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六十七歩目 「縛られているのか?(IV)」

ドアの向こうから、会話がさらに聞こえてくる。




「とりあえず、私もその少女の捜索を手伝います。」


「そんなのどうやって………」


「あの人の能力……ご存知でしょう?それでも見当たらなければ、私の生誕魔法でも。」


「…………あんたが旦那様と組んでる意味が分かったよ。」


「とりあえず、連絡しますね。」


「さ、探してくれるのかい?」


「私たちにとって、そうした方が利益ですから。」


「ありがとうよ、じゃああの小娘を探しておくれ!」


「はい、勿論。」




エイトを……………探す?

三人は、事の重大さに気づいた。




「ねぇ、これ………私見つかったらやばくない?」


「皆を助けるために、教祖様は避けられないという話でしたが…………あの女性が偶然にも足止めになった。ということは………」


【早く皆を助けに行かなければ】


「みんなは奥の部屋!あっちだよ、急ごう!」




三人は、エイトを先頭に移動し始める。



エピンは、もう既に打開策を思いついていた。

しかし…………それは、エイトのキャンドラーを利用したものである。

エイトと時雨に魔法の効果を伝えるのは気まずいし、エイトを間接的とはいえ人殺しにするのは避けたい。


キャンドラーを、相手に死んで欲しいと思って使ったら、相手が死にたくなるのではないか?


エピンは、先程の説明を聞いて、そう感じたのだ。

しかしそれはただの仮説、その上あの女性が魔法を無効化にできる魔法を所持していたり、デュフォースで別の魔法を引き出されたりしたら、それこそできることがなくなってしまう。


今は、子供たちを助けるのが優先だろう。







「もしもし…………そうです、お願いできますか?……え?…………うん、後でならいい。調子に乗らないでくださいまし…………繋ぎっぱなしはダメ。」


「どっ、どうだい?」


「だ、大丈夫です……………取り敢えず他の子供たちに手伝わせましょう。侵入者が入ってきた場合は、連絡が来ます。何かが崩れたとのことですが、警察では内容ですし………」


「そうだねぇ、今回ばかりは頼らせてもらうよ。」




この二人も、エイトたちの行こうとしている…………子供達の部屋に向かうようだ。












その頃、メイとトルテも、エイトの元々いた街についていた。




「多分ここらへんにエピンさんと時雨さんはいる!!」


「わたくしの………生誕魔法は…………役に、はぁはぁ………立ったのでしょうか?」


「勿論ッス!本当に感謝しかありませんよ!!」


「わたくしの、ただただ応援する………はぁ、魔法がお役に立ったのなら、よかったですわ。」


「その ”エール” って魔法、どういう仕組みなんですか?」


「相手の行動を応援して、その成功率を大幅にあげる効果があります。例えば、料理が苦手な人を応援すれば、料理の成功確率が上がる……みたいな。かなり体力が持っていかれるから使える回数には限りがある上、自分自身には使えないんですけどね。………………今回はエピンさんと時雨さんを探しにいくために、お二人がどこに行ったかを当てる確率を上げてみたのですが………八割当たると言えど、ここまでの道のりがあっているかは保証できませんわよ?!」


「大丈夫ッスよ!なんとなくこの辺りにいる気がするし!なんか向こうの森に気配を感じるような気が………」


「ほ、本当ですの?」


「きっとなんとか…………なりますよ!きっと。」


「二割を引いたのではないかと不安ですわ……………………というか、あの子は一体誰だったんでしょう。親戚の子だったのかもしれませんわね。同じ王族だったり?」


「あの子?」


「はい、あの小さな女の子です。確か、エワルちゃんだったような…………」


「………ん?」


「え?」


「だ、誰ッスか……その女の子っていうのは。」

引き寄せられる何かに、いつの間にか縛られていた。

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