぶぶぶッ!」
0:2人は同時に攻撃する
カラス:「ぉぉおおおッ!」
劉淵:「ぉぉおおおおッ!」
レーヴェ:「shift・BURSTッッ!」
0:緊急回避
劉淵:「緊急回避…!距離を取られたら不利なのはこちらだぞ…!」
カラス:「いいや…!」
ガロ:(M)強くなくていい。弱いままでもいい。ただ、強く在りたい。
レーヴェ:(M)前借りのストックも危うい。距離とって纏めてぶっ飛ばすのが1番手っ取り早いな。
ジャイロ:「来い…!サーティーンッッ…!」
レーヴェ:「…!」
ジャイロ:「削り取れ…ッッ!」
ガロ:(M)カチっと。何かがハマる音がした
ジャイロ:「サーティーンッッ!」
レーヴェ:「bound・BURSTッッ!」
0:その場から消える
ジャイロ:(M)くそ…ッッ!千載一遇のチャンス逃した…っ…!次は耐えらんねえ…!!
レーヴェ:「そぉぉぉおおおおらッッ!」
ガロ:「FANBLEッッ…!!」
0:殴った
レーヴェ:「ごぶォアッッ…!?」
ジャイロ:「…!ガロ…!」
カラス:「やっとかよ…っ。」
ガロ:「皆、ありがとう。もう大丈夫だ…!」
アカシ:「はは、やっぱりええのう。ガロンドール…!」
劉淵:「うむ!我々の後続もまた、確実にその芽を出しています!」
レーヴェ:「っははは…!やっと復活か…!待ってたぜ、ガロ…!」
ガロ:「おう。待たせた。レーヴェ」
0:ガロは全員に顔を向けた
ガロ:「ありがとう!!ここは俺にやらせてくれ!!」
ジャイロ:「…」
ガロ:「ノエルを。頼む…!」
カラス:「…。」
0:全員が同時に声を上げた
ジャイロ:「分かった…!」
カラス:「了解…!」
アカシ:「任された!」
劉淵:「任せたまえ!」
レーヴェ:「行かせるかよ…ッ!」
0:レーヴェは腰を提げた
レーヴェ:「shift・BURSTッッ…!」
ガロ:「shift・BURST!!」
レーヴェ:(M)おぉ!?マジか、着いて来るかよ…!
ガロ:「ぉぉおおおおらッッ!」
0:殴るが止める
レーヴェ:「ッッっとぉオ…!」
ガロ:「早く行ってくれ!!」
ジャイロ:「ああ…!」
アカシ:「グランシオラは最上階じゃ…!このまま進むぞ!」
劉淵:「了解です!」
カラス:「死ぬなよ、ガロ…!」
ガロ:「おう!絶対死なねえ!」
0:アカシ、ジャイロ、カラス、劉淵がその場から走り去る
レーヴェ:「ーーー…はは。」
ガロ:「…」
レーヴェ:「本当に、本当に強くなった。嬉しいよ、ガロ」
ガロ:「違う、これから皆で強くなってくんだ。俺は」
レーヴェ:「いいね。じゃあ、第二ラウンドだ…ッッ!」
ガロ:「FANBLEッ…!」
レーヴェ:「ACTッ…!」
0:二人の体は激しく発熱する
ガロ:「ぉおおおッ!」
0:殴る
レーヴェ:「ごぶッ…!だぁあああッ!」
0:蹴る
ガロ:「がはッ…!!」
レーヴェ:「そぉら…!」
0:頭を掴む
レーヴェ:「吹っ飛べェ!!」
ガロ:「ぐぉおおおえ!?」
レーヴェ:「12Limit」
ガロ:「45GRID…ッ!」
レーヴェ:「ACT・BURSTッッ!」
ガロ:「Quick・BURSTッッ!!」
0:拳がぶつかる
ガロ:「がァ…ッ…!」
レーヴェ:「bound・BURSTッッ!」
ガロ:(M)それは、やべえ…!
レーヴェ:「そぉらそらそらそらッ!」
ガロ:「12GRIDォ…!!」
レーヴェ:「定義反転」
ガロ:「Quickーーーッ」
レーヴェ:「強制返済」
ガロ:「ぶごぉあッ…!!」
レーヴェ:「GRIPッッ!」
0:足を握る
ガロ:「んがァ…!」
レーヴェ:「hammerァアアッ!」
0:地面に叩きつける
ガロ:「ごぼぉアア!」
レーヴェ:「Steins・BORROW…ッッ!」
ガロ:「ッッ…らぁあああッ!」
0:蹴る
レーヴェ:「ぶごぉ!?」
ガロ:「430GRID…ッ!」
レーヴェ:「Shift(シフトーーー
ガロ:「Quick・BURSTッッ!!」
0:殴る
レーヴェ:「ごッッぶぉえ…!!」
ガロ:「FANBLE…ッッ…!」
レーヴェ:「ACTォ…ッ!」
ガロ:「どォりゃりゃりゃッ!」
レーヴェ:「そぉらそらそらそらッ!」
ガロ:「GRID・BORROWッ…!」
レーヴェ:「Steins・BORROW…ッ!」
ガロ:「FURU・BURSTぉぉおッッ!!」
レーヴェ:「NEO・BURSTぉおっ!!」
0:ノアの箱舟が半壊する
0:辺りは砂煙で覆われている
レーヴェ:「へえ…。異常器は頑丈だって聞いたけど。まじで壊れねえんだな。すげえや。」
0:レーヴェが砂煙から姿を現す
レーヴェ:「もうあの時の、狭い部屋で外を眺めてたお前じゃねえんだ。冒険は楽しいか、ガロ」
0:ガロも姿を表す
ガロ:「皆の命が掛かってんだ、それどころじゃねえよ今は…!」
レーヴェ:「はは。不純だねえ。お前はお前の為に冒険してるんだろ」
ガロ:「そうだ。けど今は。それよりも大事なもんがある」
レーヴェ:「そうかそうか。我は大事だぞぉ。ワガママに生きるのが、自由の証拠だ。」
0:レーヴェは手を翳した
レーヴェ:「俺は自由を愛してる。」
ガロ:(M)予感。
レーヴェ:「定義収束」
ガロ:(M)身の毛がよ立つ。
0:ガロの体は勝手に動いている
ガロ:(M)細胞の全部が。緊急信号を出した。その場から離れる選択肢しか無かった
レーヴェ:『唯我独尊』
ガロ:「ーーーーっ…」
レーヴェ:「楽しかったよ。ガロ。」
0:レーヴェの拳がガロの腹部を貫いている
ガロ:「ごぽっ…。」
レーヴェ:「嬉しかった。お前とまた会えたし。強くなってたのも嬉しかった。」
0:レーヴェは拳を腹から引き抜く
レーヴェ:「でも。それじゃグランの夢は潰せねえよ。アイツも大層なもん抱えてやってる。俺も、アイツが作る先の景色を見たい。」
ガロ:「…」
レーヴェ:「自分の理想賭けて挑むんなら死んだって文句ねえだろ。」
0:ガロはレーヴェの背後にいる
ガロ:「ああ、無いな…ッ!」
レーヴェ:「ーー…!」
ガロ:「GRID・BORROWッッ…!!」
レーヴェ:「はははは…!最高じゃねえか!!ガロぉ!!」
ガロ:「FURU…ッッ!」
レーヴェ:「定義収束ゥ…!」
ガロ:「BURSTォォオッ!!!」
レーヴェ:『唯我独尊ッ!!』
0:場面転換
0:ノアの箱舟 最上階
アスカ:「対・異常体執行術…ッッ!」
グランシオラ:「120ミリアンペア」
ネロ:「対・異常体執行術ッ!」
グランシオラ:「VOLT」
0:電撃が体を貫く
アスカ:「がァっ…!」
ネロ:「陣・発勁ッッ!」
グランシオラ:「reflection」
0:攻撃が反射する
ネロ:「グぽぉっ…!」
ニーア:(M)圧倒的だ。それはそうか。名だたる異常体を見てきた彼女が、座標の詳細を知らないはずが無い…っ。
グランシオラ:「天ノ鉾」
ノエル:「兄さん…!退いてよ…!」
ニーア:「いいや。兄より先に死ぬ妹なんかいてまるか」
グランシオラ:「ッッ…!」
0:ニーアの腕を切り落す
ニーア:「ぐぁッッ…!」
ノエル:「兄さん…!!」
グランシオラ:「四肢を裂いて人形にしようか。舌も抜こう。それがいい。」
ニーア:「は、はは…。悪趣味ぃ。」
ノエル:「グランシオラぁああっ!」
グランシオラ:「所詮は無象。」
0:斬り付けた
ノエル:「ッ…ぁあ…!」
グランシオラ:「どれだけ猛々しく吠えた所で。それを全うするだけの力が無い」
林檎:『やめようよ。力だなんだと喚くのは』
グランシオラ:「…」
林檎:「Scramble。」
ノエル:「…!」
林檎:「やあ。お待たせ。」
フェリス:「ノエルさん…!?大丈夫ですか、腕…!」
ヴァン:「大丈夫じゃねえだろ、無くなってんだから。」
モルポ:「や、やいやい…っ。覚悟しやがれ、親父の社会的地位がかかってんだ…!」
ノエル:「皆…っ。」
イオハロット:「随分派手にやってんじゃねえか。」
ジオ:「なんだ。もう終わってるかと思ってたが。案外戦えるタイプなのか。グランシオラ」
ネロ:「やっと、来たか…っ。」
アスカ:「これ以上ない援軍だ。今は」
グランシオラ:「次から次へと沸く。虫かい。君らは」
林檎:「どっちが。」
ノエル:「皆…っ。単刀直入にっ。グランシオラは好きな異常性が使えるっ。様々なケースが想定されるから、気をつけて…!」
モルポ:「ンゴォ!?」
フェリス:「好きな異常性を!?」
ヴァン:「だぁー、どんなチートだよ。」
ジオ:「こちとらチート超えてチート超えてまたチートだ…っ。インフレし過ぎてどうかしちまってんじゃねえのか…!」
グランシオラ:「鉄槌。」
0:叩き潰される
ジオ:「がはッ…!」
林檎:「ぶごぉ…!また、かよ…!」
ヴァン:「対・異常体執行術…ッ!」
グランシオラ:「Scramble」
0:グランシオラは背後にいる
ヴァン:「うぇえ!?」
イオハロット:(M)ありゃ林檎さんの…っ。本当にやりたい放題かよ…!!こちとら連戦続きでボロボロだってのに…!!
モルポ:「うぎゃあああっ。来るな来るな来るな!」
グランシオラ:「Spark」
ニーア:「危ない…っ。」
0:ニーアはモルポの頭を掴みしゃがんだ
モルポ:「うお!?」
ニーア:「大丈夫かい。君」
モルポ:(M)やだ。何このイケメン
イオハロット:「だぁりゃああああッ!」
アスカ:「ぉぉおおおッ!」
ネロ:「はぁぁああッ…!」
グランシオラ:「Gravity」
0:その場に重力がかかる
イオハロット:「うごぉ…!?」
アスカ:「んん…ッッ…!」
ネロ:「んぐ…ッ。」
グランシオラ:「LANCE」
フェリス:「Switch・guardianッ…!」
グランシオラ:「定義複合」
フェリス:「いぇ…!?」
ヴァン:「おいおい…!そりゃまずい…ッ…!」
グランシオラ:「ロンギヌーーー
林檎:「Scrambleッ…!」
ジオ:「風雲・横綱ッ!」
0:グランシオラは座標を乱される
グランシオラ:「ッッ…!この…!」
フェリス:「助かった…っ。トラウマが…っ。」
ヴァン:「まったくだ!ヒヤッとするぜマジで!」
グランシオラ:「定義収束」
イオハロット:「まだ来るぞ…!気ィ抜くなお前ら!」
フェリス:「ハイッッ」
ヴァン:「ハイッッ」
グランシオラ:「阿頼耶識…ッッ…!」
ジオ:「林檎。気付いたか」
林檎:「うん。どれも中途半端だ。定義が深くない」
ジオ:「付け焼き刃じゃあ指向性にまでは気を配れないってか。これ幸いだな。」
林檎:「逆を返せば、今が叩き時だ。あれだけ派手に異常性使い回せば、観測室が見過ごす筈がない。きっとこの機会こそが、グランシオラにとって最初で最後の試運転。」
ジオ:「定着し切る前にケリ付けねえとって事だろ…!無茶言うわホント…!」
林檎:「無茶やってこそのA級でしょうが…っ。」
ジオ:「分かってるよオタンコナス…!」
0:各々が攻撃を開始する
フェリス:「Automata!」
ヴァン:「対・異常体執行術…!!」
イオハロット:「次弾装填…ッ!」
ネロ:「対・異常体執行術…っ。」
アスカ:「対・異常体執行術…!」
ジオ:「mode・川柳…!!」
モルポ:「い、いけー!お前ら!!」
グランシオラ:「ーーーー止まれ。」
ニーア:「駄目だ…!近付くな!!」
ノエル:「…!しまった…っ。」
グランシオラ:「莫耶」
0:時間は静止する
グランシオラ:(M)…。今の私だと有効範囲は15mも無いか。けれど上々。隙を見せれば叩いてくれると思った。
0:グランシオラはノエルに近づいた
グランシオラ:(M)時間停止の制限もそう長くはないだろう。A級の面々には気付かれていたようだしね。…っ。
0:グランシオラは膝を着いた
グランシオラ:(M)ーーー…阿頼耶識。脳への負担は通常の異常器より遥かに大きい。ここまでの座標を取っかえ引っ変えすれば、そりゃ演算が間に合わなくなるのも当然かい。
0:グランシオラは立ち上がる
グランシオラ:(M)…。けれど。これでいよいよ終わりだ。君達の負けだよ。
0:ノエルの首に手を引っ掛ける
グランシオラ:(M)容易に、容易く。簡単に首を断てる。まるで質量など初めから存在しないように。手で撫でるだけで結果が動く。時間とは。そういうものだ。
:
シャリノウラ:「動体説って。知ってるかい。」
0:1969年。中央政府本庁
シャリノウラ:「人は常に有象と無象を繰り返し続ける存在だ、という仮説でね。人が食べた物で象られるように。取り入れた思考でその生き様が変わるように。テレビの画面が小さなビット一つ一つの集合体であり、それが動く事で人を表現するように。私達もまた、一分一秒。もっともぉっと細かな空間の間で作られては壊れてを繰り返している。」
グランシオラ:「姉さん。」
シャリノウラ:「だから時間と言うのは、人を有象に留める為のファクターに過ぎないんだ。時間の止まった世界では、私達は粒の集まり。ちっぽけな細胞の寄せ集めさ」
グランシオラ:「姉さん。」
シャリノウラ:「むむぅ。これだとつまり。質量とは時間の密度、という逆説も立つなあ。ブラックホールが時間の流れを歪ませるというのはこれかあ?」
グランシオラ:「シャーリィ姉さん!」
シャリノウラ:「なんだいグラン。私は今考え事をしてる。私が考え事をしてる。その一分一秒は現在価値における1億ドルよりも価値がある行為だよ」
グランシオラ:「分かったから。まずは服を着てよ」
0:シャリノウラは白衣以外衣服を着ていない
シャリノウラ:「…。なんで?」
グランシオラ:「なんでってなんで。誰かに見られたらどうするのさ。」
シャリノウラ:「誰に見られて誰が困るんだ。」
グランシオラ:「恥ずかしいとかないの知ってるから。でも大人として、ね。」
シャリノウラ:「はいはい。グランにとっては意味の無い問答だと理解してるよ。着ます着ます」
0:シャリノウラは怠そうに服を着た
シャリノウラ:「ああ、あと五分後に研究議会があるだろう。書類だけまとめといておくれよ。」
グランシオラ:「私はもう終わってる。自分の分は自分で用意して」
シャリノウラ:「つれないねえ」
林檎:(M)1969年。第91回。異常性研究議会報告書にて。
シャリノウラ:「えー。で、あるからしてー。」
林檎:(M)一本のマイクが投げ出された
シャリノウラ:「異常性の使用に必要なのは「目的意識」だと考えましたあ。」
0:シャリノウラは頭をかいた
シャリノウラ:「まずはどこぞの「心情読解」の異常体を引っ捕まえる。収容所に46体は居たはずですねえ。他に必要なのはぁ、能力制限を持つ異常体と、モニター映すみたいな、こう。ブワーってできるやつ。その辺はエドワードが得意かなあ」
林檎:(M)シャリノウラ・ルルカブル。異常性の目的意識による、異常体観測を、異常体の手により実現させる「異常性使用観測地域特定室」通称、観測室の発足し、翌年には監察官の死亡率は46%減少し、本庁全体での作業効率は約46倍にも昇った。後世に語られる功労者として名を挙げた。
グランシオラ:「今回私が研究材料として監察したモデルケースから、重症化異常性保有体のその原点に着眼しました。」
林檎:(M)1969年。第92回。異常性研究議会報告書
グランシオラ:「つまり。異常性発症のプロセスとしては、紫外線との関係が考えられます。南国の地域では異常体が少なく、陽の当たりにくい環境下では…」
林檎:(M)グランシオラ・ルルカブルの発表。異常体と太陽光の関係性による論文では、太陽光に当たれられた人間は、そうでない人間よりも異常体になる確率が下がるものと考えられた。
シャリノウラ:「えー。で、あるからしてー。」
林檎:(M)1970年。第93回。異常性研究議会報告書。
シャリノウラ:「目的意識を剥奪する事で異常性が使用できなくなるのであれば、殺すか、意識を落とすか、思考そのものにアプローチをかけるかの三択になるからしてー。」
0:シャリノウラは頭をかいた
シャリノウラ:「専用の調薬をするべきですねえ。鎮静剤や血液に働きかけるもの。ああ、興奮状態に陥ると思考は暴走する。アドレナリンの作用を抑える受容体遮断薬は必須でしょうプラゾシン、タムスロシン、ブナゾシン、その辺。バルビツール酸も必須でしょう。分かりますう?」
林檎:(M)観測室の発足から僅か半年。異常性抑止剤の発案がなされた。これにより、収容所内の異常体をノーリスクで無力化することに成功。ランニングコストも年間1450億ドル削減を可能にする程の革新的発明に、これまた後世に語られた。
グランシオラ:「…。」
0:机に向かってペンを走らせるグランシオラ
グランシオラ:「…っ…。」
シャリノウラ:「やあ。グラン。まぁた部屋をこんなに暗くして。」
0:シャリノウラは部屋の明かりをつけた
シャリノウラ:「次の論文を書いているのかい」
グランシオラ:「…そうだよ。」
シャリノウラ:「どれ。」
グランシオラ:「ちょっと、姉さん…っ。」
0:シャリノウラは紙をまじまじと見つめた
シャリノウラ:「ふーーむ。異常性発症におけるプロセスの類似点…。」
グランシオラ:「返してよっ。あと服きて」
シャリノウラ:「君は真面目だね。グラン」
グランシオラ:「…。どういう意味。」
シャリノウラ:「過去の文献に基づいてロジカルに筆を進めている。巨人の肩に乗るというのかな。」
グランシオラ:「過去の研究員は皆そうしてるよ。姉さんが突飛過ぎるんだ。」
シャリノウラ:「そんな事ないさ。答えはすぐ足元にある。空を見上げてばかりでは地面は見えないだろう。逆もまた然り。ひとつを掘り下げるよりも、様々な視点から物事を捉えた方が、真実に近い道筋を発見できる。」
グランシオラ:「誰もが誰も、姉さんみたいに自分の妄想を信じて突き進めるわけじゃないんだ」
シャリノウラ:「君だってそうだろう。グラン。」
グランシオラ:「…私が?」
シャリノウラ:「君は原因療法がしたいんだろう。異常体が産まれない世界を作る為には、そのロジックを根掘り葉掘り調べている。異常性発症に対する文献は過去を見ても数は多くなく、報告書でしかデータが取れない。にも関わらず、議会ではそれなりの評価を受けている。凄いじゃないか。マルセイユの古代遺跡についてもドカドカと土足で踏み入る。あれで追放された研究員はいざ知れずだよ」
グランシオラ:「…マルセイユの古代遺跡は異常性が前提で建造された移籍だ。放射線年代測定でも10万年以上前の遺跡なのは間違いないんだ。」
シャリノウラ:「認められるわけないだろう。中央政府の創立者が800年前が異常性の起源だと宣っているんだから。今更待ったはかけられないさ」
グランシオラ:「正しい事に目を瞑って、隠したいものの為に必死こいて死んでるのか。皆。父さんも。」
シャリノウラ:「…」
グランシオラ:「私達は、あの人達の屍上で、これ以上どう屍が積まれないかを考える為にいるんだ。」
シャリノウラ:「だから原因療法がしたいと?」
グランシオラ:「…そうだよ。中央がやっているのは対処療法だ。其の場しのぎでしかない。そもそも異常体さえ産まれなければ、こんな研究をする必要なんかないんだ。」
シャリノウラ:「まあ。異常体が居なくなったら誰が困るってそれ、中央政府だしね。」
グランシオラ:「…」
シャリノウラ:「なんだい、その顔は」
グランシオラ:「…いや。そうか。そりゃそうか。なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだろう。」
シャリノウラ:「言ったろう。たまには足元を見るべきさ。真実は案外、近い所にある」
グランシオラ:「…。姉さんは。どうして研究員をやってられるんだ」
シャリノウラ:「さあ。考えた末の結論が、彼らの為になっているだけで、私からしたら思考の副産物に過ぎないよ。」
グランシオラ:「…。」
シャリノウラ:「ただ一つ。私には夢があるんだ」
0:グランシオラは怪訝な顔を見せる
グランシオラ:「…夢ぇ…?」
シャリノウラ:「なんだいその顔は」
グランシオラ:「いや。姉さんに一番似合わない言葉だなって思って。夢も希望もない銭ゲバかと思ってたよ」
シャリノウラ:「失礼でゲスね」
グランシオラ:「でも。ちょっと嬉しいな。姉さんの人間らしい部分が見えて」
シャリノウラ:「私は人間だよ」
グランシオラ:「私からしたら、異常体よりよっぽど異常だよ。姉さんは」
シャリノウラ:「ふふん。近しいからこそ見える景色もあるだろうに。」
グランシオラ:「それで?姉さんの夢っていうのは?」
シャリノウラ:「答え合わせがしたいんだ。」
グランシオラ:「…答え合わせ…?」
シャリノウラ:「いや。厳密に言えば世界征服かな?」
グランシオラ:「どっち…」
シャリノウラ:「ラプラスの悪魔って知ってるかい。知ってるだろうね」
グランシオラ:「結果を導く為の計算式があって、全てを網羅した計算式があれば結果の予測、再現すら可能だっていう逆説でしょ。」
シャリノウラ:「そうそうそう。床に落ちたペンの時速と質量から結果を割り出す為の計算式を。私が今椅子に座る確率すらも。」
0:シャリノウラは椅子に腰かけた
シャリノウラ:「どこかの悪魔は知っているんじゃないかと。強く願っているんだ。」
グランシオラ:「…」
シャリノウラ:「例えば、プログラマーがキャラクターにステータスを与えるように。創作者が登場人物に物語を与えるように。異常性もまた、誰かがどこかで作ったものかもしれない。」
0:シャリノウラは座ったまま椅子を転がした
シャリノウラ:「そしてそれが再現可能だったなら。私が世界をつくりかえることも叶うかもしれない。誰もが異常体と同じで。誰もが人類と同じで。振るえる暴力に微々たる格差も無い。そういう全く別の解釈を持った新世界が作れると信じている。」
グランシオラ:(M)シャーリィ姉さんは。頭が良かった。きっと、この世の誰よりも。人が見ていい景色じゃない、その先を見つめている。
シャリノウラ:「それが叶った時が。私の答え合わせさ」
グランシオラ:(M)その目が。私には喉から手が出る程羨ましくも思えたし。臓腑が焼け焦げる程妬ましくも思えた。
シャリノウラ:「だから、まあ。私は悪魔になりたいとも言える」
グランシオラ:(M)それが初めて嗅いだ。激動の匂い。
0:1991年
0:ノアの方舟
フェリス:「Automata!」
ヴァン:「対・異常体執行術…!!」
イオハロット:「次弾装填…ッ!」
ネロ:「対・異常体執行術…っ。」
アスカ:「対・異常体執行術…!」
ジオ:「mode・川柳…!!」
モルポ:「い、いけー!お前ら!!」
グランシオラ:「ーーーー止まれ。」
ニーア:「駄目だ…!近付くな!!」
ノエル:「…!しまった…っ。」
グランシオラ:「莫耶」
0:時間は静止する
グランシオラ:(M)…。今の私だと有効範囲は15mも無いか。けれど上々。隙を見せれば叩いてくれると思った。
0:グランシオラはノエルに近づいた
グランシオラ:(M)時間停止の制限もそう長くはないだろう。A級の面々には気付かれていたようだしね。…っ。
0:グランシオラは膝を着いた
グランシオラ:(M)ーーー…阿頼耶識。脳への負担は通常の異常器より遥かに大きい。ここまでの座標を取っかえ引っ変えすれば、そりゃ演算が間に合わなくなるのも当然かい。
0:グランシオラは立ち上がる
グランシオラ:(M)…。けれど。これでいよいよ終わりだ。君達の負けだよ。
0:ノエルの首に手を引っ掛ける
グランシオラ:(M)容易に、容易く。簡単に首を断てる。まるで質量など初めから存在しないように。手で撫でるだけで結果が動く。時間とは。そういうものだ。
ジャイロ:「アイツの景色に、我が物顔で浸ってんじゃねえよ…ッ…!」
グランシオラ:(M)チリッと。胸の奥が焼けるような匂い。
ジャイロ:「サーティーン…っっ…!!」
0:時間停止が一部解かれる
グランシオラ:(M)愛してやまなく
ジャイロ:「ナマクラぁああっ!」
グランシオラ:(M)同時に忌み嫌う程
カラス:「桜華流・奥義…ッ!」
グランシオラ:(M)心より妄執した激動のーーーーー
カラス:「神楽ァアッ…!」
0:グランシオラの胸は裂ける
グランシオラ:「ーーーーごぷっ…。」
0:時間停止は全て解除される
ノエル:「…!え!?ジャイロ!カラス!?」
ジャイロ:「よお…っ。っておいおいお嬢、腕大丈夫か…!?」
ノエル:「いや、大丈夫じゃないけど…!」
アカシ:「生きてりゃ上々じゃろう。」
カラス:「お前ら全然動かねえからヒヤッとしたが…!」
林檎:「どゆこと!?」
ニーア:「彼らがノエルの...!」
ジオ:「おっせえよアカシ!」
アカシ:「かかかっ!すまんのう!!」
イオハロット:「劉淵…!」
0:劉淵は黙って手でグッドポーズを作った
劉淵:「っ。」
カラス:「まだ終わってねえ…!首跳ねるまで油断すんな!!」
ジャイロ:「わぁーってるっつーの!」
グランシオラ:(M)彼らがここに来たということは。
ジオ:「mode・川柳!」
アカシ:「Rebellionッ!」
フェリス:「Automata…!」
グランシオラ:(M)アガットも。オーダーも。アリアンロードも。レーヴェすらも敗れたという事かい。
ヴァン:「対・異常体執行術…!」
ネロ:「対・異常体執行術」
アスカ:「対・異常体執行術…っ。」
グランシオラ:(M)嗚呼。姉さん。
劉淵:「ふり絞れよォイオハロット!!」
イオハロット:「わかってらい!!」
グランシオラ:(M)夢の続きが、終わってしまう。
林檎:「定義転換...!」
カラス:「桜花流・執刀...!」
ジャイロ:「削り取れ...!」
ノエル:「行ったれーー!お前らーー!」
モルポ:「早めに頼むぞーーっ!」
グランシオラ:(M)激動の匂いが。遠ざかる。
0:全員の攻撃がグランシオラの身を裂いた
グランシオラ:(M)激痛が走った。身体が崩れていく。質量を保てなくなる。命が、削れていく。
グランシオラ:(M)…だから。どうした。命など、とうの昔にくれてやった。あとは実行するだけだ。何の気兼ねもなく、蹂躙しろ。グランシオラ・ルルカブル
0:グランシオラは莫耶を握りしめた
グランシオラ:「ーーーーReproduction」
ジャイロ:「…!」
林檎:(M)再生の異常性…!
カラス:「くそ…!首落とし損ねたか…っ。」
フェリス:「いいよ、何回だって…ッ…!!」
レーヴェ:「ーーおぉ?なんだなんだ。まだやってんな。」
林檎:「ーーー…!」
アカシ:「ーーっ!」
劉淵:「ーーーーッ…」
ジャイロ:「…は…?」
カラス:「なんで、お前がここに居る…!」
ニーア:「…レーヴェ…」
レーヴェ:「よおニーア。まじで出てきたんだな。」
ニーア:「うん。晴れて自由の身。とはいかなさそうだ。」
ジャイロ:「おいてめぇ…!ガロはどうした…!!」
ノエル:「え…?」
アカシ:「あの脳筋ゴリラはガロンドールに任せたはずじゃ…っ。アイツがここに居るってことは…」
カラス:「…」
レーヴェ:「あー。ガロはな。」
0:レーヴェは頭をかいた
レーヴェ:「死んだ」
ジャイロ:「ーーーーー…。」
ノエル:「…はい…?」
0:場面転換
0:4階フロア
ガロ:「ーーーー…」
アイネス:「…ガロンドール…?」
0:ガロは息をしていない
アイネス:「…おい…。おい、ガロンドール。…おい…!」
0:動かない
アイネス:(M)心臓も止まっている。息もしていない。まじかよ。おい。
ガロ:「…」
アイネス:「なんで死んでんだ、お前…っ。」
0:場面転換
0:ノアの方舟 最上階
林檎:「…」
ヴァン:「おい、フェリスちゃん。今あいつなんて言った。」
フェリス:「…ガロが…死んだって。」
アカシ:「…っ。」
グランシオラ:「は、はは。よく戻った。私の用心棒。」
レーヴェ:「おう。お待たせ。」
カラス:「てめぇぇええッ…!!」
0:カラスは走った
レーヴェ:「悪いがもう構ってやれねえ。」
カラス:「桜華流・執刀ッッ!!」
レーヴェ:「定義収束」
カラス:「抜刀・居合ッッッ!!」
レーヴェ:『唯我独尊』
0:カラスの腹が抉れる
カラス:「ーーーごほぉ…っ…!」
レーヴェ:「手加減無しだ。」
ジャイロ:「そうかよ、死ね…!」
レーヴェ:「お前がな。」
0:レーヴェはジャイロの頭を蹴った
ジャイロ:「がぶッッ…!!」
アカシ:(M)なんじゃ。さっきまでとは動きがーーー
レーヴェ:「もう逃げんなよ。禄戀会の」
アカシ:「っ…!」
レーヴェ:「そぉぉおいッ!」
0:アカシを地面に叩きつけた
アカシ:「がッッッはぁ…!!」
フェリス:「アカシさん…っ!」
ジオ:「突風・旋回ッッ!」
レーヴェ:「そよ風かよバーカ!!」
0:蹴る
ジオ:「ぶごォ…!」
レーヴェ:「おまけにもういっちょぉ!」
0:殴る
フェリス:「ぶごぉ…!」
レーヴェ:「ーーーふぅ。グラン。元気か?」
グランシオラ:「…ははは。君は、本当にタフだね。」
レーヴェ:「お互い様だろ」
ノエル:「おい、お前…!レーヴェンシュタイン…!」
レーヴェ:「なに。」
ノエル:「ガロは、ガロが死んだって…っ。」
レーヴェ:「ああ。殺したよ。きっちり。」
ノエル:「……うそだ…っ。」
レーヴェ:「嘘じゃねえさ。これはお互いの冒険がぶつかった結果だ。」
ジャイロ:「ふざ、けんな…っ。アイツがそう簡単に死ぬタマかよ…!」
レーヴェ:「うーん。信じないならそれでいいけどよ。」
ノエル:(M)知ってる。こいつはそういう奴じゃない。事実を伝えられてる。でも
ノエル:「違う…!嘘だ…!!」
レーヴェ:「ええ。本当だって言ってんのに。」
ヴァン:「おいおい…こちとらもうやり合う気力ねえぞ…っ。」
劉淵:「限界もいい所だ…っ。立っているだけ褒められるべきだろう…が」
イオハロット:「ああ、なんの言い訳にもならねえわな…」
レーヴェ:「グラン。」
グランシオラ:「…なんだい。」
レーヴェ:「まだ心折れてねえだろうな」
グランシオラ:「ははは。私の目を見て、同じ事が聞けるなら折れてるだろうね」
レーヴェ:「うん。じゃあいい。ってーかお前がそんなボロボロなのも珍しいなっ!」
グランシオラ:「笑い事じゃないよ。とんだ大博打だ。何れ来る衝突とは言えど。準備を怠ったつもりは無い。侮ってもいない。」
レーヴェ:「いつものと違う勝負の仕方をしただけだろ。それがいいんじゃねえか。」
0:レーヴェは構えた
レーヴェ:「そそるね。」
ノエル:「…」
林檎:(M)まずい。戦意が失われていく…っ。ガロまで戦線離脱したのなら、もう僕と禄戀会の面々しかレーヴェンシュタインとは張り合えないぞ…っ。
アカシ:「…ジオ」
ジオ:「いいや。流石に限界だ。グランシオラの何でもアリ異常器に加えて、レーヴェンシュタイン。アリアンロードとかいう化け物のせいでこちとら消耗が激し過ぎる。」
アカシ:「ここまで来て、か。」
ジオ:「ここまで来たから、だ。グランシオラを追い詰めた結果がこれだ。」
ニーア:「…。中央政府も本件に介入したんだろう。」
ネロ:「ああ。したはしたが。ナンバーズ、アストレアの到着が遅れてる。中央政府でも色々いざこざがあったそうだ。」
ニーア:(M)中央政府が集合する前に彼らを殺せば、後はまた雲隠れ出来る。僕の異常器がある限り。
レーヴェ:「変なこと考えんなよニーア。お前のことは好きだけど、いざとなりゃ手段は選ばねえ」
ニーア:(M)ですよね。知ってるさ。性格に見合わず目的達成主義だからな、君は。いいや、性格の通りか。
0:場面転換
0:4階フロア
アイネス:(M)ーーーー戦況は最悪。グランシャリノの主戦力は未だ健在。こちらは相次ぐ消耗戦で実力以上の結果は見込めない
ガロ:「…」
アイネス:(M)何より、本作戦の主軸。ガロンドールの訃報。前線の士気はこれ以上なく下がっているだろう。
0:ガロは動かない
アイネス:(M)つくづく、損な役回りだよ。
0:アイネスはガロの胸に手を当てた
アイネス:(M)嗚呼。可哀想だ。私は。
0:アイネスの身体は液体化していく
アイネス:「定義転換。」
ガロ:「…」
アイネス:「一滴。」
0:アイネスの身体は液状となり、ガロの体内に入っていく
:
ガロ:(M)真っ白な。何も無い。真っ白な空間。
0:場面転換
0:何処とも知れない場所
ガロ:「ーーーーー…。」
アイネス:「よお。ガロンドール」
ガロ:「…アイネス…?」
アイネス:「世話を焼かせる。」
ガロ:「…!皆はどうなった…!?」
アイネス:「自分の事よりお仲間の事か。ギルド試験の頃から、本当に相変わらずだなお前は。誰よりも先にお前が死んでるって言うのに」
ガロ:「あ…。」
0:ガロはさっきまでの出来事を思い出す
ガロ:「…そうか。俺、死んだのか」
アイネス:「そうだよ。まだ全員死に物狂いで戦ってるって言うのに。あっさりと死にやがって。」
ガロ:「…。ん?じゃあなんでアイネスはここに居るんだ?あの世って奴じゃねえのか、ここ。」
アイネス:「…。DNAの記憶についての論文が過去にあった。人を人たらしめる遺伝子構造は何層もの「巡り」から産まれる。その巡りは座標に強く結び付き、また身体を巡っても尚その形を覚えている。にわかには信じ難いが。私とお前の血液が混ざった事によるものだろう。臓器移植された患者が、ドナーの記憶を見るようなものだ」
ガロ:「…」
アイネス:「つまり。まあ。私はお前の命の恩人って事で。ここが私の最後の巡りになるという事だ。」
ガロ:「…は…?」
アイネス:「たった今。液状化した私が血液に潜り込んだ。何とか血液循環を無理矢理繋いで心肺蘇生まで漕ぎ着けてみせる。私の命に変えてもお前は生かす。」
ガロ:「ちょっと待てよ」
アイネス:「…何か?」
ガロ:「俺を助ける為に。お前が死ぬって言ってんのか?」
アイネス:「そうだ。」
ガロ:「…何やってんだ、お前…っ。」
アイネス:「作戦遂行には必要な事だった。今この戦場で、私よりもお前の方が命の価値が勝る」
ガロ:「理由を聞いてんじゃねえよ…っ。お前にだって仲間が居るだろ…っ。なんでそんな簡単に死ねるんだよ…!」
アイネス:「居ない。私には。何かと居るために命を侍らす事は無い。」
ガロ:「そんな訳ねえ…!お前が死んだら悲しむ奴がいるだろ…!」
アイネス:「お前だってそうだ。お前にはまだ果たさなきゃならん事がある。」
ガロ:「…っ」
アイネス:「私は。中央政府職員として。いついかなる時も。この命を手離す覚悟がある。ジハンさんがそうだったように。私もまた、そうする。」
ガロ:「…」
アイネス:「だが。お前達が少し。羨ましくも思える。」
0:アイネスは自分の掌を見た
アイネス:「私もお前達も。自分以外の何かの為に命を賭けた筈だ。だが、心内では、私とお前達とでは決定的にその何かが違うと理解している。」
ガロ:「…」
アイネス:「なんだかんだと。奇妙な巡りでお前らと事を同じくする事も多かった。既に死んだお前をまた前線に立たせるほど、私だって自分の命が惜しくないわけじゃない。作戦命令を遵守する私と。そうじゃない私が居る。」
ガロ:「じゃあなんで…」
0:アイネスは少し笑った
アイネス:「馬鹿が、移ったな。」
ガロ:「…」
アイネス:「相手はグランシャリノだ。誰も彼もが死なずに大団円とはいかんだろう。寧ろ、これだけの被害で事が進んでいることの方が奇跡だよ。」
ガロ:「…」
アイネス:「先に言っておくが、謝るなよ。それは私にとって屈辱以外の何物でもない。」
ガロ:「…っ…。」
0:ガロはアイネスの顔を見た
ガロ:「ーーーーわかった…っ。」
アイネス:「…。お前の兄とやらが書いていた冒険書がある。」
ガロ:「…!」
アイネス:「さっきの戦闘中に拾ったものだ。好きにしろ。」
ガロ:「…。」
0:ガロは頭を下げた
ガロ:「ありがとな、アイネス。本当に色々。世話になりっぱなしだった。」
アイネス:「何を今更。」
ガロ:「感謝せずにいられない。」
アイネス:「…」
:
アイネス:(M)いつからだろう。泣かなくなったのは
アイネス:(M)過去を語ることすら億劫な程。
ガロ:(M)僅かに。心臓が揺れるのを感じた。
アイネス:「…。柄でも無いが。」
ガロ:(M)胸元から足のつま先にかけて、血が巡っていく。
アイネス:「お前たちには大義がある。」
ガロ:(M)初めに感じたのは。体温。
アイネス:「勝てよ。ガロンドール」
ガロ:(M)自由の代償はーーー
0:ガロは目を覚ました
0:場面転換
0:ノアの方舟 4階フロア
ガロ:「ーーー…。定義。収束。」
0:ガロの目は虚ろに天井を見つめている
ガロ:『天上天下。』
0:ガロの傷は塞がっていく
ガロ:「………。」
0:ガロは辺りを見渡した
ガロ:「アイネス…。」
0:その場にはアイネスの衣服だけが落ちている
ガロ:「…。」
0:ガロは落ちている冒険譚を手に取った
ガロ:「……。」
0:ガロは1ページ目を開く
ガロ:「………。」
0:場面転換
0:ノアの方舟 最上階
ノエル:「ーーーガロは。生きてる。」
ジャイロ:「…お嬢…?」
ノエル:「アイツは生きてる…!今までだって、もう何回も、何回も死んだって不思議じゃなかった…!でも、あのバカはその度にケロっと帰ってきたろ…っ。私達がアイツを信じなくて、どうするんだ…っ。」
カラス:「…。ご最も。」
モルポ:「お、おう…!あいつがそんな簡単に死ぬバカには見えねえ…!」
ヴァン:「だったら俺らがやるべき事はひとつか。」
フェリス:「グランシオラとレーヴェンシュタイン。二人を抑える。」
劉淵:「なに。俺達で仕留めてしまえばいいだけの話じゃないか。」
レーヴェ:「…」
イオハロット:「まだ立てるよなあ、中央の…!」
アスカ:「限界だ、と言いたいが…っ。」
ネロ:「命の掛け所を見誤るほど落ちぶれたつもりはない…!」
アカシ:「らしいのう。立つしかなさそうじゃ。ジオ…!」
ジオ:「はあ〜。着いて行けねえわ…。まあ、着いていくしかねえんだろうが…っ。」
グランシオラ:「どれだけ募ろうが、所詮は無象だと言ったろ…。」
0:グランシオラは莫耶を突き刺した
グランシオラ:「RESET。」
0:グランシオラの傷口は塞がっていく
林檎:(M)これで状況は初めに戻った、か。本当に好き放題するね…。攻守サポート、どれもをとっても安定感がずば抜けてる。そりゃそうだ。全世界の異常体を相手してるようなものだしね
ヴァン:「安心しろよ、林檎。勝負はそう長くは続かねえ。」
林檎:「え?」
フェリス:「アガットは異常器を酷使してプッチンした。2本の槍でやり繰りしてあの消耗なら」
ヴァン:「ああ。あんななんでもありの異常器使い回してりゃ脳への負担も倍以上じゃ収まらねえ筈だ。」
ノエル:「…。そりゃそうか。どの道こっちもジリ貧なんだ。短期決戦に賭けるしか無いよね。」
ジャイロ:「行けるか、ナマクラ」
カラス:「自分の身を心配しろよ、アロハ」
林檎:(M)カラス、劉淵、イオハロット、アカシ。この4人は殆ど戦えないくらいの重症。この乱戦状態じゃあ互いの身を案じてる暇も無いな。
アスカ:「…ネロ。」
ネロ:「ああ。一か八か、だな。」
アスカ:「まだ試作品だが。十分な賭けだ。」
劉淵:「はは、勝算はあるらしい。微かながら」
イオハロット:「協力するぜ。文字通り命を賭けるよ」
アスカ:「助かるよ。」
グランシオラ:「さて。鏖殺だ。」
レーヴェ:「蹴散らすかぁ…!!グラン…!!」
グランシオラ:「正念場さ。貫くよ。レーヴェ」
レーヴェ:「合点ンン!」
ジャイロ:「来るぜ来るぜぇ、気合い入れて行くぞお前ら…!!」
林檎:「ああ…!」
カラス:「おう…っ。」
ノエル:「うん…!」
0:全員が臨戦態勢に入る
レーヴェ:「ACT…!」
アカシ:(M)まずはお前じゃ…!機動力で見りゃこの場で1番厄介…!
ジオ:「出力最大…ッ!」
アカシ:「定義転換ンンッ!」
レーヴェ:「はは!!またお前らか、禄戀会の!!」
ヴァン:(M)やっぱ初動じゃA級にゃあ追い付けねえ…っ。この脳筋共が…!
ジオ:「獄会・断然風雲ッッ!」
0:風が吹き荒れる
レーヴェ:「うおお…!?」
グランシオラ:「LANCE・RAINッッ…!」
フェリス:(M)guardianの展開が間に合わない…!アガットの時よりも演算速度が速い…!!
グランシオラ:「纏めて去ね…!」
アカシ:「ーーー総反逆ッッ…!」
フェリス:(M)けど。ウチのリーダーだって負けてないんだよばーか…!
グランシオラ:(M)全員分の損傷を肩代わり。君のメンタルの強さには嫌気が差すよ。アカシア・アカシ…!
アカシ:「ああ…ッ…!お前らァアア…!!何も気にせず進め…ッッ!!」
レーヴェ:「やっぱお前厄介だよ、禄戀会リーダー…!」
アカシ:「はははは!そうかそうか!」
0:二人は殴りあった
レーヴェ:「ォラオラオラオラオラオラオラッッ!」
アカシ:「そぉらそらそらそらそらそらッ!!」
林檎:(M)殴り合いが終わるまでの時間…!!レーヴェンシュタインが抑えられている間…!!勝負は今、付ける…!
フェリス:「Switch・featherッ…!!」
グランシオラ:「SHIELD…!」
ヴァン:(M)即興だが、合わせろよォ先輩方…!
アスカ:(M)アーヘンの。戦況が良く見えている。ネロ…!
ネロ:(M)分かってるよ。後輩に先越されてたんじゃあ示しがつかん…!!
レーヴェ:「ぉオラッッ!」
アカシ:「んどぉりゃアアッ!」
グランシオラ:(M)1秒。12543。45246…っ。指向性に気を使っている暇なし…!
ヴァン:「連立式ッッ!」
アスカ:「陣…ッ!」
ネロ:「発勁ッッッ!!」
グランシオラ:「Scramble…ッ!」
0:グランシオラは3人の最後に移動している
ネロ:(M)ま、じで言ってんのかよ…!この土壇場でもまだ避ける…!
レーヴェ:「そぉおらッ!」
アカシ:「んごぉおおっ!」
グランシオラ:(M)9784。421…ッ!
劉淵:「ふんスぅぅぅッッ!」(鎖を投げる)
0:鎖はグランシオラの腕に巻き付く
グランシオラ:「んんッ…!この…!」
イオハロット:「ぶち抜けやァッッ!」
グランシオラ:「Gravityッ!」
0:銃弾は地面に落ちる
イオハロット:「ちっ…!劉淵!!」
劉淵:「任せろイオハロットォオッ!」
グランシオラ:(M)劉淵…っ。中央職員と彼らはやはり混戦の練度が違う…!
0:鎖を回す
劉淵:「ぉおおおおおッ!」
グランシオラ:(M)2秒。思考を止めるな…!742。45…ッ!
カラス:「塗り潰せ…ッ!」
グランシオラ:「…!」
カラス:『伸びろ、八咫烏ッッ!』
0:刀がグランシオラの腹を貫く
グランシオラ:「ごぷぉ…ッ!」
アスカ:(M)追ぃッ!
ネロ:(M)撃ィ…!!
グランシオラ:「Swordッッ…!」
0:剣は二人の肩部を切り裂く
アスカ:「がは…ッ!」
ネロ:「ぶご…ッ!」
ジオ:(M)3秒ォ…!アカシの「総反逆」で補填し切れてねえ…!アイツのキャパが限界近い…!!
グランシオラ:「鉄槌ッッ!!」
ジャイロ:「Adsorption…!!」
グランシオラ:(M)異能狩り…!!
ジャイロ:「はーい。俺です 」
レーヴェ:「ほいほいほいほいッッ!」
アカシ:「ッッァァアアアッ!!」
0:レーヴェの拳がアカシに顔にすり抜け当たる
レーヴェ:「ーーだァらッッ!」
アカシ:「ぶごッッ…!!」
レーヴェ:(M)4秒かかっちまったが…!次ィ…!
アカシ:「ごほ…!」
ノエル:(M)アカシが押し負けた…!次の一手…!!
0:レーヴェはジオに向かい走る
ジオ:(M)そりゃまあ、俺か林檎を仕留めに来るだろうな…ッ!少しは休めよ!!
レーヴェ:(M)休まねえよ!!
ニーア:「君ならそうすると思った…!」
0:ニーアはレーヴェの前に立った
レーヴェ:「ちィ…!退けよニーア!!」
ニーア:「嫌だね!」
ジオ:(M)5秒…!助かったぜ、お兄ちゃん…!
レーヴェ:「Shiftッッ!」
ジオ:「突風…ッ!」
レーヴェ:「BURSTッッ!」
ジオ:「鎌鼬ッッ!」
0:風がレーヴェの腕を落とす
レーヴェ:「ーー…ッ!」
ジオ:(M)やっと一本ンン…!
ジャイロ:「返すぜ、クソババア…!」
グランシオラ:(M)鉄槌はまずい…!避けーーー
林檎:「Scrambleッッ…!」
グランシオラ:「ーー…!」
林檎:(M)そう簡単には行かせないでしょ…!
0:ジャイロは手を向けた
ジャイロ:「Refundォオ!」
0:グランシオラは地面に叩きつけられる
グランシオラ:「がはッッ…!!」
ヴァン:(M)なんっだこの乱戦…!装填も追い付かねえよ…!
イオハロット:「もういっちょッッ…!」
0:発砲。グランシオラの頭に当たる
グランシオラ:「がッッ…!」
ヴァン:(M)ひゅー、流石だぜギルドぉ!年季が違うワ…!
イオハロット:(M)当たった…!脳天…ッッ!
グランシオラ:「ーーRESET」
0:頭の傷はふさがっていく
ネロ:「まだだ…!!」
グランシオラ:(M)壊れた傍から治せば良し…!
ヴァン:「とまあ、一筋縄で行かねえことは分かってる…!」
0:ヴァンはグランシオラの頭に銃口を突きつけた
グランシオラ:「ーー…っ!」
ヴァン:(M)治したそばから壊しゃあいい…!
グランシオラ:「この…ッ!」
ネロ:「させねえよ…!暴れすぎだお前…!」
0:ネロはグランシオラを羽交い締めにした
グランシオラ:「ネロ…!」
フェリス:(M)6秒…ッ!
ヴァン:「助かるぜ、先輩ッ!」
0:引き金を引く
グランシオラ:「ごぶッ…!」
レーヴェ:「定義収束…ッ!」
フェリス:「Switch・Pleiadesッッ!」
レーヴェ:「唯我独尊ッッ!」
0:レーヴェの腕が生える
ジオ:(M)なんだぁ…!?腕が生えやがった…!正真正銘化け物になったかこいつ!
レーヴェ:「ぉおおおらッ!」
0:レーヴェは2人を殴る
フェリス:「がはッッ…!」
ジオ:「ぶごぉ…!?」
レーヴェ:(M)まずった、回復間に合うか、グラン…ッッ…!!
グランシオラ:「RESETォ…!!」
ヴァン:(M)クールタイムもクソもねえ…!だが、その為の「二丁拳銃」だよ…!そうだろ、ギルドの…!
イオハロット:「ぉおおおおッ!」
ヴァン:「だぁありゃああッ!」
0:発砲 グランシオラは再び撃ち抜かれる
グランシオラ:「ぶごォ…ッ!」
イオハロット:(M)外した…!急所じゃない…!
レーヴェ:「よく耐えたグラン!!今行く!」
林檎:(M)7秒…!
モルポ:「ままま、待てェ!」
0:モルポはレーヴェの足を掴んだ
レーヴェ:「…ッ!」
モルポ:(M)うわ…!やべえ…!全然掴めねえ…!!これでも俺握力60あんのよ!?
劉淵:「そぉおおおいッ!」
0:劉淵もレーヴェを正面からとめた
レーヴェ:「ぉお…!?」
劉淵:(M)出血が酷い…!もう前も見えない…!だが…ッ!
0:劉淵は足を緩めない
レーヴェ:「退けやァ…!」
劉淵:(M)身体がッッ!一向に退かんッ!
ノエル:「私だって、見てるだけは無しでしょ…!」
レーヴェ:「ッ…!ニーアの妹ぉ…!」
0:ノエルも加勢するが押される
ノエル:(M)エッッ!うっっそだろ…っ!こんな馬鹿力…!?私いる意味ある!?
劉淵:「意地でも止めるぞ!!君たち!!」
モルポ:「は、はい…!」
ノエル:(M)とか、言ってる場合じゃないよな…!
0:4人は押し合い止めあいになる
レーヴェ:「ぉぉおおおお!!」
劉淵:「ぁぁあああああッ!」
モルポ:「どぉぉおおらあああっ!」
ノエル:「うわぁあああっ!」
0:手が緩む
モルポ:(M)駄目だ…!一秒も持たねえ…!
アカシ:「いいやぁ!十分じゃ…ッッ!」
0:アカシもレーヴェの腕を掴んだ
レーヴェ:(M)もう帰ってきたかよ…!禄戀会ィ…!
グランシオラ:(M)8秒…!弾痕は…!切り捨てる…ッ。
ヴァン:(M)回復はギリしなくていい損傷…!そんくらいの方が丁度鈍ってありがてえ…!
カラス:「桜華流・上段…ッ!」
ネロ:「対・異常体執行術…!」
ジャイロ:「削り取れ…!」
グランシオラ:「IRON…!」
ヴァン:(M)9秒…!
イオハロット:(M)装填完了ォ…!指ちぎれるぞマジで…!
0:3人は一斉に攻撃した
カラス:「花弁ァァ!」
ネロ:「轆轤ッッ!」
ジャイロ:「サーティーンッッ!」
0:3人の攻撃から身を守る
グランシオラ:「Maidenッッ!」
カラス:「くそが…!」
ジャイロ:「引き籠もりやがって…!」
0:グランシオラは頭痛に襲われる
グランシオラ:(M)…ッ…!くそ、思考速度の限界か…!一々選んでいる暇すらない…!付け焼き刃のアイアン・メイデンじゃ持続時間は0.5秒未満…!直ぐに次の座標を…!
林檎:(M)10秒…!
0:アイアン・メイデンが解除される
グランシオラ:「ーー…ッ…!」
イオハロット:「おかえり、グランシオラさん」
ヴァン:「会いたかったよ」
グランシオラ:「flambeッ…!」
0:二人の体は燃える
ヴァン:(M)あッッチィなボケ…!引かねえけどよその程度じゃ…!
グランシオラ:「Reversal!」
0:イオハロットの左腕が張り裂ける
イオハロット:(M)左腕から体の中心部にかけて内側から弾けてる…!あ〜、考えてる暇…!
0:イオハロットは自分の左腕をちぎる
イオハロット:(M)無し…!
グランシオラ:「脳筋が…ッ!」
アスカ:(M)一瞬の隙間を見逃すな。一瞬だ。
レーヴェ:「bound…ッ!」
アカシ:(M)それ嫌いじゃ!!やめろ!!
レーヴェ:「BURSTッッ!」
フェリス:「Switch・featherッ…!」
0:レーザーがレーヴェの足を掠める
レーヴェ:「ッッ…!」
フェリス:(M)ゼロコンマ遅れた…!速すぎんだよクソ…!
レーヴェ:「ぉおらおらおらおらおらおらッ!」
0:レーヴェは高速で壁を跳ねる
劉淵:「…ッ!」
モルポ:「うおお!?痛くない!?」
ノエル:「けど見えないよ!」
アカシ:(M)タイミング、合わせろ…!意地でも!
レーヴェ:「定義反転…ッ!」
アカシ:「定義転換…!」
レーヴェ:「強制返済ッ!」
アカシ:「総反逆ッッ!」
0:衝撃は収束する
レーヴェ:(M)瀕死のくせにしふどい…!
アカシ:(M)そろそろ限界じゃ…!メンタルより先に意識が飛ぶ…!
劉淵:「ありがたく頂戴する!アカシさん!」
0:劉淵は鎖でレーヴェを巻いた
レーヴェ:「ぉお!?てンめぇ、何回やっても同じだっつーの…!」
劉淵:「それで刹那の時間稼ぎになるのなら何度だってやるさ…!」
レーヴェ:「もう片方の腕がちぎれてもか!」
劉淵:「ちぎれても尚だ!!」
ヴァン:(M)11秒…!
グランシオラ:「ーーー鉄槌…ッッ!」
0:二人は押し潰される
イオハロット:「ごぶぉ…!」
ヴァン:「がは…!」
ジオ:「突風…!砂嵐ッッ!」
グランシオラ:「突風ッ…!旋回ッ!」
0:突風が衝突する
ジオ:(M)ちっ…!模造品が…!
ネロ:「アスカ!!!」
アスカ:「分かってる…!!」
ネロ:(M)時間稼ぎもいよいよ限界だ…!さっさと決めろよ…!
アスカ:(M)出来たらそうしてる…!
0:ヴァンは唐突に血を吐く
ヴァン:「ーーごほッ…!あれ…。足が…動かねえ…っ。」
カラス:(M)ヴァン…!?何やってんだお前…!
ネロ:(M)とうの昔に限界だよ全員…!しょうがない…!
グランシオラ:(M)まずは一人…!!
カラス:「畜生ォ…!!ヴァン!!」
ヴァン:「…。」
カラス:(M)馬鹿野郎、体、動け…!!
グランシオラ:「GRID・BORROW…!」
ヴァン:(M)はは。待ってたぜ。そういうの
グランシオラ:「FURU…!」
ヴァン:「ジャイロォ!!」
グランシオラ:「BURSTッ!」
ジャイロ:「Adsorption!」
カラス:「…!」
0:衝撃は吸収される
グランシオラ:(M)ーー囮か…ッ!
ヴァン:(M)兄弟柄、騙し騙されは得意な性分でね。
カラス:「敵を欺くならなんとやら…!持ってきたな…!」
ジャイロ:(M)最高の1発…!!
0:ジャイロは手を向けた
グランシオラ:「…まだだッ…!」
イオハロット:「足掻き過ぎだっつーの…!」
0:発砲。腕を貫く
グランシオラ:「ガぁ…ッ!こ、の…!無像がァ…!」
林檎:(M)12秒…!
グランシオラ:「Scramble」
林檎:「Scramble…ッ!」
グランシオラ:(M)ーー…!転移した傍から戻された…!赤い、林檎ぉ…!!
林檎:(M)大人しく見てられるほど大人じゃないもんで…!
カラス:「ぉおおおらッ!」
0:背中を切り裂く
グランシオラ:「ぐぼぉッ…!」
カラス:「行けよ、ジャイロ…!!」
ジャイロ:「Refundォオッ!」
0:グランシオラは身体が真っ二つになる
グランシオラ:「ーーーぶごッッ…!!」
レーヴェ:「グラン!!」
ジャイロ:(M)真っ二つになりゃしたが…!
グランシオラ:(M)ふざけるな。
ヴァン:「異常器が手から離れてねえ…!すぐ回復すんぞ…!」
グランシオラ:(M)ふざけるな…!
アスカ:「……」
グランシオラ:「R…ESETォ…!」
アスカ:(M)風向き、角度、距離。
0:アスカは引き金に手をかけた
アスカ:(M)ぶち抜け、異常性抑止弾…ッッ!!
0:発砲。弾丸は莫耶に命中する
グランシオラ:「ーーーッ…!」
レーヴェ:「…!」
ネロ:「はあ…はあ…っ。」
アスカ:「…。命中…だ。」
林檎:(M)異常性抑止弾…。もう試作の域まで来てたのか…っ。
レーヴェ:「…。」
グランシオラ:「…。…」
ノエル:「…はあ…はあ…っ。なに。動かなくなったけど…」
ニーア:「…」
グランシオラ:(M)何故。お前達がそれを持ってる。私と姉さんが作ったそれを。我が物顔で使ってる
ヴァン:「今の内に叩くぞ…!」
グランシオラ:(M)私と姉さんの全てで。私を追い詰めるな…!
カラス:「動けるか、アロハ!」
グランシオラ:(M)消費するだけの、無像が…!!
ジャイロ:「今動かねえでいつ動くんだよ…!」
グランシオラ:(M)腸が。煮えくり返る思いだ。
0:回想
シャリノウラ:「…。ねえ、グラン」
グランシオラ:(M)中央政府研究部。
シャリノウラ:「今日も。太陽が明るいね」
グランシオラ:(M)姉さんのその革新的な研究結果において、中央政府は多大なる恩恵を受けた。
シャリノウラ:「光は波であり、粒でもある。あの光は一秒ごとに、私達の足では歩ききれない速度で巡る」
グランシオラ:(M)異常性抑止弾の開発を皮切りに。姉さんには異常体容疑人として、執行手配が行われた。
シャリノウラ:「私達が今見ているあの光は。何万年も前のものかもしれない。」
グランシオラ:(M)私には理解が出来る。姉さんが異常体でないことも。何故中央政府が姉さんをおとしいれたかを。
シャリノウラ:「私は。光も。過去も。未来も届き得ない。そこに全ての答えがあると、証明したかったんだ。」
グランシオラ:(M)腐っている。真相はいつも、曲げられた史実とは乖離した場所にある。
シャリノウラ:「私には出来なかった」
グランシオラ:(M)腐った無像が。姉さんの全てを否定した。
シャリノウラ:「だから。君に託したよ。」
グランシオラ:(M)何かから解放され。また何かに囚われる
シャリノウラ:「光の届かない。奥底を。」
グランシオラ:(M)だから私は。姉さんを。私達を否定した全てを。否定する
0:現在へ戻る
0:ノアの方舟
レーヴェ:「グラン。」
グランシオラ:「ーー飲み込め。」
レーヴェ:(M)聞いちゃいねえ
ノエル:(M)身の毛がよだつ。意識すら沈殿に期すような。
イオハロット:「ーーー…!」
アカシ:「逃げろ!お前ら!!」
グランシオラ:「阿頼耶識・漠云」
ノエル:(M)ーーー深淵。
ニーア:「ノエル!!」
ノエル:「…っ。」
:
0:場面転換
0:黒
:
グランシオラ:(M)何処に行く事も叶わない。陽の光の眩しさすら忘れ、意識すら、思考する間もなく沈殿に期す。
グランシオラ:(M)そこではただ漂う結果だけを消化し、経過を贖う、見渡す限りの闇。「絶望」の何相応しいその情景を、なんと形容しよう。
グランシオラ:(M)「其れ」は場所ではなく、空間でもなく、移ろうものである。それは物質に宿り、空間に宿り、意思に宿る。それを垣間見た者は、意識が宛てどない暗闇に墜ちる。それは闇では無く、何も無いだけの黒。
グランシオラ:(M)私はその黒に。全てを手放した。
0:場面転換
0:ノアの方舟
ノエル:(M)黒が。膨張した。飲み込むように、吐き出すように。黒は全てを包み込んだ。
ジャイロ:「…おい、おいおい…」
モルポ:「あが、ががががが…!」
カラス:「どうなってやがる…!」
ノエル:「兄さん…。兄さん…!」
レーヴェ:「あ〜。」
0:グランシオラは黒い繭に包まれている
フェリス:「アカシさん…!!」
ヴァン:(M)なんだこりゃ…。中央政府やその他の連中もあの黒い繭に取り込まれた…。さっきから、何がどうなってる…っ。
レーヴェ:「やっちまったなあ。」
ヴァン:(M)生き残ってんのは。
0:その場にはノエル、ジャイロ、カラス、モルポ、フェリス、ヴァンのみが残っている
ヴァン:(M)俺達だけか。
モルポ:「おいおいおいっ。何したんだよ、あいつ…!」
ジャイロ:「分からねえよ…っ。」
フェリス:「アカシさん!!ジオさん!!」
レーヴェ:「落ち着けよ。別に死んじゃいねえ。いや、最悪死ぬかもしれねえけど。」
フェリス:「ふざけんな…!今すぐアカシさん達を解放しろ…!」
レーヴェ:「そんなこと俺に言われてもなあ。まあ、そんくらいグランを追い込んだってことだ。すげえよお前ら」
ノエル:「…っ。」
ヴァン:「舐めてんな…。」
ジャイロ:(M)戦力の大半が飲み込まれちまった…っ。ナマクラは超重症。ヴァンとフェリスもしっかり重症、モルポとお嬢は戦力として見込めねえ…っ。どうする…!
カラス:「…っ。」
レーヴェ:「まあ、これでようやっと。だな」
モルポ:「いやいやいやいや…!この人数でコイツ抑えられるワケなくないか…!!ど、どうする…!」
カラス:「どうするもこうするも…っ。」
ヴァン:「フェリスちゃん!気ぃ引き締めろ!!」
フェリス:「…」
ノエル:(M)やられた。ここまで追い詰めたのに。いや、追い詰めたから。
レーヴェ:「ACT」
ノエル:(M)兄さんも、林檎さんも、禄戀会の主戦力も、中央政府も、劉淵、イオハロットも居ない。
カラス:「…」
ノエル:(M)…。じゃあ。最後は
レーヴェ:「…!」
ガロ:「ーーーよお。」
0:ガロの顔付きは変わっている
ガロ:「さっきぶり。レーヴェ」
モルポ:「ガ、ガガガ、ガロンドール!!」
レーヴェ:「…ガロ…!」
ジャイロ:「…ッ…!」
ノエル:「…はは、やっぱり、生きてた…」
カラス:「遅せぇよ…。馬鹿野郎…!」
ヴァン:「はっ。しぶといねえ。」
フェリス:「ガロ…」
カラス:(M)さっきまでとは雰囲気がちげえ…。
ガロ:「これ。返すよ」
カラス:(M)なにがあった…!
レーヴェ:「あれ。俺の冒険譚じゃん」
ガロ:「ああ。アイネスから貰った」
レーヴェ:「アイネス…?あー、水の」
ジャイロ:「アイネスと会ったのか…!」
ガロ:「…。ああ。」
ジャイロ:「…おい。まさか」
ガロ:「俺を助ける為に死んだ。」
ジャイロ:「ーーーッ…!」
ヴァン:「ま、じでか…」
モルポ:「え…?え…!?」
カラス:「…。」
フェリス:「…」
ガロ:「弔い合戦のつもりはねえ。」
レーヴェ:「…ほお。」
ガロ:「もう。何も気にしない。俺には、見たい景色がある。それを押し通すだけだ。例え、レーヴェとぶつかっても。」
レーヴェ:「…。おう。約束通りだな。」
ノエル:「ガロ…」
ガロ:「ノエル。状況はよく分からねえけど。あの黒いのがグランシオラなんだろ」
ノエル:「…!」
レーヴェ:(M)見えてる。覗いてきたか。座標の核心を
ガロ:「俺はレーヴェとケリつけてくる。そっちは、任せてもいいか。」
ノエル:「…っ。」
0:ノエルは強く拳を握った
ノエル:「任せて…!」
ガロ:「ありがとう。」
ヴァン:「まあ、実際。アイツとタメ張れるのはもうお前だけだ。」
ジャイロ:「…悔しいが。そうだな。」
カラス:「お前が負ければ実質ゲームオーバー。だが」
ガロ:「大丈夫だ。」
0:ガロの目に迷いは無い
ガロ:「勝とう。」
レーヴェ:「…ははは。はは、ははは…っ。とんだサプライズだ…!」
0:レーヴェは自分の胸に手を当てた
レーヴェ:「定義拡大」
ガロ:「…」
レーヴェ:「脱兎。」
0:レーヴェは空に向かって飛んだ
モルポ:「ええ!?浮いてる!!」
ヴァン:「お、いおい……滅茶苦茶かよ…」
モルポ:「なんでもありだな…っ。」
レーヴェ:「整ったら来いよ。待ってる」
ガロ:「ーーーおう。」
0:レーヴェはそのまま空へ飛んだ
ジャイロ:「…。ガロ」
ガロ:「なんだ?」
ジャイロ:「アイネスの件は。マジなのか」
ガロ:「…ああ。」
ジャイロ:「……そうかぁ…」
0:ジャイロはその場に蹲った
ジャイロ:「ーーー挨拶くらい、して行けよなあ。あいつ…っ。」
カラス:「…するタイプじゃねえだろ。後はもう。俺らにできることを精一杯やるしかねえ」
ジャイロ:「…分かってる…」
ノエル:(M)覚悟はしてた。誰かは死ぬ。それが自分かもしれないし。他の誰かかもしれない。でも。いざそうなると。
フェリス:「…」
ノエル:(M)ただただ。悲しい。
ガロ:「…。」
ヴァン:「後はもう。マジで任せるしかなくなっちまった。はっきりガロンドール頼りだな」
フェリス:「…うん。」
カラス:「…。弔い合戦じゃねえとは言ってたが。」
0:ガロはただひたすらに空を眺めている
ジャイロ:「…〜〜…っ。くそ…っ。」
ガロ:「…そんじゃ。行ってくる。」
ノエル:「…」
0:ガロの目は依然迷いが無い
ノエル:「ガロ!」
ガロ:「…なんだ?」
ノエル:「背中向けて」
ガロ:「…。はは。」
0:ガロは少し笑い、背を向けた
ガロ:「ばっちこい!」
ノエル:「どりゃ…!」
0:ノエルはガロの背中を叩いた
ガロ:「…っ。」
ジャイロ:「…はは。」
カラス:「はは。行ってこい…!」
0:カラスも背中を叩いた
ヴァン:「任せたぞ…!」
0:ヴァンも背中を叩く
フェリス:「…っ。よろしく…っ。」
0:フェリスも背中を叩く
モルポ:「まじ、まじで!頼んだぞ!」
0:モルポも背中を叩く
ジャイロ:「…。勝とうな、相棒…!」
0:ジャイロも背中を叩いた
ガロ:「ーーーーおうッ」
0:ガロは自分の胸に手を当てた
ガロ:「定義拡大」
ノエル:(M)きっと。これが最後かもしれない。相手はレーヴェンシュタイン。本当に、最後かもしれない。
ガロ:「脱兎」
0:空へ足を運んだ
ノエル:(M)だから。信じる…っ。
モルポ:「あいつまで飛んでったよ…。」
カラス:「顔付きがさっきとはまるで違う。多分。何かを見たな」
フェリス:「…。死に際だったんだろうね。よく分かるよ。」
ノエル:「皆。ガロのこと。よろしく。」
ジャイロ:「あ…?」
ノエル:「何かあった時は。頼んだよ。」
ジャイロ:「…お前はどうするんだ。」
ノエル:「グランシオラに対する手立てを考える。こっちは私が任されたんだ。存分に頼ってもらうよ。」
カラス:「…。」
ノエル:「それに。オーディエンスが居た方が、ガロもテンション上がるでしょ」
ジャイロ:「…はは。」
カラス:「だな。」
ノエル:「それじゃあ皆。またね。」
0:全員が同時に返事をした
ジャイロ:「またな。」
カラス:「またな。」
ヴァン:「またなあ。」
モルポ:「また後で!」
フェリス:「また。」
0:場面転換
0:空
レーヴェ:「ーーー来たな。」
ガロ:「おう。」
レーヴェ:「冒険は。楽しいか、ガロ」
ガロ:「ああ。めちゃくちゃ楽しいよ。レーヴェ」
0:二人は構える
ガロ:「だから。勝つよ。」
レーヴェ:「ああ。俺もそうする。」
ガロ:「ーーー俺は。ガロンドール・ウォンバット。冒険家だ。」
レーヴェ:「レーヴェンシュタイン・ウォンバット。冒険家だ。」
ガロ:(M)自由の代償は。俺が払う。俺たちが払う。
0:風が吹いた
ガロ:(M)後は。それを全部ぶつけるだけだ…っ。




