01*あひるとオレンジ頭
長くて黒い髪に
クールな目
そして
身長157センチ体重43キログラムの華奢な身体
性格は
見た目冷静沈着キャラで通しているが
内心は、、
それがわたし。
青柳瞳
16歳、一魅高校1年をやっている
といっても
まだこれから入学式なんだけど。
一魅高校はわたしの自宅から徒歩で行けるから選んだ。
学力は普通
運動神経も普通
そんなわたしが通える学校が一魅高校だけってのもあったりする。
ってなわけで
これから学校に出発だ
ブレザーにネクタイ
チェックの膝上スカート
どっかの学校とダブってんじゃないかって思うくらい一般的制服。
でもわたし的には
少し気に入っていたりする
瞳
「いってきます」
いってらっしゃい、なんてもう何年も聞いてない。
新品の黒いローファーが
足を動かすたびに
歩いている音を出す
これから毎日、登下校を繰り返すこの並木道
優しい風になびく木々
心地よい。
わたしは思わず目を閉じた
と、ふいに聞こえてきた
女の子の声。
目を開けると
わたしの数メートル先に
同じ制服をきた女の子たちが2人、歩いていた
真新しい制服
多分入学生だろう
2人の女の子たちは
楽しそうにおしゃべりをしている
わたしは
その女の子たちの笑顔に
ほほえましくなった
友達はひとりだけ
家族もひとりだけ
・・人じゃないけど。
わたしには
アヒルという動物がいれば生きていける。
人はこわい
アヒルはかわいい
わたしを癒してくれる
今日もわたしの携帯についているアヒルのキーホルダーが
わたしを守ってくれている
頭おかしいとか
自意識過剰なんてわかってるけど
わたしにはアヒルしかいないんだ
足を動かしていると
一魅高校の校門が見えてきた
大きい門にまだ作られたばかりの大きな校舎。
今日からここがわたしの学校か。
なんかわくわくだ
まぁ
友達は作らないけど
・・作れないだけだけど。
校門を通ると広がる校内。
ほんと広い
たくさんの生徒が玄関へと歩いていく
わたしもそれについていく
それにしても
やけにチャラチャラしてんのとか
きゃぴきゃぴしてんのが多いな
まさか
ここはそーゆーやつが多いの!?
なんか
この先が不安になってきた
とりあえず
校内へ入ってみた
やはり中も新しく綺麗だった
靴を履き替え、先に進んでみると
でかい紙が壁に貼ってあり自分がどのクラスになるのかが掲載してあった
わたしは・・・
1-A
らしい。
どんな人たちがいっしょなんだろ、、
まず表の前にいては邪魔になるのでどこう
各生徒が集まり次第
入学式が始まるため
それまでは各自教室で待機だそうなので
さっそく1-Aの教室にいってみよ
各学年4クラスあり
1年は一階の教室を使うらしい
1-Aは
一番端の教室だ
それにしても
掲載物がたくさんある
ほとんどが部活の部員募集ポスターだが。
部活か、何にはいろうかな
中学んときは
帰宅部だった
なにかしたいってわけじゃなかったし
あ
ここだ
1-A。
今日から1年お世話になる教室
わたしは
一歩、教室の中に踏み出した
と
その瞬間にざわつく教室内。
・・・・やだなー(--;)
なんか言われてるのかな
前を向けなくなった
こわい
みんなの視線がこわい
あひるちゃん助けて、
「ん?教室、入んねぇの??」
瞳
「ぁ、」
わたしは
入り口を塞いでしまっていた
わたしは
その人に頭を下げすばやくそこから動き
自分の番号が貼られてある机を探した
周りの音なんてきこえなかった
その人の顔すら見れなかった
内心心臓が飛び出そうなくらいドキドキしていた
なんかこれだけでつかれたな
家帰りたい
そんなことを考えながら
自分の机発見
一番後ろの窓側だ
よかった
一番前とかは人の視線がこわいから
だめだ
それにここは景色がいい
座ってみよう、
空が綺麗
気持ちが落ち着く
「なぁ!さっきはごめんなっ!びっくりしたか?」
そいつは
わたしの席の前に座っていた
いきなり声をかけられ
わたしは言葉が出ない
そして
なんなんだこいつは。
オレンジと黄土色がまざった感じの髪の毛
ワイシャツは全開で
赤のTシャツ
笑顔は・・爽やかだ
「なんか俺の顔についてる??」
こんな色の人間初めてみた
瞳
「・・・・。」
なんてしゃべれるわけねぇだろ!!!!
せっかくしゃべってきてくれたのうれしいけど
なんか企まれてたらいやだし
「んな警戒すんなって! あ、俺一ノ宮 爽って言うんだ。よろしくな」
名前と笑顔が合ってる人だ
この人、なんか悪い人じゃないかもしれない
爽
「お前は?」
瞳
「・・・」
声が震える!;;
爽
「お前ほんとクールなやつだな〜」
と、また笑顔。
って
こっちは必死で・・!
爽
「・・・大丈夫、俺そんな悪いやつじゃないから!」
また笑顔。
なんだろう
この人。
大丈夫、その言葉に安心した
爽
「手ぇ震えてる」
彼が指差す先には
わたしの手。
震えてた
感情が手に表れてたのか
爽
「クールなふりして実は慌てるタイプだろ」
今度は歯を出してニッて笑った
この人に丸解りされてる;
とりあえず
うなずいてみよ
爽
「ははっ!お前わかりやすいもん!」
わかってくれたのあなたしかいません;
こうゆう人間もいるんだなって初めて思えた
爽
「で?お前の名前は?」
わたしは
瞳
「青柳瞳。」
爽
「!」
――そういって彼女は優しく笑った
俺の頭から焼き付いて離れなかった。
あひるちゃん
わたしがんばるね