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空の雲
ぼくはお空の雲を見るのが好きなんだ。
ふわふわしていて綿菓子みたいだから。
時折、雲の上に乗れないかなと思うよ。
お母さんにそれを言ったらね。
無理だなんて笑われちゃった。
何でと聞いても。
雲はスカスカしていて乗れないからだって。
そんなもんかと思ったけど。
ねえ、雲さん。
ぼくはいつになったら君のいる所まで行けるの?
今度はお父さんに聞いてみた。
お父さんはパイロットになったら良いと言ってくれたんだ。
パイロットならお空のうんと高い所でもヒコーキで行けるんだって。
よし。
決めたよ。
ぼくはパイロットになる。
そして雲さんに会ってみせるんだ。
雲さん。
待っていてね。