Episode 125
屋敷の大浴場。
アシュリー達五人の女性達は大きな風呂に気持ち良さそうに浸かっていた。
正確にはひとりは泳いでいるのだが。
バシャバシャバシャっ
楽しそうに泳いでいるのはルン。
「ーーーーあっ、ごめんなさいアイラお姉ちゃん」
アイラの胸にぶつかり謝るルン。
「どうしてルンは私の顔を見ないでわかるのかな?」
「だって、お姉ちゃんのはメロンでもスイカでもないからすぐわかるよ?」
首を傾げて答えたルン。
「そ、それはどういう意味かなルン?」
アイラの表情はひきつっていた。
「だって、ルンお姉ちゃんはわたしといっしょでペッタンコなんだもん」
ルンの胸を見て自分の胸を確認するように見るアイラ。
「わ、私はまだ十歳なの! 私だって二、三年後にはあんな……」
アイラは、ミリベアス、アシュリー、マリベルの順番に視線を向けた見た。
(スイカ、メロン、スイカ……)
流石にあそこまで成長するかは不安になったアイラ。
「アイラお姉ちゃん?」
「な、なにルン?」
ルンに視線を戻したアイラ。
そんなアイラにルンが顔をしっかり見つめて笑顔で話しかける。
「大きさだけがすべてじゃないよ。だから、がんばってアイラお姉ちゃん」
わかって言っているのかはわからないが、ルンの励ましの言葉にアイラは心にダメージを受けてたのであった。
(とこでそんな言葉を覚えてきたのよルン……)
ーー
一方のメロンとスイカ達。
メロンはスイカふたりの……ではなくアシュリーはミリベアスとマリベルの胸に視線を向けチラッと見たあと自分の胸を触りため息をついていた。
「アシュリーどうしたんですか? ため息なんてついて?」
「レイフォンがわたくしに捕まらないか心配しているのね?」
「あっ、いやそうじゃなくて……」
胸を比べて少し落ち込んでたとは言えないアシュリー。
「なら、どうしたんですか?」
「な、なんでもないわ……気にしないで」
「レイフォンは物凄く変だけどアシュリー、貴女もちょっと変よ」
「アシュリー、もし悩みがあるなら相談してくださいね」
胸をもう少し大きくしたいとは相談できないアシュリー。
というかアシュリーも十分な大きさのはずなのだが、対象がスイカのためにそう思ってしまっているのである。
それと、レイフォンが胸の大きな女性が好きだとアシュリーが勝手に思ってるふしもあるからだ。
「ありがとう。けど本当になんでもないのよ」
「そう、ですか」
首を傾げたマリベル。
「そいえば、マリベルの胸、わたくしと同じぐらいかしら?」
唐突にマリベルの胸を見てから自分の胸を確認しはじめたミリベアス。
「え? 急にどうしたんですかミリベアス?」
「見て思っただけよ。というかどうしてマリベルは胸を隠すのかしら? 女同士なんだから隠さなくてもいいでしょ?」
胸を両手で抱き締めるように隠し、顔を赤らめ恥ずかそうな表情を見せているマリベル。
「そ、そう言われてもミリベアスみたいそんなににじっくり見られたら女性同士でも恥ずかしいんですぅ!」
アシュリーももちろん隠している。
「そうかしら? それで、どうしてアシュリーまで隠しているの?」
当然、隣にいるのだからミリベアスはアシュリーも胸を両手で隠していることに気づいた。
「わ、私のことは気にしないでミリベアス」
恥ずかしそうというか動揺しているように言葉を返したアシュリー。
「ん? やっぱり変よアシュリー?」
そんなアシュリーを見てミリベアスは首を傾げた。
(お願いだから胸の話をしないでよ……)
アシュリーは心の中でそう思っていたのであった。
アシュリーの悩みはアイラからすれば贅沢な悩みである。
頑張れアイラ。
負けるなアイラ。
たぶん……成長するはずだアイラ。
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