0プロローグ
この小説……ジャンルを何にするか凄く迷いました。SFにするかその他にするか、まぁ最終的にはファンタジーにしました(笑
人工自然。
そんな矛盾した言葉が当たり前の様に使われる時代。
平均寿命120歳。
こんな人間の限界を超えている事が普通である時代。
2XXX年。
――それが僕達の生きる時代だ。
ピピピピッと不快なリズムが少年の眠る部屋に響き渡る。少年は不機嫌そうに、四角いカプセルの様な物の中でモゾモゾと動き、そしてカプセルの中から小型のスイッチの様な物を押した。
すると不快なリズムは消え、部屋に静寂が訪れる。
「さて、もう一眠りしようかな……て、やっばい!今日は……」
少年はガバッと勢い良く起き上がる。しかし、カプセルの頭上に頭をぶつけてしまい、少年はそのまま気を失ってしまった。
しかしそんな少年を再び“あの”不快な音響が襲う。ピピピピッ――ピ。
「助かったよ」
少年はカプセルの中からスイッチの付いた小さなリモコンの様な物を手にしながら呟いた。少年はそのリモコンに付いているもう一つのボタンを押した。
するとカプセルの天井が開き、少年は体を起こした。
「あぁ〜今日は“エアスクーター”のテストだからな。絶対遅刻は出来ないよ……急がなきゃ」
少年は独り言を呟き、服を着替えた。制服の様な服に着替え終ると、少年は部屋の隅にある窓を開け、軽く見ても5mはありそうな高さだが、なんの躊躇も無くそこから飛び降りた。
「よっ、とぅ」
着地と同時に履いていた靴から白い煙が吹き上がり、靴の中で何かが回転する。それが少年の足にかかる負担を減らしたのだろう。
窓から飛び降りた事を少年はさぞ当たり前の様に振る舞い、横に置いてあるスクーターの様な物に近付いた。
驚くべき事にそのスクーターはハンドルの部分に手を触れただけでエンジンがかかった。しかし、最も驚くべき事は、少年がそのスクーターに股がり、発進すると……なんとそのスクーターが宙に浮いたのだ。
しかし少年はそれすらも当たり前だと言わんばかりに、なんの反応も示さず、慣れた手付きで運転していく。
「あぁ〜間に合うかなぁ?」
少年は宙に浮くスクーターを駈りながら、右腕にはめている時計を見た。
少年は少し焦った表情を見せフゥ〜と、息を吐いた。そして次の瞬間、スクーターを思いっきり上に傾け、アフターバーナーで急上昇した。
そして少年は下を見る。
こんなに高くは飛んでいないが、自分の他にも空飛ぶスクーターや車が何台も行き来し、道路を囲む建物はどれも滑らかな曲線を描き、四角く何処か他を拒む様な造りと違い、優しさ醸し出す。
他にも空中に屋台みたいな物が沢山飛んでいて、ドライブスルーの様に空飛ぶスクーターや車に乗る人達がそこから何かを買って行く。
少年にしてみれば、こんなものは当たり前だ。
少年は持っていた鞄から何かを取り出す。それはゴーグルの様な形をしている、と言うよりゴーグルだ。
「さて、じゃ飛ばすかな」
それをゆっくりと頭にまわし、ゴーグルをかけ……少年はアクセルを全開にした。
前書きでジャンルを悩んだと書きましたが、実はプロット作りが一番大変でした……まぁ矛盾を起こさないなんてのは当たり前ですが、この話はなるべく丁寧に作りたかったので、結構時間をかけました。
あと、僕はもう一つ小説を連載させて貰ってますが、あっちは非常に長い話になる予定で、更に話を良く考えていなかったので、暫く此方を書いて、次の展開が思い付いたらもう一つのを更新するという風にやって行きます。
適当で申し訳ありませんが、もしよろしければこの話の最後までお付き合い下さい。