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ゲーム配信者とアイドルの恋  作者: りんぴろ
第1章 出会い~恋人に変わる
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5話 『HIKARI』

私は根元星 (あかり)。

歳は17歳で、北原第一高校の2年生。

小学校、中学校と親の転勤の関係で住居地が変わり、学校もその度に転校をしていた。

友達も出来なく、心配していた親が買ってくれた電子ピアノが唯一の遊び相手だった。

お母さんに無理を言って、近くのピアノ教室に通わさせてもらった。

そこでピアノの基礎を十分に学んだ。


学校が変わる度に授業のスタイルも違い、それに追いつこうと勉強もそれなりに頑張った。

時間があれば教科書に穴が開くぐらい、メモを取って読み返した。


ある日、テレビを見ていてAKB48の歌が流れて来た。

数千人の前でダンスや歌を歌って、客席からは掛け声が掛かる華やかな世界。

自分とは無関係と思いながらも、いつかそんなアイドルになってみたいと思う様になった。

友達もいない、でもこの世界なら自分でいられるような気がしたからである。


高校に入って、お母さんがお父さんの転勤についていくと言ったため1人暮らしを始めた。

お父さんの体調が少し悪かったためもあったので、お母さんも決断した。


お母さんが単身赴任先に行くときには、涙を流していた。

「星!小さい時から寂しい思いをさせたのに、またそれ以上の寂しい思いをさせてしまうね。」

「本当にごめんね」

「お母さん!私は高校生になったし、もう大人だよ!」

「大丈夫だから心配しないで!電話もできるし、会いたい時には会いに行けるから・・・。」

「じゃぁ星、行くね」と母親は玄関から出て行った。

私も目には涙が流れていた。


その後、一人暮らしのアパートでは話し相手もいないため、電子ピアノをヘッドホンをつけながら弾くのが毎日の習慣になった。

いつしか電子ピアノで作曲をする様になり、歌詞も自分なりに考えた。

いつかその曲でステージに立ちたいと思うようになっていた。

昔見た、アイドルの様に・・・。


高校では昔から頑張っていた勉強のためか、成績も上位の方をキープする様になった。

唯一の友達の誘いで2年生から生徒会に入り、それからは毎日充実した日を過ごしていた。



「星、生徒会の会合が終われば一緒に帰らない?」

声を掛けてきたのは、その唯一の友達の坂口早苗

「早苗、わかった!」

2人は高校1年で同じクラスになり、住んでいる場所も近いため自然と友達になった。

彼女も頭がよく、同じ生徒会役員。

彼女が生徒会に入りたいけど、1人ではこころ細いという事で一緒に入ることになった。


「やっと打ち合わせ終わったね」と早苗が声掛ける。

「来月には体育祭あるからね。それの進め方とか競技内容とか決めないと行けないから時間が掛かるね。」

「毎日6時を回ってるもんね。こんなんじゃ彼氏もできないね」

「早苗は彼氏ほしいんだぁ?」

「当たり前じゃん!星は彼氏要らないの?」

「今は良いかな。まぁ良い人もいないし」


学校を出て、2人はバス停まで歩いていた。

「さっきの続きなんだけど、星って好きな人とか今までいたの?」

「何それ!いるわけないじゃん」

「そう言う早苗はどうなの?」

「好きな人はいるよ!」

「えっ!だれだれ?」

「今は言わない」

「振っといて何それ!」

「ねっね!同じ学校の人?それとも他の学校の人?」

「言わないって言ったじゃん」

笑いながら二人の会話が続いた。



「そうそう!ゼネレーションLIVEって知ってる?」早苗が聞いてきた。

「知らないよ!」と私が答えると

「そっか!」で会話が終わった。

「バスが来たね、空いてるかな?」

2人は来たバスに乗り込んだ。


「一番後ろの席が空いてる。座ろ!」と早苗が星の袖を引っ張って言った。

2人は座った後いつもの様に生徒会での話が始まった。


「体育祭さぁ。実行委員のメンバー募集するでしょう?誰が来るかな?」

「他のクラスのメンバーってあまり知らないからね」

「そうなんだよねぇ。でも帰宅部の人が選ばれるじゃん。かっこよい運動部の人とか来ないから・・・。」

「早苗は彼氏を探すのが目的なのね!」と私が冗談ぽく言った。

「だって、ひ弱なオタクの人より、日に焼けたスポーツマンがよいやんかぁ。どうせ一緒に作業するならね」

「はい!はい!」私は軽くあしらった。


20分くらい経って、「私は買い物して帰るから、ここで降りるね」と私が言った。

「うん、また明日ね!バイバイ!」と早苗が返してくる。

「バイバイ!」と私が手を振ってバスを降りた。


私は歩いて、その先のショッピングセンターで買い物をしていた。

夕食の準備が出来ていない時はいつもこのショッピングセンターで買い物をして帰るのが日課になっている。

「今日はお惣菜にしておこうかなぁ」

私はお惣菜コーナーをぐるっと見に周った。

「あっ、天ぷらが安くなってる。これで良いや」と天ぷらを買い物カゴに入れた。

「あとは、サラダ!サラダ!」と30%引きのサラダのパックもカゴ入れた。

「ご飯は昨日に炊いたから、これで~良し!」

私はレジへと向かった。


レジに並んでいると、レジ横の掲示板に、『あなたもアイドルになってみない?』の文字が見えた。

「こんなのがあるんだぁ」

「チラシは無いのかな?」とあたりを見る。

「チラシは無いか!」

私はその掲示板をスマホのカメラで写真を撮った。

その後、レジで支払いを済ませ。アパートへと向かった。

アパートまでは歩いて20分くらい。

「夏の時期は暑さで歩くのが嫌だけど、今の時期は歩いても心地よい。」と歩くことを選択している。


アパートに着いた私は手を洗い、着替えを行ってテーブルの椅子に腰かける。

かばんからショッピングセンターで買ったお惣菜を取り出しテーブルに並べた。

お湯を沸かして、みそ汁のパックを開けてお椀に入れ、お湯をそそぐ。

「いただきまーす」と手を合わせて叫んだ。


夕食を食べながら先ほど撮った写真を見てみる。

1か月後、棒ライブハウスでデビューしないか?という内容のもの。

「大丈夫なのかな?」

「本物の企画?」

半信半疑でスマホでそのホームページを開いた。


内容は秋葉原のライブハウスで、申し込めば誰でもステージで歌えると言うもの。

条件は一度もステージで歌ったことが無い人と言うものであった。

「条件は私でも大丈夫」と思う。

申し込み料は2,000円。

その程度なら捨ててでもよいか?と思い、何も考えず申し込みホームを開いた。


名前・・・

とりあえず学校にはバレたくないので、『HIKARI』と入力した。

昔、お母さんから「星は光の様に輝いて育ってね」と聞いていたため、とっさに『HIKARI』と打ち込んでいた。

その他電話番号[090-****-****]

年齢[17歳]

「これで良し!」

私は送信ボタンを押した。

その後メールで、[受付を完了しました。]と受信があった。

「詳細は後日メールにて連絡します。」との内容だった。


私は「申し込んでしまった・・・」と少し後悔した。

「でもそれまでに、練習!練習!」と希望も宿った。


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