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Episode 22

「ち、違う!」


 剣を手放し一歩後ろに下がる冒険者。


「違う? 何がだよ?」


「そ、そうだ! 違うんだ! そのガキも魔族なんだ! だ、だよな?」


 冒険者は動揺しながら言い訳のように言葉を放ったあとに他の冒険者達に視線を向けて同意を求めた。


「そ、そうなんだ! そいつも魔族なんだよ! だから殺さないといけないんだよ! わかるだろ?」


 大量の血を流し倒れて意識を失っているアイラに、指をさし他の白いフード姿の人物に同意を求める冒険者。


 他の冒険者達は同意するように頷いている。


「そうか……なら俺も魔族だ。ほら、殺してみろよ? 魔族は殺さないといけないんだよな?」


「そ、それは……」


 低い声で冒険者達に話しかける白いフード姿の人物。


 冒険者達は何故だかわからないが、この人物には逆らってはいけないと感じていた。


 魔人化したルンは動く気配はない。


「ほら、早くしろよ? 俺は魔族だ。 ほら、殺しにこいよ」


「あ、あんたは魔族じゃない。だから、俺達と一緒に魔族をーー」


「黙れよ」


 冒険者は白いフード姿の人物を仲間に誘おうと考え提案しようとしたが話の途中でさえぎられた。


『レイフォン? 早くしないと少女が……』


『わかってる』


 白いフード姿の人物の正体はレイフォンであった。


「まっいい。見逃してやるからあんたらはこの場所から立ち去れ」


 神様に話しかけられた後にチラッとアイラを確認してから、冒険者達に言い放った白いフード姿の人物改めレイフォン。


「だけど……」


「だけどじゃねぇ! これは命令だ! 俺があんたらを消してもいいんだぞ?」


「「「「ひっ!」」」」


 冒険者達はレイフォンの威圧の効いた言葉にビビり逃げ去っていった。


 レイフォンの機嫌は悪い。


 自分自信でも理由はわからない。


 どうしてこんなにイライラするのか。


『そのまま行かせてよかっの?』


「大丈夫だ。あいつらには記憶改ざんの魔法はかけた」


「いつの間にそんな魔法を!?」


 姿を現しながら驚く神様。


「ん? さっきだけど? とにかくだ……まずはアイラだっけ? 治療しないとな」


「……そうだね。わからないけど魔人も襲ってくる気配はないしね」


「魔人ね……」


 魔人化したルンを確認してから、アイラの治療にとりかかるレイフォン。


 レイフォンの魔法によりアイラの体は光に包まれる。


 それから、巻き戻しされる様に左腕は元通りに治り、アイラの体は傷ひとつない状態の体に戻った。


「よし、これで大丈夫だろう」


「……」


「どうした神様?」


 神様は唖然としていた。


 レイフォンは「治癒魔法」ではなく時間を操る「時の魔法」を使ったからだ。


 この世界にはあるはずのない「時の魔法」をだ。


「な、なんでもないよ」


「そうか。なら、お次は魔人だな」


 神様はレイフォンに確認しようか悩んだが聞かなかった。


 そして、レイフォンは動かず呟き続ける魔人化したルンに目を向けたのであった。


「さて、どうするかな」


 


お読み頂きありがとうございました。

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