43話 早苗へ打ち明け
この週末、星の両親は一泊し日曜日に帰って行った。
両親がいる間、これからのことを十分に話した。
恋人の祐樹のこと親友の早苗のこと、今後の活動のことなど・・。
その中で「親友の友達には正直に話しなさい」とお母さんから忠告があったので、星もそうしようと思っていた。
月曜日の朝いつもの通り学校に行く。
「早苗、おはよう」
「星、おはよう!」
「早苗、今日生徒会が終わってから一緒に帰らない?」
「えっ!祐樹君は大丈夫なの?」
「うん、昨夜に話しておいたから」
星は祐樹に明日の月曜日は早苗と帰ることを話しておいた。
「星、何かあった?」
「ちょっとね、相談とかあって!」
「わかった!じゃあ一緒に帰ろ!」
「ありがとう」
放課後いつもの通り生徒会の会合が終わった。
いつもなら数分はおしゃべりするのだが、今日は早苗と星が早々と帰ることにした。
「みんなお疲れさまでした。」
「今日は2人早いね」
「うん、ちょっと用事があってね」
「じゃあ、明日」
そう言うと2人は生徒会室を出て行った。
学校からでた星と早苗は、学校から歩いて数分のところにある喫茶店に行くことにした。
中に入ると、お互いアイスコーヒーを注文した。
「こうやって外で星と2人っきりで話すのって久々だよね」
「そうだね」
「最近は生徒会のメンバーと一緒だったからね」
「星は祐樹君とでしょう?」
「もーう、早苗」
「祐樹君とは順調?そうそう、この前の家での食事はどうだった?」
「美味しかったよ」
「そうじゃなくて・・・その~、したの?」
「してない!」
「そっか、まだ早いって言ってたもんね」
「うん」
「そう言うのちょっと怖くて、祐樹にも正直に言ったの」
「そうしたら私のこと待ってるよって言ってくれた。」
「そっか、祐樹君優しいね」
「うん」
「それより、何か普通に呼び捨てしてない?祐樹って」
「あーお互い、君、さんはやめようって!」
「何か幸せそうで何よりです。」
「あー私も早く王子様見つけないと!」
「早苗はユピネスさんじゃないの?」
「ユピネス様、最近LIVEしてなくて、何か忙しいのかな?それとも何かあったのかな?」
「そうなんだぁ」
「で、ユピネス様はあこがれの芸能人みたいだから、リアルな王子様を探すことにした。」
「早く見つかると良いね」
「ありがとう」
「で、星の相談って!」
「早苗、怒らないで聞いてね」
「何かあらたまってどうしたの?」
「早苗に黙ってたことがあって!」
「実は私、アイドルになるのが夢だったの」
「へー、そうなんだぁ」
「で、今度私の曲がCMで流れるの」
「えっ!凄いじゃん」
「この前テレビで紹介されたHIKARIのYouTubeの話があったでしょう?」
「それね・・・私なの・・・」
「えっ!え~」
「過去一驚いたわ」
「星がそのHIKARIさん?」
「そう」
「で、もしかしたらアイドルデビューするかも?」
「星が?」
「もう、びっくりしすぎて死にそう!」
「だよね」
「へー、言ってくれてありがとう」
「もしかして、1人で悩んでたの?」
「祐樹君は知ってるの?」
「知らない」
「そっか」
「そっかぁ、辛かったね」
「この前の土曜日にお母さんとお父さんが来てくれて相談した。」
「両親はどうって?」
「応援するって」
「そうなんだね」
「もう少し早く言ってくれたら良かったのに・・・」
「それはごめん」
「でも、応援するよ!」
「そっかぁ、でも星がデビューするとますますこうして話すことが出来なくなるのが寂しいなぁ」
「大丈夫、早苗は一番の親友だから」
「ありがとう」
「祐樹君はどうするの?」
「それもいろいろあって」
「祐樹ね。HIKARIのファンなんだぁ」
「一度ライブに来てくれたことがあって、それからファンだって」
「まじ~」
「彼女がアイドルを目指してるって知らなくて、そのアイドルがファン?」
「ややこしいなぁ」
「でしょう。」
「えっでも顔でわかるんじゃないの?」
「あっHIKARIの時はビックで茶系のロングにしていて、メガネも外して化粧してるから・・・。」
「そうなんだぁ」
「この前のカラオケ行ったでしょう?」
「その時低い声で歌ってたのも、祐樹にバレたくないためなの」
「ほーいろいろ大変だね」
「だからどう説明したらよいかわからなくて」
「そっかぁそれはちょっと深刻だね」
「でもいずれは言わないといけないからカミングアウト方法を探してる。」
「その時は早苗、応援してね」
「うん、わかった」
「今日はいろいろありすぎて、寝られないかも?」
「その時は私に電話して、私のせいだから・・・」
「ありがとう、そして話してくれてありがとう」
星はユピネスの繋がりだけは伏せておいた。
「でも本当に頑張ってね」
「ライブとかするなら行くから」
「あっ、今のうちにサインもらっとこう」
「もう、早苗ったら」
「さぁー帰ろう」
「うん」
2人は支払いを済ませ、喫茶店を出た。
バス停までの2人は歩きながらいろいろ話した。
「アイドルって小さい頃からの夢だったの?」
「私、小さい頃はお父さんの転勤の関係であっちこっち転校ばかりしてたし」
「友達もいなくて、テレビでアイドルの歌ってるのを見て、これなら自分の居場所が見つかるって思って」
「それからかな?夢ってなったのが」
「でもそれが実現しそうなら凄いことだよ」
「私なんか夢ってないから」
「でも、みんなが知ったら驚くだろうなぁ」
「私は星のことよく知ってるけど、学校では生徒会の頭の良い優等生じゃん」
「それが裏ではアイドルしてますって」
「180°違うから・・・」
「そうだよね」
「うん、でも本当に頑張って!」
「アイドル星、あっHIKARIかっ?応援する。」
「うん、ありがとう」
2人はバス停に着き、直ぐに来たバスで帰って行った。




