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Episode 127

 レイフォンがミリベアスに対して「なんでもしてやる」と言って了承し答えたあと、まだ、鬼ごっこ開始まで時間があったので、レイフォン達六人は一緒に広場の屋台を見てまわっていた。


 代金は今はスイッチが切れている、それでも機嫌がいいことはかわらないレイフォン持ちであった。


「おじさん、この串焼き6本ください」


「あいよ。レイフォン、今日の鬼ごっこは頑張ってくれよ。俺はお前が逃げ切る方に賭けてるんだからな。ほら、一本おまけだ」


「ありがとうございますおじさん。安心してください。俺は逃げ切り勝ちますから」


「おう、頼んだぜ」


 顔見知りの屋台の男性に代金を払いながら笑顔で言葉を返したレイフォン。


 幼い頃から育った街と言うこともあり、屋台の男性だけではなく、ほとんどの人達が顔見知りであった。


 それはもちろんアシュリーも同じであり、アシュリーはレイフォンが串焼きを購入している間、うしろの方で人々に囲まれていた。


 街に帰ってきたことへの歓迎の言葉や鬼ごっこでの応援の言葉などをかけられていたのである。


「ーーあっはい、ありがとうございます。頑張ります。えっ? サインですか? それはちょっと……あっ、おばあちゃん!? ちょっと、拝まないでください! そこの人も、貴方も!」


 アシュリーは大人気であった。


「流石は英雄の女神様は大人気だな?」


 レイフォンは串焼き持って、アシュリーから離れている四人のいる場所に着くと、そう話しかけた。


「わたくし達も巻き込まれそうだったから、人がアシュリーに集まりかけた時にすぐに離れたわ」


「アシュリー大人気ですね」


「アシュ姉さん凄く困ってる」


「わたしもおがむ! なんまいだぶつ……」


「ルン? それはなんか違うぞ? ほら、それより買ってきたぞ」


 レイフォンは四人に串焼きを一本ずつ手渡した。


 ルンにはしゃがんで手渡すレイフォン。


「まだ、熱いから気を付けて食べろよ?」


「うん! ありがとうレイお兄ちゃん!」


 元気に笑顔で礼を述べたルン。


「よし。食べ歩きながら他の屋台も見てまわるか」


「アシュ姉さんはいいの? レイ兄さん?」


「仕方ないだろ? あれは人気者の宿命ってやつだ。あいつには悪いが俺達だけでまわろ。ほら見ろ? また人がアシュに集まってきてる」


「それにしても本当に凄い人気ねアシュリーは?」


「まっ、あいつは元々人気だったからな」


「では、人が集まって来ないレイフォンさんは嫌われているんですね」


「どうしてそうなるんだよ……」


 マリベルの言葉にレイフォンは苦笑いをした。


「レイお兄ちゃんは嫌われているの? でも、わたしはレイお兄ちゃんのこと好きだよ」


 話を聞いていたルンが、首を傾げながらレイフォンの顔を見上げ言ってきた。


「ありがとなルン」


 そんなルンの頭を微笑みながら優しく撫でるレイフォン。


「お前がまた変なことを言うからルンに気を使わせたじゃねぇかよ」


「私はただ思ったことを言っただけで、それにレイフォンさんには変だなんて言われたくありません!」


「はっ?」


(何を言ってるんだこいつ?)


 自分がスイッチの入った時の発言は振り返らないレイフォンであった。



 その頃、アシュリーはというと


「おら! 全員ちゃんと並べ! そして握手をしたらすぐにズレること、いいな?」


 何人かの街の人達が仕切りはじめ、即席の握手会がはじまろうとしていたのであった。


 アシュリーの表情はひきつっている。


(どうしてこんなことになってるの。てゆうか、レイ達は何を知らないふりして楽しそうに話してるのよ!)


 離れた場所にいるレイフォン達が見えたアシュリーにはそう見えていた。


「ではアシュリー様、はじめさせていただきます」


「あっ、はい……」


 仕切るひとりの男性に言葉をかけられたアシュリーは渋々と頷いた。


 このあと、アシュリーは30分ほどの握手会をすることになったのであった。



お読み頂きありがとうございました。

21日付けの週間ランキングで1位にランクインさせて頂きました。

読者様、ブックマーク、評価をポイント付けて頂いた皆様のお陰です。

本当にありがとうございました。

日間ランキングで1位になった時は混乱していて感謝をちゃんと伝えることが出来ていなくてすみませんでした。


場違いだとは思いますが、この場を借りて感謝を今回のと合わせて述べさせて頂きます。


心から感謝致します。本当の本当にありがとうございました。


そして、これからもどうぞ宜しくお願い致します。


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