とある女の子との出会い
青い海が広がり気持ちの良い風が吹く。
周りを見渡しているとあることに気付く、自分が悩んでいる時などによく足を運んでた海辺と同じ場所だ。
視線の先には空港が見えるが海辺でも空港行きの電車が頻繁に行き来しているのを見る事ができるのだが一車両も通っていない。
海辺を離れ近隣を探索する。
やっぱり自分の知っている場所だ。大きな観覧車と近くには航空関係の学校があるし広いスーパーマーケットもある。
だが観覧車も動いていないし人もいない、何より音が無音状態だ。
聞こえるのは自分の歩いている足音だけだ。
結局誰一人と会うことがなくまた空港が見える海辺に戻ると自分がいた場所に自分と同い年ぐらいの女性が海を眺めていた。
「え?あなたは・・・」
こちらに気づいた女性はユウトを不思議そうにみつめていた、ようやく人に出会えたユウトも女性に話かける。
「あ、こんにちわ」
綺麗な黒いロングの髪に白いワンピースを着た彼女は驚いた様子だった。
「凄い、この世界で人と会えるなんて思ってもいなかった」
(この世界?何を言っているんだこの子は)
ユウトは顔を空に向け考えたり整理してたら女性は嬉しそうに話を続けた。
「お腹すいたでしょ、ついてきて」
すると女性は海辺を離れ無人のスーパーマーケットに向かい始めた。
その姿を追うようにユウトも彼女についていった。
「ここでまってて、今準備するから」
スーパーマーケットの中にあるフードコートのテーブルの椅子に腰をかけると彼女がカレーライスを運んできた。
「ごめんね私が朝ごはんで用意していた残りものだけど」
彼女は申し訳なさそうに言うとユウトは右の口角を上げ微笑み「いただきます」と手を合わせ用意してくれたカレーライスを口に入れる。
彼女がユウトの顔を照れ臭そうに見ていると視線を感じたユウトが笑顔で「めっちゃおいしい」と彼女に言うと嬉しそうに両手を口に置いた。
「本当?」
「本当にめっちゃおいしい」
彼女が喜んでいるとユウトの体が透け始めた。
「あぁ、やっぱり夢だったか」
「帰っちゃうの?」
ユウトの異変に気づいた彼女は不安そうな表情が顔に出ていた。その様子は言いたい事があるけど言えない様子のようだった。
「あ、わ、私・・・」
彼女が手を指し述べるとユウトも自然と手を彼女に差し伸べていた。
彼女の目からは涙が流れていてユウトはその顔を夢から覚める瞬間まで最後まで見て現実世界に戻って行った。
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