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藤の花
私は藤の花が咲いているのを散策の途中で見つけた。
紫や白のニ色が華やかに、周りを彩る。
艶やかですらあった。
しばらくは見惚れていた。
風が吹いて、花房が揺れる。
この様が昔は美女の例えにも使われたようだが。
私は納得ができた。
花房が揺れる様子がまた、繊細さや優雅さを表すようだ。
私はまだ、見ていたかったが。
藤の花に胸中で別れを告げる。
惜しみながら、散策を再開した。
風にまだ、花房は揺られているようだが。
空を見上げたら、真っ青で澄んでいた。
深呼吸したら、甘い藤の花の香りが鼻腔をくすぐったのだった。




