Episode 18
「つか、異世界知識って何の役に立つんだよ? 神様?」
「それは……」
「それは?」
「実はおまけはボクの何となくの思いつきだったから正直、役に立つかはよくわからないんだよね? テヘペロなんちゃって」
舌をペロっと出す神様。
そんな神様に少しイラッとするレイフォン。
「なあ? 神様?」
「何かなレイフォン? もしかしてキュートな可愛いボクにーー」
「世界最強とかいう力が神様でも消し去る事が出来るか試したいんだけど?」
「ちょっ! レイフォン? 目が恐いよ? ちょっと? やめようよ、ね? 話せばわかるから……ちょっと……って、体が動かないんだけど!?」
神様に迫るレイフォン。
そして……
「神様ヘルプミー!!」
神様は叫んだのだった。
ーー
「久しぶりの魔法を俺は、こんなしょうもない事に使ってしまった……」
「……なら、使わなくても良かったじゃないか! なんだい? このボクの額に書いてある文字は?」
神様の額には『駄目犬』と書かれていた。
「世界最強の俺が、神様のおまけの異世界知識で知った文字を魔法で書いた神様にびったりな意味の言葉だ。最低一週間は消えない。消せるもんなら消してみたらどうだ?」
実は神様の叶えてくれた願いは関係なくに魔法を使えたレイフォン。
レイフォンが魔法を使える事は誰も知らない。
幼馴染みのアシュリーさえも。
「レイフォンが魔法を使える事はボクも知っていたけど……こんな形でレイフォンが魔法を使うとはボクは思わなかったよ、って本当に消えないし!」
異空間から取り出した布を、前足で器用に使って額の文字を消そうとしている神様。
「神様はやっぱり知ってたんだな?」
「まあね。願いを叶える者の事は多少は調べてるさ。レイフォンを選んだ理由は教えられないけどね。それより? この文字を消してくれないかな?」
「なるほどな……それと、文字は消さないけどな、神様」
「ボク、神様なんだけど?」
「なら、自分で消したらいいだろ? 神様なんだから」
「ぐぬぬぬ」
レイフォンの返しに悔しそうな神様。
「ボクが今、あまり力が使えない事を君は知っているよね? これは立派な動物虐待だからね?」
「神様は自分が動物だって認めるのか? それなら消してやってもいいけど、その代わりこれからは神様とは呼ばずにポチと呼ぶけどな?」
「ぐぬぬぬ……あ~言えばこ~言うんだからレイフォンは!」
再び悔しがる神様。
「吠えるなポチ」
「誰がポチだよ! ボクは神様だ!」
「あっ悪い、ついな。謝るから、ほら、お手!」
「ワンッ!」
お手に反応してしまうポチ……ではなく神様と謝る気のないレイフォンであった。
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