すべての始まり
―――ドイツ・ベルリン―――
トントン
規則正しい音が部屋に聞こえた。
「入れ」
「失礼致します」
ドアから現れたのは軍服を身にまとった兵士だった。
「例の準備が整いました」
兵士は緊張したおもむきで言った。
「フッ、いよいよだな、同士よ」
革張りの椅子に座り、巻きたばこを吸っている男は言った。
「はい、左様でございます。ミスターキーロフ」
そう言って、2人はその部屋をあとにした。
「ついにこの時が来たのか…、おい、準備の方はどうだ?失敗は許されんのだぞ」
「はッ、閣下、準備は万全。各放送機関への伝達も完了。衛星放送もハイジャック完了です」
コンピュータを操作する一人の兵士が緊張気味に言った。
「そうか、では始めよう、我々の理想郷を作るべく」
キーロフはニヤリと笑った。そして、隣にいる男に目を合わせるとケースを持ってきた。
「よくやった同士セルゲイよ」
「これを手に入れるのには時間がかかってしまいました。申し訳有りません」
背の高い紳士的な男はそう言った。
「気にするは、まもなく世界は我々の物となるのだから、といってもまずはロシアからだ同士よ」
巻きたばこを取り出し火をつける。
「よし、では始める」
そう言って兵士に合図を送った。
「ふっうん、あー、あー、ロシア政府諸君。こんにちは」
―――ロシア国防省―――
「おっおい、どうなってるんだ、いEU加盟国が我が国に宣戦布告だとぉ」
「は、はい。いま大統領に連絡を入れています」
「そそれと…」
「なっなに軍事し、システムが乗っ取られただとぉぉ」
「ま、まずいことになったぞ…」
「参謀総長、お、お電話です」
「誰からだ」
「分かりません、ただ『大事な話』があると」
「かわれ」
「フッ、君が参謀総長か、お話できて光栄だ」
「きっ貴様は何者だ」
「おっと、これは失敬。私の名はキーロフ、アドミラール・キーロフだ」
「我々は今日をもってEU加盟国を解散しそこに新たな国を作ることにした」
「つまり、建国したとでも言いたいのか?」
「ああ、そのとうりだ」
「まあ、このお話は置いといて、戦争の話をしよう」
「くっ君たちだったのかシステムを乗っとたのは」
「御名答、さすがだ」
「先日、君たちから『あるケース』が消えたようだな」
「ま、ま、まさか貴様の」
「そうだ、そういうことなんだよ」
「君たちの核ミサイルは我々のものになった」
「まあ、くれぐれも我々を怒らせない様にすることだな」
「き、貴様」
ガン、気付いたら力いっぱいに机を殴っていた。
「フゥ、これでロシアは完了だ」
「中国はもう我々の支配下か…」
「と言うことは‥次は日本か」
「フ、ハハハハハハハハ」
続く