第5話
春、それは始まりの季節
両側に桜の木が植えてある学校の校門までの一本道。
通称『桜ロード』
「何故日本語と英語を合わせて言われているのか?」
「いっそのことどちらかに統一すべきではないか?」
という意見が毎年の様に挙がってはいるが、「くだらん。」の一言で消えてゆく。
そんなことなど知らない学生がその道を歩いている。
今日はこの学校の入学式、これから始まる高校生活に不安と期待が入り混じった独特の雰囲気の中、見るからにだるそうに歩いている少年とそれに対して少し距離をとって歩いている少年がいる。
「なぁ。」
「っ!な、何だ!?」
「距離を感じる。」
「き、気のせいだ!!」
「…。」
「ま、全くこれから入学式だというのに、やれやれ。全く寝起きの悪さは相変わらずだな。」
「寝てない。」
「何!?」
「寝かせてもらえなかった。」
「寝かせて?お前一人暮らしじゃなかったのか?両親が来たのか?」
「いや、増えた。」
「増えた?」
「寮の申し込み、忘れたんだって。」
「は?…まあいい、所で休みの日は何をしていたんだ?」
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…寝る起きる食べる便所風呂。
…不健康だぞ、その過ごし方。
…気にするな。
…やれやれ。
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「…冬眠。」
「冬眠!?」
「冬眠。」
「冬眠。」
「そっ冬眠。」
「冬眠、ね。」
それから暫く無言のまま歩いていると、見るからにだるそうな少年が何かに気がついた様に小さく「あっ」と声を出した。
「どうした?忘れ物か?」
「ああっとー、えーとー、何だ、今年もまあ、よろしく。」




