Episode 166
中立国ジャリック。
三大国、ウェスタリア王国、イースラ王国、サウザトリス王国の中心に位置する小国。
今回、世界武道大会本戦が行われる国。
ジャリックには本戦に出場する三大国の予選で勝ち上がった各四名、計十二名の参加者、選手達が集結していた。
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●ウェスタリア王国
☆アシュリー・テンペリス♀
アッシュ♂
アーニャ・クロイック♀
ゼロ(レイフォン)♂
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●イースラ王国
リンド・バイエル♂
☆ペコ♂
ラジン・シュナ♂
カルトナ♀
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●サウザトリス王国
☆シンメ・ホワイト♀
☆トリー・ホワイト♀
アリア・ラクアラ♀
マヤ・セゾン♀
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選手十二名のうち四名(☆マーク)は勇者パーティーメンバー。
この四名が優勝候補と注目されていた。
一番の注目選手は英雄の女神ことアシュリーである。
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中立国ジャリックには選手の他にも三大国の勇者達も集結していた。
西の大国ウェスタリア王国勇者レオン・アインヘルム。
東の大国イースラ王国勇者カルカ。
南の大国サウザトリス王国勇者ミカレ・バレンタイン。
三大国の勇者が揃うのははじめての事だった。
そんな一同は現在、ジャリックの城に集まっていた。
「よし、そろそろ帰ろうアシュ」
「どこに帰る気なのよレ、じゃなくてゼロ」
城では本戦に勝ち上がってきた選手達を歓迎、労うパーティーが行われていた。
選手であるアシュリーとゼロ(レイフォン)はもちろん参加している。
そして、ジャリックの代表者の挨拶、乾杯の音頭の直後に早々と帰ると言い出したゼロ。
そんなゼロのマントをアシュリーはにこやかな表情で掴んでいた。
笑っていない目で。
「帰る! 俺はお家に帰る! この場所にいたら面倒な事に巻き込まれる気しか俺にはしないんだよ!」
駄々をこねるゼロ。
「だからって私を置いて帰る気なのレ、ゼロは?」
アシュリーはまだ呼び方になれていない。
「いや、アシュなら大丈夫だろ? 貴族なんだし。俺は普通の平民だ。こういう真面目そうなパーティーとか無理だし。つかマジ面倒だし」
普通でもないし、本当は王子のくせにと思ったアシュリー。
ちなみにミリベアス、マリベル、神様の三人はこの場にはいない。
「だから何よ。私だって本当は早く帰りたいわよ。でもーーー」
ゼロとアシュリーが言い合いをしている最中にとある人物達が話しかけてきた。
「お久しぶりです。アシュリーさん」
「「アシュリーさんお久しぶり」」
その人物達とは南の勇者ミカレとそのパーティーメンバー双子の姉妹シンメとトリーであった。
お読み頂きありがとうございました。
他の国の予選を書くか迷いましたが内容が浮かばなかったので断念しました。
とにかく、久しぶりのキャラクター達の登場です。