表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/198

Episode 41

「うっ…………ここは…………はっ! アシュリーは? アシュリーはどこに?」


「勇者様、お目覚めになられましたか」


「ここは? それにアシュリー? マットとミミーは?」


 意識を失い眠っていたレオンは、ベッドから上半身を起き上がらせ声をかけてきた医者に尋ねた。


「ここは城の医務室でございます。マット様は……」


 レオンの左隣のベッドで上半身を包帯で巻かれ眠っているマット。


「腕は……我々にはたどうすることも出来ませんが命には別状はございません」


「くっ、そうか……」


 レオンは一瞬悔しそうな表情を見せた。


「ミミー様は頭を強くうち意識を失い眠っているだけでございます」


「ああ……そうか、良かった」


 右隣のベッドで眠る頭を包帯で巻かれたミミーを確認して、どうすることも出来なくベノムに足で踏まれていた時の状況を思いだし、苦々しい表情を見せるレオン。


「アシュリーは? アシュリーはどうしたんだ?」


「アシュリー様はご無事でございます。警備隊が申しますには意識を失っていた勇者様方を託されたあと、おひとりで中心部に走り去ったの事でございます」


「アシュリーは無事なんだな?」


「はい」


(あの状況でどうやって……だけど……生きていてくれて良かった)


 レオンはアシュリーが現れてすぐに意識を失っていた。


 ひとまずは安堵するレオン。


「なら、僕も急いでアシュリーの所に、ぐっ!」


「いけません勇者様。今の体では無理です」


 レオンの体はボロボロで、鏡に映る姿は全身包帯だらけだった。


「アシュリー様なら大丈夫です。何でも、魔族達を簡単に倒してしまうとてもお強い少女ふたりが現れたらしく。今現在はほとんどの魔族に魔人は殲滅されています」


「少女ふたり? 魔族達を殲滅? 簡単に?」


「はい。勇者様達のお仲間だと噂が広がっていますが?」


(どういう事なんだ?)


「そ、そうか」


 レオンにはわからない。


 だが、レオンはただ頷くだけだった。


 ーーーー


 明け方に目を覚ましたレゾナス。


 昨夜、余裕で滅ぼし終わると思っていたレゾナスは上機嫌に優雅にワインを飲みながら部下の魔族と魔人が人間を襲い、殺す様子を見ていたが、途中で飽きてしまって眠ってしまっていた。


 そして、レゾナスが起きて目覚める頃には予定通りに王都の街は滅んでいるはずだった。


 しかし


 確かに多くの人間の遺体は転がっていた。


 だが、魔人は全滅しており、部下の魔族達も残りは指で数える程度しか残っていなかった。


 信頼していた部下のベノムまでが殺されてしまってる状況にレゾナスは困惑していたのだ。


 レゾナスはベノムに取り付けていた魔道具から送られきていた映像を水晶で確認した。


 ベノムが死ぬ直前に見ていたものだと思われる映像。


 そこには二体の炎のドラゴンとひとりの少女の姿が映し出されていた。


「この人間の仕業か……」


 レゾナスは映像を確認した後に、冷たく呟き姿を消したのだった。




お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ