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異能力者達の夜明け  作者: ゆーろ
冒険者達の午後
PR
18/28

冒険者達の午後 急3-1

冒険者達の午後 急Ⅲ

0:ーーーー「冒険者達の午後 25章」ーーーー



アカシ:「俺はアカシア・アカシ!第113回ギルド試験の試験官として任命された者じゃ!よろしく!!」


ジオ:「同じく、禄戀会から試験官として抜擢されたジオ・フロントだ。」


ワタリ:「よろしくお願いします。」


雑魚:「よろしくおなひゃす!」


馬鹿:「おなひゃす!」


阿呆:「ひゃひゃひゃす!!」


雑魚:「ひゃーす!ひゃすー!」


馬鹿:「お願いひゃす!」


ワタリ:(M)見渡す限りの馬鹿ばかり。声ばかり大きく、特に何も考えてないような阿呆面が並んでいた。


アカシ:「今期は多いのぉ〜。」


ジオ:「志願者は年々増えてるらしいからな。良いのか悪いのか。」


アカシ:「いい事じゃろお〜。沢山居た方が賑やかでいい。あ、因みにお菓子は5ドルまでじゃからな〜!」


雑魚:「5ドルってまじチョベリバ〜!?」


阿呆:「何が買えるってんだそんなもんでえ!」


馬鹿:「え〜。あーしネイルしたい〜」


ワタリ:(M)やかましいやかましい。反吐が出るほどやかましい。


劉淵:「ハイッッ!」


イオハロット:「はいっっ!」


ワタリ:(M)その中でも。一際やかましい二人がいた。


劉淵:「マンゴゥはおやつに入りますか!!!」


イオハロット:「パイナポゥはおやつに入りますか!!」


0:2人は顔を見合せた


劉淵:「…ん?」


イオハロット:「…え?」


劉淵:(M)何言ってんだこいつ…普通お菓子と言ったらマンゴゥのくだりがあるだろ…怖。


イオハロット:(M)何だこいつ…普通お菓子のくだりはパイナポゥが定番だろ…怖。


ワタリ:(M)何言ってんだこいつら…。普通お菓子のくだりと言えばバナナだろ…こっっわ…


劉淵:「…むむ?なんだ君。なぜ俺を変人を見る目で見つめる。」


イオハロット:「私のこともそういう目で見てたよな。いや。いやらしい意味でなく。」


ワタリ:「関わらないでくれ…。頼む…」


劉淵:「何を言ってるんだ!!」


イオハロット:「お互いこれから同期なんだ!!」


0:二人は顔をワタリに近づけた


劉淵:「仲良くしよう!!!」


イオハロット:「仲良くしようぜ!!」


ワタリ:(M)それが。後に若手エースと呼ばれる、変人ふたりとの出会いだった。


0:時間経過


アカシ:(M)第113回ギルド試験。第一試験、リベール一周マラソン開始から42分。脱落者423名。


ワタリ:「はあ…はあ…っ。なんだ、リベール一周って…!ふざけてるのか…!」


雑魚:「ひ、ひぇ〜…もう無理だっピ…!」


馬鹿:「ギブだッピ…!」


阿呆:「辛すぎるッピ…!」


ワタリ:(M)くそ…!くそくそ、マジか…!こんな馬鹿どもと同じ所でリタイアかよ…!


劉淵:「だーから!!君がこっちだと言うから付いてきたんだぞ俺は!なんでこんな所まで逆走しているのかね!」


イオハロット:「知らねえよ!私の土地勘信じてんじゃねえよスカタン!!」


劉淵:「逆ギレとはいい度胸だ!!」


イオハロット:「おおやるかぁ〜!?ゴング、鳴り響いちまうぜえ〜!?」


ワタリ:(M)うわ。さっきバカ達だ。


劉淵:「むむ!君はさっきの!」


イオハロット:「タタリくんだったっけか!」


ワタリ:「…ワタリだ。」


劉淵:「カガリくん!見たところ、君は体力的にそろそろリタイアのし所、と言ったところだろう!だが、同期の好でひとつ、ここは協力しないか!」


ワタリ:「はあ…?」


イオハロット:「ああ〜!なるほど!道案内してくれよ!その代わり私とコイツでゴールまで連れて行ってやる!」


ワタリ:「…」


劉淵:「どうだ!悪い提案では無いだろう!俺はもうこの女を信用しないと決めた!」


イオハロット:「私も自分を信用しないぜ!」


ワタリ:(M)はっきり言って。反吐が出るほどその手を取りたくなかった。だが、背に腹だ。しかたなくーーーーー


劉淵:「うおおおおおおお!!」


イオハロット:「うおおおおおおお!!」


ワタリ:「おんぎゃぁああああああ!!」


劉淵:「ワタリ!次はどっちだ!」


ワタリ:「み、右だぁ〜!!」


イオハロット:「左だとよ!」


劉淵:「右だって言っていただろ!君は耳まで悪いのか!」


イオハロット:「黙れ!」


劉淵:「飛ばすぞカス!」


イオハロット:「私はイオハロットだ!覚えとけハゲ!」


劉淵:「そうか!俺は劉淵だ!宜しくな!!」


イオハロット:「よろしくゥ!」


ワタリ:「ちょっ、ちょっと、酔った…!待て…!」


劉淵:「どどどっせーーーい!」


イオハロット:「うぇいうぇいうぇーーい!!」


ワタリ:「あべばてぃーびーー!!!」


0:三人は山を爆走した


アカシ:(M)まあ、何やかんやとあり、第113回ギルド試験は終わった。報告以上じゃ。


ジオ:「…。おいアカシ…」


アカシ:「なんじゃ。」


ジオ:「なんなんだこの報告書は!!これじゃギルドに提出出来ないだろうが!」


アカシ:「うるさいやい!こんなもん俺に頼む方がどうかしとるんじゃ!お前がやれお前が!見た目的にれ」


ジオ:「ふざけんじゃねぇ!こう見えて書記とかは大嫌いだ!」


アカシ:「インテリア眼鏡!」


ジオ:「短パン小僧!!」


0:場面転換

0:リベール キャリオン街


ワタリ:「…まさか。マジで合格するとは…」


劉淵:「おや!ワタリ!君も合格出来たか!」


ワタリ:「…」


劉淵:「おい!なぜ無視する!ワタリ!ワタリ!タタリ!カガリ!セイバー!ファイアー!そいやー!」


ワタリ:「頼むから黙ってくれ。お前と居ると悪目立ちする」


劉淵:「なぜそんな悲しい事を言うんだ!セイヤッ!」


イオハロット:「おお、お前ら!合格したのか!」


ワタリ:「あーあーあーもう…」


劉淵:「貴様…!イオハロット!そうか。やはり生き残ったか…!」


イオハロット:「ああ!そりゃあな!私だからな!ワタリも合格したようで何よりだ!」


ワタリ:「わぁーったから…静かにしてくれ…」


劉淵:「それじゃあ、改めて!今日から同期だ!よろしく頼もう!」


イオハロット:「よろしくなぁ!ほれほれ」


ワタリ:「触るな!ええい!馴れ馴れしいなもう!」


0:時間は現代に戻る

0:ノアの方舟 甲板


ジャガー:「Bomberボンバー


劉淵:「ーーーッがぁああ…ッ!」


0:劉淵の片腕は爆ぜた


ジャガー:「はぁいまず片腕。残念やなあ、強がり青虫ィ。その左腕。もう使えへんで」


イオハロット:(M)想像より遥かに強い。流石バグテリア、ブラックボックス通り。ここまでの戦力を蓄えてるとは思わなかった


劉淵:(M)構うなよ、イオハロット…!


イオハロット:(M)って思ってるんだろ。分かってるさ。何年同期やってると思ってる…!


ジャガー:「邪魔や」


0:劉淵の頭を蹴った


劉淵:「がッ…!」


イオハロット:「〜〜…!死ね…!」


0:銃を構えた


ジャガー:「なんや?なんやなんや。なに怒ってるん?そういうつもりでここに来たんとちゃうんかいな。それともやっぱあれか?ギルドゆーても所詮はアマちゃんの集まりか。」


イオハロット:「言いてえことはそれだけかよ。」


0:銃を乱射した


ジャガー:「はいボンバーボンバーボンバー」


0:銃弾は全部爆破した


イオハロット:(M)クッッソ適当に裁きやがって…!触れた物を爆発させる異常性か…!?


ジャガー:「この調子やったらすぐ終わりそうやな。向こうはもうちぃと頑張ってるらしいけど。」


劉淵:「うぉおおおおッッ!」


0:鎖鎌をジャガーに投げつけた


ジャガー:「ッッぉおっとぉ!痛っったいやんけカス…!」


イオハロット:「余所見してんなよウスノロ。」


0:イオハロットは急接近すふ


ジャガー:(M)ちゃんと動けるやんけ。でも、向こうの監察官どもよりは遅い。所詮は素人。と思うのは侮りかぁ?ちゃんと状況判断出来とる。


劉淵:「ぉぉおおおお…ッッ!」


0:鉄球をジャガーの頭に振るい当てた


ジャガー:「ごッッ!だっっからぁ!今言っつってんねんボケェ!死ねや!!」


イオハロット:「お前がな。」


0:喉元に銃口を付けつけた


ジャガー:(M)あ。やば。


劉淵:「うおおおおおおおッッ!」


0:鎖鎌を投げる


ジャガー:(M)こっちのうるさい男も最後まで気ィ抜かへん。


イオハロット:「ぶち抜け…ッッ!」


0:引き金に手をかけた


ジャガー:(M)まあ。でも。想定内や


0:ジャガーはイオハロットの腕に、劉淵の肩に手を当てた


劉淵:「ーーーッッ!早く引け!イオハロット…!!」


ジャガー:「もう遅いわ、カス」


0:ジャガーは口を開いた


ジャガー:「Bomberボンバー。」


0:二人の腕と肩が爆発した


劉淵:「ぐぉおおッ…!?」


イオハロット:「がァァッッ…!」


ジャガー:「はい、終わり。向こうさんは、どやろか?」


ポルジッコ:「ーーーSparkスパーク


0:稲妻となり急接近した


アスカ:(M)速い…っ!ただ電力を放出するだけじゃない…!


ポルジッコ:「ほれ。」


0:殴る


アスカ:「ーーーごっっはッ…!」


ポルジッコ:「やり甲斐のねえ。」


ネロ:「何勝った気でいるんだ…!」


ポルジッコ:「いい面でェ。そう盛んなよ。」


ネロ:「っっらァァァッ!」(蹴る)


0:ポルジッコは以降、避けながら話し続ける


ポルジッコ:「お前ら何等監察局だ?」


ネロ:「お前が知る必要はない…!」(殴る)


ポルジッコ:「そうかあ。まあ、名前も聞かないんじゃあ大した事ないんだろう。ロゼット・ラインハルトだったら少しはマシだったんだろうが。」


アスカ:「ペラペラとよく喋る…!」


0:殴るが、受け止める


ポルジッコ:「ううん。執行術の練度もそこそこ。」


ネロ:「ッッらぁあ!」(殴る)


ポルジッコ:「体作りもほぼ完璧」(避ける)


アスカ:「はぁあああ…っ!」(蹴る)


ポルジッコ:「しかし、何故だろうな。花がない」(受け止める)


ネロ:「ジン発勁はっけいッッ!」


0:ネロの掌がポルジッコの腹に入る


ポルジッコ:「ごほっ…!」


アスカ:「よくやったネロ!!っシャぁああっ!」


0:蹴る


ポルジッコ:「げべぉ…!」


0:ポルジッコはゆっくりと二人を睨んだ


ポルジッコ:「ーー前言撤回だ。ピリっと来るねえ。」


アスカ:「そりゃあ、早い前言撤回だな…!」


0:アスカはポルジッコを羽交い締めにした


ポルジッコ:「ンン…!」


アスカ:(M)動きは抑えた。やれ、ネロ


ネロ:(M)お膳立て助かるよ。異常性もさる事ながら、フィジカルも中々。殴る蹴るじゃあ長期戦。


アスカ:(M)それで振りになるのは非異常体の俺たちだ…!


ネロ:「だったら…ッ!」


0:ネロはポルジッコの足を掬った


ポルジッコ:「おぉ??」


0:ネロはポルジッコに馬乗りになる


ネロ:「ッッ…!アスカ!締めにかかるぞ!!」


アスカ:「分かってる!!」


ポルジッコ:(M)おお…。やるじゃねえか。冷静な判断が出来る。準1等クラスか。


ネロ:「うぉぉおおおおッ…!」


アスカ:「ぉぉおおおおおッ…!!」


ポルジッコ:「ぉぉ…ッ!ピリッ…と、来るぜ…!!」


ネロ:(M)冗談だろ…!私とアスカで締めきれないなんて…!


アスカ:「迷うな!やるしかないだろ!!」


ネロ:「分かっ…てる…ッッ!」


0:二人はより強く呼吸器を締める


ポルジッコ:「ーー50MAミリアンペア…ッ!」


アスカ:(M)トリガーワード…!


ネロ:「アスカ!!」


アスカ:(M)自身による放電耐性はあるって事ね…!くそ…!


ポルジッコ:「VOLTボルトッッ!」


0:二人は感電する


ネロ:「がぁぁあアッ…!」


アスカ:「ぐぉおおッ!?」


ポルジッコ:「ッッ…ぷはっ!ふぅ〜、ピリッと来るだろう?なあ?」


0:ポルジッコはゆっくりと起き上がった


ネロ:(M)まずい…!身体が動かない…!


アスカ:(M)判断ミスだ…っ。近距離中距離どっちもこなせるとは…っっ。


ポルジッコ:「160MAミリアンペア


アスカ:(M)まずい…!まずいまずいまずい…っっ。回避、できない…っ!


ジャガー:「あーあー。あっちも終わりそうやな。」


イオハロット:「ーーごぼっ……」


0:イオハロットの腹は抉れ倒れている


ジャガー:「まあ、ギルドの若手エース言うてもこんなもん。」


0:ジャガーが頭を踏みつけている


イオハロット:「っっ…。」


ジャガー:「喧嘩売る相手間違ったな。ハゲタコ」


0:回想

0:8年前


ワタリ:(M)ギルド試験に合格してから1ヶ月が経ち、この生活にも慣れ…。全然慣れない。余りにも慣れない。理由は明白


劉淵:「うむむむむむ…。」


イオハロット:「ううううん…。」


ワタリ:(M)何かとコイツらと縁があり過ぎて、挙句。


劉淵:「やはり俺は朝廷がいいと思うんだ」


イオハロット:「いいや。有頂天だね。」


ワタリ:「なんでもいいわ…ギルド名とか…」


劉淵:「大事だぞワタリ!俺たちは今後、今から決める名前を背負ってギルド活動を続けるわけだからな!」


イオハロット:「そうだぜワタリ。これは超大事だ。で、お前はどっちがいいと思う?」


ワタリ:「はあ。本当にどっちでもいいんだけど」


劉淵:「いいやッッ!絶対に朝廷だ!!」


イオハロット:「絶対に有頂天だね!!」


劉淵:「やだよ!なんか馬鹿っぽいじゃないか!」


ワタリ:「バカじゃんお前ら」


劉淵:「なんでそんな酷いことを言うんだ!」


イオハロット:「朝廷だって大概だろ!夢見過ぎだお前!現実見れてない間抜けが!」


ワタリ:「現実見れてない間抜けじゃんお前ら」


イオハロット:「なんでそんな酷いこと言うんだよ!」


ワタリ:「…はあ…。ちょうど発音似てるんだし。「ド朝天ドちょうてん」とかでいいだろ。間とって」


劉淵:「むむ!朝天はまだ分かるが!ドはなんだ!ドは!」


ワタリ:「ドアホのド。」


イオハロット:「劉淵!こいつ最低だ!」


劉淵:「むむむむッ…!気に入った!!」


イオハロット:「奇遇だな!私もだ!」


ワタリ:「ええ…。本当にこれでいいのか…?」


劉淵:「構わん!一向に構わんッ!俺達は今日から、ド朝天だ!」


ワタリ:(M)うわ。自分で発案したけど。くっっそダセェ。全然名乗りたくない。自分で発案したけど。


イオハロット:「よーーし!早速申請出して、依頼貰いに行こうぜ!なあ!」


劉淵:「そうだな!そうしよう!」


ワタリ:(M)コイツらは、俺とは違って。嫌という程脳筋だ。実際、ギルドが必要としているのはこういう奴らなんだろう。異常体に対抗できる人類の力。それは銃火器よりも遥かに英雄の象徴になる。


劉淵:「何をしているワタリ!行くぞ!」


イオハロット:「急がねえと受付時間が終わっちまう!」


ワタリ:(M)受付終了時間まで5時間もあるし。馬鹿なんだよな〜。こいつら。だから、まあ。それなりに俺みたいな凡人の存在価値もあるんだろうなあ。


0:時間経過


劉淵:「今日飯どうする。」


イオハロット:「残金4ドルも無いぜ…パンか?」


ワタリ:(M)なんやんかやとその生活に慣れ始めた。人類とは適合する生き物なんだと痛感する


劉淵:「おい!聞け!!俺たち、B級に昇格だ!」


イオハロット:「いやぁー!やっぱ私らって革命児だなー!いや、この場合は…超ちんちんだ!」


ワタリ:(M)超新星な。とまあ、コイツらとギルドを続けて、半年が経った頃。あの辺かな。とある依頼で。異常体を殺した。


劉淵:「…。」


イオハロット:「…おい。劉淵」


劉淵:「分かっている。これは依頼で、俺達に非は無い。…だが。」


ワタリ:(M)中央政府とギルドは業務提携的な関係にある。中には、中央政府から依頼委託状を直接受ける時もある。今回は、有害指定ギルド「無題」の解体作戦への投入だった。見た所、危険性の無い異常性を持つ少女を。手にかけた。


劉淵:「…これが。支える篭手のする事か。」


ワタリ:「…もう、行こう。後はリベール市警と中央政府がカタを付けんだろ。」


劉淵:「そうやって見たくないものに蓋をするのか。」


ワタリ:「そういう意味じゃねえよ。ただ、向こうだって殺す気で掛かってきた。こっちだって、そうするしか無かった。」


劉淵:「…」


ワタリ:「…お前に、そいつを殺せと指示したのは俺だ。恨みたきゃあ、俺を恨め。」


劉淵:「…ワタリ。」


イオハロット:「…。行こうぜ、劉淵。」


劉淵:「…ああ。」


ワタリ:(M)もちろん。そんな事をリベール住民が知る由もない。リベールに帰ると、賞賛の荒らしだった。巷でも厄介な準ギルドだったそうで。誰一人俺たちを責めなかった。


劉淵:「…マジかよ。」


イオハロット:「大マジ…また中央から依頼委託状が来てる」


劉淵:「…クソッタレが。」


ワタリ:(M)無題解体以降、中央政府はギルドへの干渉を強めた。依頼内容の中には、ギルド加盟候補者となる前に、異常体を殺害しろ、と言う内容もあった。原則、中央政府からの依頼委託状は特別な理由がない限り断る事は出来ない。


劉淵:「…」


ワタリ:(M)階級が上がる度に、危険な依頼も増えて行った。


イオハロット:「…あれ…ワタリじゃねえか…。なんだ、帰ってたのか」


ワタリ:「…イオハロット…?なんだ、その怪我は…!」


イオハロット:「……いいや。何でもねえよ。ちぃとしくっただけだ」


ワタリ:(M)中央政府からしたら、所詮ギルドは手足に過ぎない。…ああ。



ワタリ:(M)ああ、そうそう。あの日は。雨が凄かった。リベール大量失踪事件が起こった日。


劉淵:「…何を言っている…?」


受付:「…ですので。本案件には。ギルドは介入出来ません。」


イオハロット:「馬鹿を言うな!何人の人間がこの事件に巻き込まれていると思っている…!」


受付:「中枢議会での決議の結果です…!すみませんが、ご理解とご協力の程。お願いします…っ。」


イオハロット:「お前…っ!」


劉淵:「それで大陸支援団体が名乗れるか!!」


ワタリ:「やめよう。二人とも。彼女に当たってしょうがない。」


受付:「…」


劉淵:「…っ…くそ…!」


ワタリ:(M)その事件は長く続いた。一週間。二週間。1ヶ月と、常に耐えない失踪者。この事件には指定されたギルドしか介入を許されず、当然リベール住民からは批判の嵐を受けた。住まいにゴミを投げられたり、「役立たず」の落書きをされたり。除名願書をイタズラの様に届け出されたり、事件に参加しないギルドは誹謗中傷を受けた。


イオハロット:「ふざっっけんな…!」


0:イオハロットは椅子を蹴り飛ばした


イオハロット:「なんで私たちがここまで言われなきゃならねえんだ…!」


劉淵:「…仕方が無いだろう…。失踪事件については、まだ住民への情報開示が許されていない。理解できない気持ちを汲んでやるしかない」


ワタリ:「…。なんの為に…?」


イオハロット:「…ワタリ…?」


ワタリ:「なんの為にアイツらの気持ちを汲んでやらなきゃならないんだ」


イオハロット:「…」


劉淵:「俺達が支える篭手である為にだ」


ワタリ:「無責任な期待と信頼を投げ掛けるだけのバカの為にか?知ってるかよ。ギルドから何人の行方不明者が出てるか」


劉淵:「…」


ワタリ:「120人だ。有り得ないだろ。なんの為に、あの馬鹿どもを守る形で死ななきゃいけないんだ。」


劉淵:「弱い人間を守るのが、強く産まれた人間の宿命だ」


ワタリ:「そんな臭い事聞いてんじゃねえよ。性善説でも信じてんのか。俺は意味と意義を聞いてんだ。」


劉淵:「必要ないだろ。」


ワタリ:「必要ないわけないだろ。俺達がここに居る意味はなんだ?消えたギルド構成員はなんの意味を持って死んだんだ」


劉淵:「まだ死んだと決まったわけじゃない。」


ワタリ:「問題を曖昧にして、ただある現状を受け入れるのになんの意味があるんだっつってんだよ…!」


劉淵:「何故そこまで意味にこだわる…!非情な決断に意味を必要とするのは、時に危険な事だ…っ。」


ワタリ:「…。俺は元々。リベール市警の人間だ。あそこは腐ってた。誰も彼もが上の言いなり。そこでの行為には何も意味が無かった。お前らは…お前らはいいよな。強いから。人を殺すのだって、お前らからしたらそこまでの労力も必要としねえだろ。けど、俺は違う…っ。人を殺すのに、何回も。何回も何回も殴ったり、蹴ったり、刺したりしなきゃいけない…っ。それに今を持つなって言う方が無理な話だ!」


劉淵:「ーーーじゃあ。お前には向いてないんじゃないか。」


ワタリ:「…」


イオハロット:「てめぇ…ッ!」


0:イオハロットは劉淵を殴った


劉淵:「ごぶ…っ。」


イオハロット:「変な事口走ってんじゃねえぞ劉淵…!」


劉淵:「…ああ…。すまない。違うんだ、ワタリ。今のはーーー」


ワタリ:「いや。いい。」


0:ワタリは立ち上がった


イオハロット:「…ワタリ…?」


ワタリ:「お前の言う通りだな。向いてなかった、俺には。」


劉淵:「ワタリ、違うんだ。」


ワタリ:「意味は。自分で見つけるよ。」


劉淵:「ワタリ…!」


0:ワタリはその場を去った


イオハロット:「….。」


劉淵:「…ああ…もう…っ。…くそ…ッッ…!」


イオハロット:(M)…それから。ワタリは私達の前から姿を消した。


劉淵:(M)次お前を見たのは。…そう。また、雨のよく振る日だった。


0:1986年。秋

0:キャリオン街 裏通り


ワタリ:「…そうか…。よりによって、お前らでチェックメイトか。」


イオハロット:(M)ここ数ヶ月で、ギルドメンバー、並びにリベール市警、時にはリベール住民を手にかける事で有害指定されたギルド「有廷うてい」の解体。


劉淵:(M)無題の一件から、その模倣犯は増えた。どれもこれも殺害には満たない、軽犯罪を繰り返すセコい集団ばかりだったが。ギルドから正式に解体命令を出された準ギルドは「有廷うてい」で最後だった。


ワタリ:「…なあ。お前ら…」


イオハロット:「…っ…。なんでだ、ワタリ…!」


ワタリ:「…」


イオハロット:「……いいや。なんでなんてのは。聞かなくても分かる。分かっちまうよ。腐っても、3年一緒にやって来たんだ。…見付けたんだろ。意味を」


ワタリ:「…ああ。」


0:ワタリは雨の降る空を眺めている


ワタリ:「…助ける意味のある人間だけを。間引こうと考えたんだ。それを邪魔するヤツらも皆、消えちまえって。思った。」


イオハロット:「…」


ワタリ:「…全部。俺の為にやった事だよ。だからーーー」


劉淵:「俺達の為だろ。」


ワタリ:「…」


劉淵:「俺達が被る、意味の無い救済を。お前が引き受けてくれていたんだろ。ワタリ」


ワタリ:「…」


イオハロット:「…有廷うていの発足から。中央政府からの委託状は劇的に減った。リベール市警からのやっつけ仕事も減った。通りで最近、仕事が楽だったはずだ。」


ワタリ:「…。」


イオハロット:「…それが、お前の見つけた意味かよ…。」


ワタリ:「…。ああ。そうだ。」


イオハロット:「ーーーーー馬鹿野郎……ッ…!」


ワタリ:「…この世の中。馬鹿ばっかりだ。馬鹿げた世界に反抗するやつもいれば、それに則る馬鹿もいる。結局、皆。馬鹿だった」


0:ワタリは空を見ている


ワタリ:「…誰かの助けになりたかった。俺は弱いけど。正しく在りたかった。でも、どこに居ても、馬鹿しかいなかった。助ける意味を見失った。結局こんな俺も、馬鹿だ」


劉淵:「…」


ワタリ:「お前らは。無数にある誰かの意味に。どう応えるんだろうな。」


イオハロット:「…」


劉淵:「ワタリ」


0:劉淵はワタリの目を見た


劉淵:「お前は。俺達の仲間だよ。ずっと。」


ワタリ:「……」


イオハロット:「安心してくれ。私達は。支える篭手だ。」


ワタリ:「…やっぱ馬鹿だな、お前ら」


アカシ:(M)1986年。11月。有害指定ギルドリーダー。ワタリ・ヨシナガの執行を確認。


0:1ヶ月後

0:ギルド本部


受付:「…本当にいいんですか?」


劉淵:「ああ。」


イオハロット:「これは。私達3人で築き上げたものだ。」


劉淵:「その名を借り続けるのは。アイツに失礼というものだろう。形はどうあれ。俺達だけはアイツを、あのまま覚えていたい」


受付:「…分かりました…っ。それでは。」


0:受付は申請書に判子を押した


受付:「B級ギルド「ド朝天ドちょうてん」の解体申請を受理します。」


0:受付は書類を渡した


受付:「続けて、お二人の新規ギルド申請を受理します。」


0:その夜

0:キャリオンマウンテン


劉淵:「…。」


イオハロット:「やっぱりここに居たか、劉淵」


劉淵:「なんだ。やっぱり来たか。イオハロット」


イオハロット:「…あれから、もう三年か。」


劉淵:「…ああ。」


イオハロット:「これからは別々のギルドになるけどよ。」


劉淵:「…」


イオハロット:「私達も。ちゃんとしないとな。」


劉淵:「…は。」


0:劉淵は笑った


劉淵:「曖昧だな。」


イオハロット:「アイツだってそうだったろ。曖昧な不安にタメを張れるのは、曖昧な希望だけさ。」


劉淵:「…俺達はきっと。主人公とか、そういうのじゃあ無いと思うんだ。」


イオハロット:「…」


劉淵:「だから俺は。与えられた役割に応えられるように。しっかりと意味を選んでいくよ。」


イオハロット:「はは、深く考えないんじゃ無かったのか」


劉淵:「はは。大事な事だ。支える篭手である為にな。」


イオハロット:「ーーー応っ。」


劉淵:(M)ギルドは、停滞期へと突入した。


劉淵:(M)日々悪化する中央政府との因縁。


劉淵:(M)A級ギルドは不審な動きが続き、国家情勢も波乱を含んでいる。


劉淵:(M)俺に出来ることを。精一杯やった。支える篭手として出来る事を。精一杯。


劉淵:(M)とある日。面白い話を聞いた。


0:1991年。1月


受付:「…という訳でして。急遽ギルド試験を巻きで始めることになりました」


劉淵:(M)中央政府に喧嘩を売って尚生き残った男達が。今期のギルド試験に志願したらしい。リベールの空が割れたと言う噂で持ち切りだった。


受付:「引いては、劉淵さんとイオハロットさんに今期ギルド試験の試験官をお願い出来ればとーーー」


劉淵:(M)曇天を吹き飛ばす様な。新しい風の匂いがした。


0:二時間後

0:ギルド本部


ガロ:「うおおおおおおおっ!!どかーーんっ。」


0:入場ゲートを蹴破った


ジャイロ:「だぁあああらあぁたっ!」


ガロ:「間にぃ!!!」


ジャイロ:「合ったーーっ!!!」


ガロ:「はぁ…っ。はぁ…っ。今日の12時から予約してる!ガロンドール・ウォンバットだ!」


ジャイロ:「飯屋か。同じく、ジャイロ・バニングスだ。」


ノエル:「両名の監督役として同行している、ノエル・ベルメットです。」


劉淵:(M)激動は、常に産まれている。この瞬間にも、世界のどこかで、新しい風を吹き荒らす激動の子供達が誕生している。


0:時間は現在へ戻る

0:ノアの箱舟 甲板エリア


イオハロット:「ーーごふっ…。」


ジャガー:「向こうさんも勝負そろそろ着きそうやし。まあ、こんなもんやろ。」


劉淵:(M)いつだって。曇天を吹き飛ばすのは。新しい風だ。


ジャガー:「ギルドも中央もこんなもん。ははは、楽な仕事で何よりやわ。」


劉淵:(M)俺に与えられた役割が。今ここで。彼らが進む道を少しでも拓くことならば。


ジャガー:「ほな。さいなら」


劉淵:(M)それが俺の意味だ。


0:劉淵は立ち上がり鎖を回した


劉淵:「ーーーおぉぉおおおおッッ!」


0:鎖はジャガーの腕に巻かれる


ジャガー:「っっおぁ…!なんや!まだ戦う気力あったんかい!」


劉淵:「悪いが、俺のただ一人の同期だ…ッ!命に関わる手だしは無用で頼む…!」


ジャガー:「せやから、ここはそういう場所とちゃう、言うてんねん。」


0:ジャガーは劉淵の腹に触れた


劉淵:「ーーーッ…!」


ジャガー:「これは劇的な反撃物語とちゃうで。戦場に裸で向かってきたアホやお前らは。」


イオハロット:「こ、の…ッッ!」


0:イオハロットは引き金を引く


ジャガー:「Bomberボンバー


0:弾丸は爆ぜた


ジャガー:「はあん。それも分かっとらん奴が。何を救うっちゅうねん。ワイら相手にしとるんやぞ。命賭けんかい、アホタレ」


劉淵:「……。」


ジャガー:「…なんや?抵抗せえへんのけ」


劉淵:「…ああ。どう足掻こうと。それは死んでしまうだろう。」


イオハロット:「劉淵…っ!てめえ、ふざけんな…!」


ジャガー:「なんやなんや。案外覚悟決めとるやんけ。ええな。あの世でやってろや」


劉淵:(M)ーーー嗚呼。


イオハロット:「劉淵…っっ!」


劉淵:(M)死が、すぐそこにある。


ワタリ:『もう終わりか。劉淵』


劉淵:(M)…。すまない。ワタリ。


ワタリ:『そこで死んで満足か。』


劉淵:(M)意味を成して死んでいく。それはこの世に生まれて、最も幸福なことだろう。俺も、お前も。誰かの意味の為に。


ワタリ:『…。』


劉淵:(M)お前から託してもらった意味は。彼らに繋げる。それが俺の役割なんだよ。支える篭手として


ワタリ:『お前だけが支えるのか。』


劉淵:(M)…


ワタリ:『意味は誰の為にある。』


劉淵:(M)…


ワタリ:『所詮は自分を納得させる為の道具に過ぎない。』


劉淵:(M)…


ワタリ:『死に意味を残して、故知らぬ生者に意味を投げるのは。時に冒涜になる』


劉淵:(M)…はは。それを。お前が言うのか


ワタリ:『俺は自分の死に納得ができる意味を探したかっただけだ。俺の死に意味を見出して勝手に背負ったのはお前だ。』


劉淵:(M)…


ワタリ:『お前の意味は。誰の為にある』



モルポ:「うぉぉぉおおおおお!!!」


ジャガー:「あ…?」


ポルジッコ:「なんだァ。まだ他に居たのか」


アスカ:「…!」


ネロ:(M)助かった…!間一髪…っ。


イオハロット:「お前…」


モルポ:「絶体絶命の瞬間に現れる俺!全員の命を助けた俺!耳の穴かっぽじってそのスッカラカンの脳みそに叩きつけろバグテリアのボケ!!そう!俺が!!」


0:モルポの拳は震えている


モルポ:「モルポ!!モルポットだ!!!」


劉淵:「…」


モルポ:(M)ち、畜生〜っ。つい出てきちまった…!こんなクソ危ねえ、絶対無理ゲーステージに顔出しちまったあ…!あのまま隅っこで隠れてりゃあよかったもんを…!畜生ぉおっ。


ジャガー:「なんやねん。アイツ。足ガクブルやんけ」


ポルジッコ:「お前の出る幕じゃなかったなクソガキ。死にに来たか」


モルポ:(M)そうッすよねぇ〜!死にに来たみたいもんスよねえ〜!…でもっ。


0:モルポは震える膝を叩いた


モルポ:「ここに居る全員が命賭けてるってのにィ…!あのまますみっコぐらししてられるほどォ…!!」


劉淵:(M)…


モルポ:「男腐ってねえよぉおおお!!!」


ポルジッコ:「分かった。死ね」


モルポ:(M)あ。ダメだ。死ぬ。絶対死ぬ。


ポルジッコ:「120MAミリアンペア


モルポ:(M)終わった…!


ジャガー:「ほな。こっちも。」


ラインハルト:(M)対異常体執行術。無手勝流編。その一。相手が異常性を発動する前に


ポルジッコ:「VOLT(ボルーーー


ラインハルト:「叩くぅッッッ!」


0:ポルジッコの腹を蹴る


ポルジッコ:「ごぼォ!?」


ネロ:「…!」


アスカ:「お前…っ。」


ジャガー:「はぁ!?」


ラインハルト:「中央政府監察局。ロゼット・ラインハルト。グランシャリノ解体作戦に合流する。」


ネロ:「ラインハルト…!」


ラインハルト:「よお。ボロボロじゃねえか。だっっさ。」


モルポ:「あ、あれぇ。俺、生きてる…?」


ポルジッコ:「てめぇ…!」


ジャガー:「ロゼット・ラインハルト…!?なんでお前までここにおんねん…っ!」


ラインハルト:「中央政府は本件に全力の介入を選択したそうだ。私は一足先に乗り込ませてもらったよ。幸い、今ノアの箱舟周辺には謎の箱がうようよ浮いててなあ。まあ、つまり。」


0:ラインハルトは拳を鳴らした


ラインハルト:「誰でも侵入可能な足場があるって事。」


ジャガー:「くそ、ボケがァァァァッ!」


劉淵:「うぉぉおおおッ!」


0:劉淵は鎌をジャガーの腹に巻き付けた


ジャガー:「うっっぷす!?」


劉淵:「よく来てくれた中央政府の!何より、モルポ・モルポット!!」


モルポ:「えっ。俺っ?」


ポルジッコ:「ちィッ…!」


アスカ:「ああ…!君が稼いだ数秒は…!」


ラインハルト:「間違いなくこの場に勝ち星を流れ込ませた…!」


ネロ:「息合わせろよ、お前ら…!」


ラインハルト:「よく言うぜ、そんなボロ雑巾で…!」


ポルジッコ:「何処までも邪魔される…ッ!」


ジャガー:「お前ぇ…!離せやコラ…ッ!」


劉淵:「死んでも離さんよ!これは、俺の為にだッッ!」


ポルジッコ:「220MAミリアンペア


ネロ:(M)対


アスカ:(M)異常体


ラインハルト:(M)執行術…ッ!


ポルジッコ:「VOL(ボルーーー


0:3人は同時にポルジッコを叩く


ネロ:「じん発勁はっけいッッ!」


アスカ:「じん発勁はっけいッッ!」


ラインハルト:「じん発勁はっけいッッ!」


ポルジッコ:「ごぼォオ…ッッ!!?」


0:劉淵はそのまま鎖を振り回す


ジャガー:「うおぉおおおお!?」


劉淵:「だぁぁああああッッ!」


0:船に叩きつけられる


ジャガー:「がは…ッッ!痛っっったぁああ!お前マジでもう、許さへんぞドブカスこらァ…ッ!」


イオハロット:「よくやったぜ、劉淵…っ!」


ジャガー:「お前…!なんでまだ動けんねん…っっ!」


イオハロット:「さあな、私にも分からねえよ…っっ!」


0:発砲。ジャガーの腹へ命中


ジャガー:「がぼぉッ!?」


劉淵:「攻めるぞイオハロットっ!」


イオハロット:「合点!!」


ジャガー:「くそ、くそくそくそ、クソッッ!」


劉淵:「うぉぉおおおおお!!」


イオハロット:「はぁあああああ!!」


ジャガー:「くそボケがぁぁあああ!」


0:ジャガーは肩を割かれ、足を撃たれる


ジャガー:「ーーーげぼぉッ…!」


モルポ:「す、すげえ…。ヤムチャ視点だ…」


ポルジッコ:「…ああ。こりゃあ…」


ラインハルト:「さぁて。まだやるかい。」


ネロ:「悪いが、中央政府が介入した以上、私達も引く理由が無くてな。」


アスカ:「援軍も来る。俺達が束になろうとお前らを殺す事は叶わないだろうが」


劉淵:「命を賭けて時間稼ぎをする程度の覚悟はある」


イオハロット:「その上で。まだやるか。」


ポルジッコ:「ーー…はぁ。ここまでだ。」


ジャガー:「ふざ、けんな…ッ!コイツら絶対殺す…!撤退撤退ってェ、ふざけてんじゃねえぞ…ッ!」


ポルジッコ:「ジャガー。やめろ。」


ジャガー:「舐め過ぎやねんコイツら…ッ!まとめてドカンじゃ…!」


ポルジッコ:「ジャガー!!!」


ジャガー:「…」


ポルジッコ:「社長からの指示は、勝ち筋があれば乗る。無ければ降りる。俺はこの状況を見て。賭けに乗るタイミングじゃないと判断した。」


ジャガー:「殺せばいいだけの話しやんけ。そんな難しい話してへんねんカス」


ポルジッコ:「社命を遵守しろ。ジャガー」


ジャガー:「……。」


0:ジャガーは頭をかいた


ジャガー:「…はいはい。わぁーったわぁーった。社命を遵守します。」


ポルジッコ:「そういう訳だ。俺達はグランシャリノの一件からは身を引く。追うなら殺すが。どうする」


劉淵:「…。遠慮しておこう。」


モルポ:「え!?遠慮するの!?」


イオハロット:「さっき言った通りだが。こんな化け物共、足止めするだけで精一杯だ。」


劉淵:「生憎。まだ死にたくないもんでな。」


ネロ:「…はは。まあ、グランシャリノ解体がメインだからな。」


アスカ:「ああ。関係がないと言うなら、こちらも手は出さない。」


ラインハルト:「うーーん。まあ、変に手ぇ出してバグテリアまで敵に回すのはちィと頂けないしな。」


劉淵:「という訳で!帰れ!!」


ジャガー:「クソムカつく。まじで。クソムカつく」


0:ポルジッコは誰かと話している


ポルジッコ:「…はい。はい。では。帰投します。はい。ありがとうございます」


ジャガー:「社長ぉ、なんて」


ポルジッコ:「社長も撤退判断に賛同された。ナンバーズ、アストレアも今はフリー。相手取るには準備不足だそうだ」


ジャガー:「…はぁ。分かった。そんじゃあな。お前ら。いつか絶対殺す」


劉淵:「出来れば二度と接敵したくは無い、が。」


イオハロット:「ああ。その時は何度でも相手してやるよ。」


ポルジッコ:「行くぞ、ジャガー」


ジャガー:「はいよ。」


0:二人は船から降りた


モルポ:「えぇぇ…。本当にすんなり帰る…。いや、でも…!」


アスカ:「ああ。一先ずバグテリアの協力はこれ以上無いと踏んでいいだろう。」


ネロ:「はぁ…疲れた…」


ラインハルト:「はははは!なんだなんだ!情けないなあお前らは!」


アスカ:「黙れ」


ネロ:「うるさい」


ラインハルト:「久しぶりに会ったんだからもうちょい優しくしろ!」


劉淵:「…。」


イオハロット:「…劉淵。悪ぃが、私はここまでだ。」


劉淵:「いいや。俺もだよ。正直足腰立たん。左腕はもう駄目だろうな。」


イオハロット:「…はは。なんて清々しい顔してやがる」


劉淵:「…いいや。初めて、あいつの意味を理解できた気がした。」


イオハロット:「…そりゃあ…何より。」


ネロ:「…。私は彼らの救護に少し残る。」


アスカ:「ああ。俺もそうさせてもらう。今前線に向かっても足でまといにしかならなさそうだからな。」


ラインハルト:「レーヴェンシュタインに。オーダー。挙句グランシオラさんだしな。まあ、それがいいだろうよ。」


ネロ:「お前はどうする、ラインハルト」


ラインハルト:「私は下に降りてギャングと金持ちの援護だ。リベールも大概大人数動員されてる。ここに来たのはぶっちゃけ様子見に来ただけだしな。元気そうでなによりだよ」


アスカ:「そうか。悪いな」


ラインハルト:「いいやあ、死に急ぐなよ。」


0:ラインハルトは船の端に歩いた


ラインハルト:「またな!お前ら!」


アスカ:「ああ。また。」


ネロ:「またな。」


0:ラインハルトはくしゃりと笑い船を降りた


アスカ:「…さて。ここのメンバーで先に進めそうなのは…」


ネロ:「ああ。唯一無傷の君だけだろう」


モルポ:「…。」


0:モルポは辺りを見渡した


モルポ:「おれ!?」


アスカ:「君以外に誰がいる。」


モルポ:(M)ええええ!?何言ってんのこの人たち!いやいやいや!俺こそこの先行って力になれる事なんてないっての!馬鹿じゃねえの!?バッカじゃねえの!?ねえ!


アスカ:「?どうした。」


モルポ:「あ、いやあ〜!あ!いたた!ちょっと足が!足が!」


アスカ:「足…?捻ったか」


モルポ:「いやあ〜かもしれない!かもしれないス!」


劉淵:「モルポ・モルポット!」


モルポ:「ええ。はい」


劉淵:「ガロンドール一行に。宜しく言っておいてくれ」


イオハロット:「死ぬなよ。お前にはしっかりと礼がしたい。」


モルポ:(M)行く流れやんけ〜!ボケ〜!やってられるか〜いこんな一銭にもならんのに命なんか賭けられるか〜い!犬死が関の山!こんなもん美女にサービスでもして貰わねえとやってられねえよぉーい!


ネロ:「モルポ・モルポット」


0:ネロはモルポの手を握った


ネロ:「…私からも。ありがとう。格好良かったよ。」


モルポ:「行ってきます。」


アスカ:「え?足は?」


モルポ:「治りました」


アスカ:「え?」


モルポ:「行ってまいります。馬鹿ボケナス(あいつら)が、泣いて待っているので」


0:モルポは船の中へ消えた


アスカ:「はは。現金なタイプだな。」


ネロ:「大丈夫か。ギルドの」


イオハロット:「大丈夫じゃねえだろ。クソ痛えよ。」


劉淵:「情けないぞイオハロット!支える篭手たる者!いつでも強く在らねば!」


イオハロット:「お前さっきまでシンミリ顔しとったやんけ!」


アスカ:「…改めてだが。君達も。協力、感謝する。」


劉淵:「…」


イオハロット:「…」


アスカ:「…なんだ、その顔は」


0:二人は少し笑った


劉淵:「…ははは。いいや。元はと言えばこちら側の不祥事。協力してもらってるのは俺たちだと言うのに」


イオハロット:「ああ、存外。腐ってる所ばっかじゃねえって事だな」


アスカ:「何の事だ?」


劉淵:「いいや。こちらの話だ。」


ネロ:「救護班もフランス入りしたそうだ。まだ暫く時間は掛かるだろうが。一先ず安心してくれ」


イオハロット:「ああ。さんきゅな。」


劉淵:(M)…。アホレンジャーの一行。風は、拭いているよ。


0:劉淵は右腕を掲げた


劉淵:「行ってこい!!!ガロンドールの一行!!!」


0:ーーーー「冒険者達の午後 25章」ーーーー

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