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Episode 79

「本当みたいね……」


 南の勇者パーティー三人が剣を持ち上げようてしていた様子をみていたアシュリーが呟いた。


「だから言っただろ? 俺がアシュに嘘をついたことあるか?」


「あるわ、数えれないほど」


「ですよね……」


 レイフォンの言葉に即答したアシュリー。


「そういえばレイ? この剣の名前はなんていうの? 不思議な剣だけど?」


「剣の名前か? 『炎の魔法剣エンファート』だけど?」


 剣の名前を聞いたアシュリーと一緒に話を聞いていた南の勇者パーティー三人は同時に驚愕の表情を見せた。


「エ、エンファートってあのエンファート!?」


「どのエンファートだよ?」


「で、伝説の魔法剣ですよレイフォンさん!」


 アシュリーの言葉に補足するように興奮気味に言葉を発したミカレ。


「ほ、本物なの?」


「本物だったら本当に凄いことだわ」


 シンメとトリー。


「伝説かは知らないけど、それは間違いなく本物の炎の魔法剣エンファートだ」


「信じられない……だけど……」


 実際に剣を手にして戦ったアシュリーには嘘のようには思えなかった。


「……これが本物のだとして、どうしてレイが持っていたのよ?」


 アシュリーだけではなく三人も気になる様子である。


「それは……」


「「「「それは?」」」」


 重なる声。


「個人情報保護法により教えられない」


(つか、面倒……)


「はっ?」


「えっ?」


「「個人情報保護法?」」


 四人は意味がわからい、そんな表情をしていた。


「とにかく、俺がどうしてその剣を持っていたのかは秘密だ」


「レイ! 私と約束ーー」


『あとでアシュにはちゃんと話すから』


 レイフォンはアシュリーの頭に直接言葉を送った。


「ーーうん……」


 大人しくなったアシュリー。


「確かに……そのような剣の入手先などそう簡単に話せるわけないですよね……」


「まっ、そういうことだ」


 ミカレは自分で納得したみたいだった。


 ミカレの話を聞いてシンメとトリーも納得を見せた。


「俺もそこまで驚かれるような剣とは思っていなかったからな」


「そうなの?」


「魔法剣なんてそこらじゅうにあるだろ?」


「ないわよ!」


「へっ?」


 マヌケな表情のレイフォン。


「レイ? それって本の物語のことを言ってるでしょ?」


「えっ、あっ、うん……」


 アシュリーの予想は正解のようだ。


「あっ、あのすみません……レイってそのバカというか……いや、実際バカなんですけど……常識がなくて……」


「い、いえ……」


 南の勇者パーティー3人は苦笑いしながらアシュリーの謝りに気にしていないと伝えた。


「お前は俺の母親か?」


「こんな息子は嫌よ。あと、お前って呼ぶなって言ったでしょ!」


「まるで……」


「姉弟みたい」


 呟いたのはシンメとトリー。


「ふふふ、仲が良いんですね」


 微笑み笑うミカレ。


「……レイは弟みたいなものなんで」


「こんな姉ちゃんは嫌だ……」


「何か言ったレイ?」


「いいえ、気のせいです」


 このあとも南の勇者パーティー三人は、レイフォンとアシュリーのやりとりを表情を柔らかくして見続けていたのであった。


 


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