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Episode 45

「むっ?」


「姉貴どうした?」


「今、主の危険を感じたような気がしたのだが……大丈夫のようだ」


「主が?」


「ああ……だが、終わったみたいだ」


「終わった??」


 薄く笑みを浮かべるカシとわからないといった表情のヤン。


「……我らも残りの魔族どもを殲滅してさっさと"主達"に合流しなくてはな……行くぞヤン!」


「えっ? ちょっ、ちょっと待てよ姉貴! 終わったって何がだよ!」


 急いで残る魔族達を殲滅しに向かうカシと、それを追うヤンの炎竜姉妹であった。



 ーーーー



「ーーーーと言うことだからレイフォンは嘘はついてないし『世界最強』ってのは事実なんだよ」


「そう、なんですか?」


「そうだよ。あっ、もっちょっと右かなアシュリー」


「ここですか神様?」


「そこそこ、アシュリーは撫でるのが上手いね」


 改めて神様が説明を行い、完全ではないが少しは話を信じたようなアシュリー。


 アシュリーは神様に対して敬語で話している。


 子犬の姿の神様を抱いて撫でながら。


 神様は本当に気持ちがいいのか、アシュリーに撫でる場所を指定していた。


「なんとなくわかったわ。レイが神様が願い事を叶えたことによって"強く"なったっていうことは……それならもっと早く私に教えてくれてもよかったじゃない?」


「だから、覚えてなかったんだって……それにアシュはどうせ信じなかっただろ?」


「まっそうなんだけど……」


「アシュリー? 次は左の方をお願い」


「あっはい。神様」


 レイフォンとアシュリーの話の途中で、神様がアシュリーに違う場所も撫でるように要求し、それに対しアシュリーは応じて撫でた。


「神様? 説明ご苦労。もう消えてもいいからな」


「レイフォンはボクを都合のいい神様だと思ってるの? そんな風に見ていたんだね……ボクは悲しいよ、シクシク」


 アシュリーに抱かれたまま泣き真似をする神様。


「レイ! 神様に謝りなさい!」


「なんでだよ?」


「レイは神様にお世話になってるんでしょ?」


「そうだ! そうだ! レイフォン、君はアシュリーみたいにもっと神様に優しく、そして敬う気持ちをもったほうがボクはいいと思うんだよね?」


 アシュリーに守られ調子に乗る神様。


「なら、神様は俺にじゃなくてアシュリーに飼われればいいだろ?」


「そうだね。ボクはアシュリーに飼われてアシュリーのところの子になるよ」


「そうしろ。アシュリーならちゃんとブラッシングも散歩もしてくれるだろうしな」


「そうだね。ボクは散歩も大好きで…………って! ボクを飼うとか犬扱いするな! ボクは神様だ!」


 ようやく神様ではなくレイフォンに犬扱いされていることに気づいた神様。


「そっか……ならアシュ? 神様を離してやれよ? 犬扱いさるのが"嫌"みたいだからな」


「えっ? ご、ごめんなさい神様」


 アシュリーはゆっくりと神様を地面に下ろした。


「えっ? ち、違うんだアシュリー? ボクは別に嫌じゃなくて……」


「もしかして神様は犬の姿になってることをいいことに……なるほど……へぇ~……神様がね……」


「何よレイ?」


 考え込みような仕草のレイフォンにアシュリーが不思議そうに尋ねた。


「神様のこの姿は仮の姿なんだよ。だから本当は爺さんとかでアシュリーに抱かれて……その……感触とかを楽しんだり、な?」


「ひっ!?」


 レイフォンの話を聞き、さっきまでは神様を優しく抱いていたアシュリーの表情は、軽蔑するような目へと変わり神様を見た。


「えっ? ちょっと? 違うよ? ボクは別にそんなことはーー」


「神様……言い訳は見苦しいぜ」


 動揺というか困惑する神様にレイフォンは神様だけに見えるように不適な笑みを浮かべて見せたのであった。


(調子に乗るからだ)




お読み頂きありがとうございました。

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