歴史のテスト
歴史のテスト中、静まり返った教室の中に、筆箱のファスナーを閉める音が鳴り響く。
自分が賢く、すぐに問題を解き終わったということをアピールしているのだ。静かな中にタイミングすら分からず唐突にクラスで音を出した犯人を見つけることはできていない。事実、俺が問題を解き終わるよりも早くその音は鳴っているのだ。
俺は鉛筆の乗っかった自分の答案に目を通す。そして一つ間違いを見つけた。徳川家光を徳川家康と書いていたのだ。
俺は筆箱のファスナーを押さえながら開け、中の消しゴムを取り出して解答を書き直した。