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百十五歩目 「姉妹喧嘩?(II)」

「……………今更やめてよ。」


「リア……?」


「今更やめてよ!!リアとノアがどんな環境で生きてきたか、何にも知らない癖に!!!リアは、あの日から、親から捨てられたことを受け入れて、必死に、ボロボロになりながら働いてた……………そんなリアに、勉強や遊びを教えてくれたのは誰だと思う?自分の立場を気にせずに、周りから守ってくれたのは誰だと思う?ママでもパパでもない、お姉ちゃんでも、ない。ノアだった!」


「…………………」


「ノアは、確かにリアを抑え付けた…………そして、リアはスタンツェ様に刻まれた。でも一つ言わせて、それを知ってるなら、なんで気づかないの?」


「何のことかしら。」


「リアが今、五体満足で生きてるのは何故?!」


「え………」


「救える確率がゼロに等しかったリアを、四日間何も食べずに、ほとんど寝ずに、救ったのは誰だと思ってるの?!十分な道具も無い、周りに誰もいない、そして自分にも原因がある…………お姉ちゃんは、こんな状況で人が救える?!?!」


「す、救ったなんていうけど、あの男に刻まれたも同然じゃない!!それに、たくさんの人間を殺したのに、リアだけ助けるなんて……!」


「だったらお姉ちゃんは、自分の全てを懸けて誰かを救ったことがあるの?!お姉ちゃんだって、見境もなく人を殺したのに!」


「それは………!!」


「それに、お姉ちゃんや皆が何と言おうと、ノアはエレノア家の人間なのだから、リアがノアと結婚できなかったなんて言えば、エレノア家は不信に思われるはず。」


「いい加減なことを言わないで!!どういう意味?!」


「そのまんまの意味。ノアはリアの従兄妹だもの。」


「さっきから何を言っているの?!」


「ノアはね、パパのお姉様、ステファーヌ叔母様の子供なのよ。目に一族の模様があるから言い逃れはできないし、髪の色も同じだって言ってたから。」


「嘘、あり得ない……………」


「それなら、ノアの目を見れば?」


「けど、叔母様は失踪してしばらくした後、一族の資格を剥奪されたわ!!だから、彼はエレノア家の人間じゃ………」


「パパの〔魔法で姉が火炙りにされたから死んだ〕なんて証言が、生死管理局に受け入れられるとは思えない。正式な後継になるための偽装工作って、言われてしまったと思うわ。だから、叔母様は失踪扱いになって、資格を剥奪されたのよ。でもその時既に、叔母様は亡くなっていた。死者である叔母様から、資格の剥奪はできない。そして長女から生まれたノアは、次男のパパより、継承権が上。その気になれば、エレノア家を崩せる。」


「ふざけないで!!そんなこと許されると思ってるの?!」


「………お姉ちゃん、法律に逆らう気?」


「この男は、存在事態が法律に違反している!父親と母親の出身国が異なる場合、死罪よ。」


「そうはならない。ノアは戸籍上、母の出身地が王国と記されてるから。」


「偽造なんて!そんなこと…」


「だったら、一族と王族の血をひくノアを殺していいの?」


「?!?!」


「一族の血と王族の血を否定するなんて、それこそ死罪。」




アリアもアリサも、とても険しい顔をしていた。

誰かから心配されるという素敵なことも、今のアリアには、ゴミに等しかった。







「こちらも、色々と話し合わなければいけないね。」


「何を……………は、話す?」


「エピン、もしかして………… @>〜¥% のこと、忘れてる?」


「……………………」


「どうしたの?」


「き、聞き、とれ………ない………」


「…………そっか。じゃあその話は、エピンがしたくなった時にしよう。」


「………あ、あぁ。」




エピンは、なんとなく頷く。

すると、エティノアンヌの柔らかい笑顔が、少しだけ硬くなった。




「リアにしたことは、覚えてる?」


「………………少し、だけ。」


「まずは、きちんとリアに謝るべき。機会があればリアのご家族にも。それは承諾して。」


「う、うん。」


「あと、私から謝らなきゃいけないことがある。私は、エピンにもう一人、兄がいることを隠していた。」


「…………?!」


「もう死んだから、気にしなくていい………とは言えない、かな。彼は私の相棒だったから。」


「……………」


「バグノーシアが君の兄だった。一度だけ、感情的になってみせたあの写真のような絵は……………それは気にしなくていいね、やめやめ。」


「………こわ、こ………かった…!」


「ごめんね、怖かったよね…………それで、話し合わなければいけないことは、これくらい?」


「母上の………」


「まだある?」


「はっ母………上の、話………」

うるさい、何も知らないくせに。

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