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Episode 171


 現在、 白いフード白い仮面姿のゼロとしているレイフォン。


 レイフォンは東の勇者カルカと向き合い話していた。


「はっ? 何を言ってるんだ? お前? そもそも、お前は誰だ? それに何だ? そのおかしな格好は?」


「俺の名前はレイ、じゃなくてゼロだ。あと、おかしな格好とか言うな」


「ゼロ? 俺は知らん」


「カルカ、ウェスタリア王国予選から勝ち上がってきた選手だよ」


 そばにいたペコが補足した。


「ん? そうなのか? だがそんなのどうでもいい。それよりも、あのお方の事だ」


 ペコに一旦視線を向けたあと、レイフォンに視線を戻したカルカ。


「おい! いいから俺にあのお方の居場所を教えろ!」


 とにかくミリベアスに会いたいカルカはレイフォンに強い口調で再び要求した。


「いや、俺今さっき教えないって言ったよな?」


 面倒臭そうなレイフォン。


「俺はイースラ王国の勇者だぞ」


「…いや、だから?」


「だから教えろ」


「断る」


 勇者だろうが何だろうが知らないレイフォンはカルカに即答で答えた。


「なんだと! 何故だ!」


(振り出しに戻ったんだけど?)


「そもそも、お前は何故あのお方を知っている! あのお方とお前はどういう関係なんだ!」


 諦めるとの選択肢のないカルカはレイフォンにミリベアスとの関係を尋ねた。


 関係と言われても困るレイフォンは悩む。


(俺とミリベアスの関係? う〜ん、何て答えればいいんだ? 妥当なのは仲間か? そうだな、仲間だな)


「俺とあいつの関係はーーー」


 レイフォンが妥当に仲間とカルカに答えよとした時だった。


「将来を誓いあった関係よ」


 先に誰かが答えたのである。


 話の中心人物ミリベアス。


 ミリベアスはどこからともなく現れ、レイフォンの隣に立っていた。


「そう。ミリベアスと俺の関係は……って!? 何でお前がここにいる!」


 ミリベアスが現れる事を予期していなかったレイフォン。


 少し気付くのに遅れたあと、驚きを見せた。


「ん? 呼ばれた気がしたからよ?」


 首を傾げながら冷静に言葉を返したミリベアス。


「呼んでねぇよ!」


 ツッコミを入れたレイフォン。


「じょ、女王様ぁあああ!」


「ミリベアス姐さん!」


 まさかのミリベアスの登場に歓喜するカルカとペコ。


 カルカは何故か頭を床につけて土下座姿勢?


「あら? いつかの気持ち悪い勇者じゃない。それと……誰だったかしら?」


「ペコです! ミリベアス姐さん!」


 キラキラと目を輝かせながら答えたペコ。


「……思い出したわ。気持ち悪い勇者のそばにいたちっこいのね」


「き、気持ち悪い……ふへへ」


 気持ち悪いと言われて顔を嬉しそうにニヤつかせている気持ち悪いカルカ。


「ミリベアス! どうして貴女がここに現れたのよ!」


 ミリベアスに声をかけたのはアシュリー。


 南の勇者ミカレ達三人は状況がわからず傍観状態。


「アシュリー? それはさっき言ったじゃない。将来の旦那様がわたくしを求めていた気がしたからよ。いかなる時でも旦那様の要求に応じるのが妻の勤め。当然じゃないかしら」


 当たり前のように普通に答えたミリベアス。


「ちょっと待て! さっきと言葉が違うし、ややこしくなるような事を言うな!」


「そ、そうよ! 何を言ってるのよミリベアス」


 ミリベアスの登場に面倒な予感しかしないレイフォンとアシュリー。


 何を言い出すかわからないミリベアスにアシュリーは動揺気味。


「まっ、いいじゃない。それよりもーーー」


 簡単に言葉を返したあと、ミリベアスはレイフォンにだけ聞こえるように小さく囁いたのであった。


「ーーーお父様がこの国に来ているわ」


「は?」


お読み頂きありがとうございました。

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