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ゲーム配信者とアイドルの恋  作者: りんぴろ
第2章 アイドルへの階段
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58話 すれ違い

星が群馬に行ってから2カ月が過ぎようとしていた。

ある金曜日の夜、祐樹の部屋で祐樹はスマホを見ていた。

「また朝に送ったLINEが既読になっていない。」

「群馬に行った直後は、頻繁にLINEのやり取りや電話で話していたのに、最近は声も聴けてない」

「どうしたんだろう?」

「何かあったのかな?」

祐樹の不安が一気に高まる。

「そう思いながらも自分は何もできないって思っていた。」

そんなことを考えていると、既読マークが着いた。

「あっ既読が着いた。良かった。」

既読が着いたものの返信は待っても来なかった。

1時間ぐらい待っただろうか?

「結局今日も返信なかったかぁ」

「本当に大丈夫かなぁ」

「明日電話してみよう」

そう言って祐樹はベットに入った。


その頃星は病院にいた。

星は、毎日学校が終わってから直ぐに病院に行っていた。

その後お母さんと合流し、22時頃に家に帰ると言うのが習慣になっていた。

学校でも放課後に残ることがなかったため友達もあまりできないでいた。

お父さんのためと思いながらも、そんな生活に疲れが出て来ていた。

1人になるとため息が出ていた。

体重も減って、体力も少し低下していた。

正直限界に近付いていた。


家に帰って自分の部屋でスマホを見る。

「あっ祐樹から・・・」

「そう言えば今日は一度もスマホを見ていなかったなぁ」

「返信しなくっちゃ」

そう言うとスマホのLINEを開いた。

「星、お風呂に入っちゃって!」

お母さんからの声が聞こえた。

「はーい」

星はスマホの電源をオフにして、お風呂に向かった。

お風呂から出ると、お母さんがリビングで寝ている。

「お母さん、そんなところで寝たらだめだよ」

「あー星、お母さん寝っちゃってたんだね」

「やっぱり疲れてるんだよ」

「そうだね」

「星も疲れてるんじゃない?」

「私は大丈夫だからお母さんは寝室で寝て。洗い物は私がしとくから・・・」

「ごめんね」

そう言うとお母さんは自分の寝室に寝に行った。

洗い物、洗濯を終えて星が自分の部屋に行くと、1時になっていた。

星はベットに横になるとそのまま寝てしまっていた。


次の日の土曜日、星は朝から病院に来ていた。

お母さんは仕事に出掛けるため、土曜日は星が朝から病院に行くって決めていた。

病院では、お父さんの同僚の人などが休日にはお見舞いに来てくれる。

その日も上司の方が来ていた。

「お父さんは職場では人一番頑張っていたんだよ」

「そうなんですね」

「私は高校に入ってからは別で暮らしていたから、お父さんの最近のことわからないんです。」

「そうですね、根元さんからそう聞いています。」

「もし、仕事に復帰出来たらその時は一度職場に見に来てくださいね。」

「わかりました。ありがとうございます。」

「では根元さん、また来ますね。」

「部長、ありがとうございました。」


上司の方が帰るので、エレベータ前までお見送りをしに行った。

「本当に大変ですね。何かあったらいつでも声を掛けて下さいね」

「ありがとうございます。」

そう言うと丁度エレベータの扉が開いた。

「では失礼します。」

「わざわざありがとうございました。」と頭を下げた。

星が病室に戻ろうとすると、星のスマホに着信が入った。

スマホの画面を見ると祐樹と表示されていた。

「祐樹・・・」

スマホの通話ボタンを押そうとすると

「根元さん!」

「はい」

「少し時間宜しいですか?」

主治医の先生から声が掛かる。

星はスマホをポケットにしまった。


祐樹は思い切って星に電話を掛けた。

迷惑かな?と思いながらも声が聴きたかった。

何回か呼び出し音が聞こえたあと

「ただいま電話に出られません。ピーと言う発信音の後に・・・」

祐樹は電話を切った。


祐樹は星との距離が遠くなったと実感した。

それからは星にLINEを送ることが出来なくなってしまった。

星も祐樹からの連絡が来なくなったって実感していたが、原因は自分にあるってわかっていたため自分から連絡が出来ないでいた。


祐樹からのLINEが来なくなって数週間後、星は自分の部屋にいた。

今日は少し時間的に余裕があったため、久しぶりに自分の部屋でゆっくりしていた。

LINEを開き祐樹とのトークを見る。

会話が数週間前で止まっている。

その前の会話は祐樹からの一方通行になっている。

「やっぱり自分から連絡は出来ないよぉ・・・。」

「祐樹、会いたいよぉ」

そんな時に着信があった。

画面には登録していない電話番号であった。

普段なら出ないはずのしらない電話に、その時の寂しさと誰かの声が聴きたい気持ちから出てしまった。


「もしもし・・」

「もしもし、HIKARI様ですか?」

その声は男の人の声で年も若そうな人の声だった。

「HIKARI・・・なぜHIKARIって知ってるの?」

「もしもし・・・。」

「あっすみません。はいHIKARIです。」

「良かったぁ。間違っていたと思いました。」

「急に失礼します。私群馬で小さいタレントのプロダクションを運営しています岩永と思います。」

「この前たまたまCM監督の柳屋様とご一緒する機会がありまして、その時にHIKARI様の話題がでました。」

「今お父様の病気のため群馬におられると聞きました。」

「はい、そうです。」

「あのですね・・・」

「私、実はHIKARI様に会ったことがあるんです。」

「えっ私に?」

「そうです。」

「どう言うことですか?」

「実はHIKARI様が初めてステージで歌われた秋葉原のライブハウスにたまたま居まして。」

「そうなんですか?」

「その後の握手会で握手もさせて頂きました。まぁその頃はまだプロダクションを立ち上げたいと思っていた時ですけどね」

「覚えています?あの時隣の人のテーブルが揺れて水がこぼれて、私の靴に掛かった時にHAKARI様がそっとハンカチを出してもらった。」

「はい、覚えています」

「良かった」

「あとですね。。実はHIKARI様のYouTubeの第一番の登録者です。」

「そうなんですか?」

「たまたまHIKARI様のページを見つけて間違いないと思って登録しました。」

「確かあの時は3名の登録者で私とあと2人・・・。もしかして『ユピネス』さんでしょうか?」

「それは違います。名前は『KOJI』です。

星は確かにそんな登録者がいたのを思い出した。

「ありがとうございます。」

「いえ、あのライブで私はHIKARIさんのファンになったので、それだけです。」

「実は、今は難しいと思いますが、もし群馬でデビューすることがあるのであれば、私達にチャンスを頂けないでしょうか?」

「まだ数名の社員と所属タレントも2名しかいませんがファンの一人として、責任もってサポートさせて頂きます。」

「でも今は家族を優先したいので、芸能界とか考えられないです。」

「もちろんわかっています。」

「もし気が変わればでよろしいので、後でメールに電話番号を送りますのでご連絡お待ちしています。」

「わざわざありがとうございます。」

「私も直にHIKARI様の声が聞けて大変うれしく思いました。」

「では失礼します。」

そう言うと電話が切れた。


「あの時期の登録者・・・」

「祐樹以外の私のファン・・」

星は自分の夢だったアイドルになることを思い出していた。

その後直ぐにメールが届いた。

開くとそこには

スターライン・プロダクション、岩永耕史の後に電話番号が掛かれていた。


次の日病院に行くと、この病院に初めて来た時にであった子供のお母さんがエレベータを待っていた。

顔はどんよりやすれて元気がない様に見えた。

星が「こんにちは」と声を掛けるとそのお母さんは静かに頭を下げた。

エレベータが来たので乗ると、お母さんが話し出した。

「先週にうちの子が亡くなりました。」

それを聞いて星は手足が震えた。

「そうなんですか?大丈夫ですか?」

「もう永くないと聞いていたので覚悟はできていたのですが、やっぱり辛いです。」

「今日は病院に忘れ物があると聞いたので、取りに来ました。」

「そうなんですね。お悔やみ申し上げます。」

「ありがとうございます。」

そう言うと、6階で降りて行った。

星は顔面蒼白になり、何も考えらなくなった。

それからは精神的な体調がさらに悪化していった。


読んで頂き、ありがとうございます。

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