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Episode 50

「レイフォン……アシュリーとの約束はいいの?」


「仕方ないだろ……」


「アシュリーはきっと怒るよ?」


「だろうな……けど……仕方ないんだ……」


「レイフォン……」


 アシュリーとの約束。


 それは、レイフォンがこの屋敷でアシュリーが帰ってくるまで待つとの約束。



 ではなく

 


「何をしてるのかしらレイは?」


「だから仕方ないんだよ……アシュが三日も帰って来ないから暇潰しにアシュの部屋を……って、あれ?」


 レイフォンが破ろうとしていたのはアシュリーの部屋に絶対に入らないという方の約束だった。


 そして、声をかけられ振り返るとそこにはアシュリーが立っていた。


 アシュリーの部屋のドアの前にいるのはレイフォンとアシュリーのふたりだけ。


(神様逃げやがったな!)


「で? どうしてレイは私の部屋のドアに手をかけてるのかしら?」


 アシュリーの目は笑っていない。


「ア、アシュリー様のお部屋を私目がお掃除をしようと思いまして……ですね」


「ふ~ん。暇潰しとか聞こえたのだけど?」


「言葉を間違えました。三日もアシュリー様が帰って来られませんので……そのですね……」


 動揺しているのかレイフォンはアシュリーに対して丁寧な言葉で話している。


「レイ? 貴方の最後の言葉はそれでいいかしら? それと……その喋りかた気持ち悪いのよ!」


 どこから取り出したのか、アシュリーは木剣を構えてレイフォンに振りかざしてきた。





「ヘルプミー神様あああ!!」


 アシュリーの容赦ない攻撃……お仕置きにレイフォンは悲鳴をあげたのであった。



 ーーーー



「世界最強は俺ではなくアシュなのかも知れない……」


「何をバカなことを言ってるのよレイは?」


 呟く傷だらけのレイフォンと優雅にお茶を飲むアシュリー。


「そういえばカシとヤンはどうしたの?」


「ああ、あいつらは精霊界に帰った。精霊は長い時間はこの世界には入れないらしいからな」


「へぇ~、そうなの? なら、もう会えないのかしら……」


 少し寂しそうな表情を見せるアシュリー。


「契約してるんだから魔法でいつでも呼び出せるだろ?」


「あっ、そっか」


 レイフォンの言葉でほっとした表情を見せたアシュリー。


「私と契約してくれた理由もちゃんと聞いてなかったから安心したわ」


「ああ、それはだな、神様がアシュに力を与えたからだ。アシュはどっかで強くなりたいとか願ったんじゃないか? それを俺みたいに神様が叶えたんだよ。それが精霊竜との契約につながったわけだ」


「そう、なんですか神様?」


 レイフォンの説明を聞いたアシュリーは神様に視線を向け話しかけた。


「えっ? あっうん……そうだよ」


「そうだったんですか!? 本当にありがとうございました神様」


 美味しそうにケーキを頬張る幼女神様に驚いてみせた後に、頭を下げて感謝を述べたアシュリー。


『これでいいのかいレイフォン?』


『ああ、ありがとう神様』


 アシュリーは視線をレイフォンへと変えて向けた。


「契約のことは神様のお陰だとわかったわ。なら次はレイフォンのことね。さあ、話しなさい」


「俺? 何をだよ?」


「とぼけないの。レイはどうやって"上級"魔族を倒したのよ?」


「上級魔族? なんだそれ?」


 アシュリーの言葉に首を傾げるレイフォンだった。



 

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