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Episode 175

「この串焼きを十本貰おう」


「へい、まいど」


 ジャリック首都中心街。


 散歩するようにひとり歩き、時々屋台に立ち寄り食べ物を購入しているのはアッシューーーではなく、アッシュの体を奪ったミリベアスの父親でもある魔王。


「うむ、やはり食べ物は人間の国のものの方が美味であるな」


 元々は2メートルを超える図体にフードで顔を隠すといった怪しい身なりをしていた魔王。


 だが今は人間の、アッシュの体である。


 周囲から見れば見た目は普通の人間。


 元々の姿では怪しむような視線など受けけていた魔王。


 しかし、今はそんな視線など受ける事はなく普通に行動が出来ていた。


「そろそろ、ミリベアスの顔でも見に行くとしよう。…いや、だが、しかしもう少し人間の食べ物を食してからでもよいであろう」


 魔王は人間の食べ物、料理にハマっていた。


 使っているお金はアッシュのもの。


「これは何だ? 食べ物か? ひとつ、いやふたつ貰おう」


 購入したばかりの串焼きをあっという間にたいらげた魔王は新たな屋台を見つけ、また購入していた。


「うむ、うまい」


 魔王はこのあとも様々な屋台に立ち寄り色々な食べ物を購入しては食べまくったのであった。


 お金が尽きるのは時間の問題であった。


 ーーーーーー


 目覚めると暗い森の中に横たわっていた東の勇者カルカ。


「ーーーここは?」


 カルカは腰を上げ周囲を見渡した。


(確か…俺は女王様に会ってそれで…試練? そう、試練を授かり受ける事になって…)


 意外と冷静なカルカはどうしてこんな場所にいるのか、このような状況になっているのか考え思い出す。


「そうだ! 試練だ! ここはとか言ってる場合じゃない。俺は一刻も早く女王様のところへと戻り辿り着かなければならないんだ」


 ミリベアスから試練を受ける事になった事をはっきり思い出したカルカは勢いよく立ち上がった。


「俺には女王様からの罵倒、踏みつけ、その他諸々が待っているんだ! 俺にはグズグズしている時間などない!」


 やる気と気合の目。


 そして、必ず試練を達成してみせるとの強い意志と使命感を見せるカルカ。


「よし! 行くぞ! 待っていてください女王様! 俺は必ずこの試練を達成して見せます!」


 女王様と慕うミリベアスからの罵倒、踏みつけ、その他諸々な事を受ける為に東の勇者カルカは気合いを入れ歩きはじめた。


 タイムリミットは朝日が登るまで。


 国王に魔王討伐との命令を受けた時よりも本気のやる気に満ちたカルカの姿。


 果たしてカルカはタイムリミット内にミリベアスの元に辿り着く事が出来るのであろうか。


 この話に続きがあるかはわからない。


 ミリベアスはすでにカルカの事は覚えていない。


 だが、頑張れカルカ!

お読み頂きありがとうございました。

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