39話 星の心配とひとつの決断
その日の放課後、祐樹は生徒会室の前にいた。
星が終わるのを待っていたためである。
生徒会室のドアが開いて数名の生徒会メンバーと一緒に星、早苗さんが出てきた。
「やぁ相沢君、また誰か待ってたの?」
「星を待ってたんだよねぇ」早苗が言った。
「そうなんだね、2人は付き合ってるの?」
「まぁそんな感じで」
「そうなんだぁ、知らなかった。」
「じゃあまた」
「あーあ!しばらく星とは帰れないんだぁ」と早苗が愚痴っぽく言った。
「早苗、ごめんねぇ」
「良いよぉ、友情より恋人だよね」
「祐樹君、星をよろしくね」
「じゃあね、星」
「バイバイ、早苗」
「祐樹、待たせてごめん」
「大丈夫だよ」
「今日は自転車だから後ろに乗っていく?」
「うん」
2人は駐輪場に向かった。
「何かあった?元気なさそうだけど」
「大丈夫、土曜日楽しかったから月曜日の現実でちょっと疲れただけ」
「それなら良いんだけど」
「星は祐樹に相談することが出来ないもどかしさを感じていた。
「星、後ろに乗って!」
「うん」
「行くよ!出発!」
「しっかり捕まっててね」
「うん」
「どうする?喫茶店でも行く?」
「そうだね」
祐樹は由紀と行っていた喫茶店はあえて避けて、違う喫茶店に向かった。
喫茶店に着くと中に入った。
「いらっしゃいませ~、何名ですか?」
「2人です。」
「ではこちらのテーブルで」
「ありがとうございます。」
少し広めの喫茶店で夜はお酒も出している感じの店であった。
「祐樹は帰ってから夕食あるんでしょう?」
「うん」
「私、少し食べようかな?」
「帰っても夕食ないから・・・」
「いつも自炊だもんね」
「うん」
2人はメニューを見て
「私、オムライスとアイスコーヒーにする。祐樹は?」
「じゃあカフェオーレのアイスで」
「うん」
「すみませーん。注文よいですか?」
「はい!今行きます。」
喫茶店の奥から店員さんが出てきた。
「ごめんなさい、水もまだでしたね」
一旦水を取りに帰って、グラスを2つ持ってきた。
「ご注文は?」
「オムライスとアイスコーヒー、カフェオーレのアイスで」
「オムライスとアイスコーヒー、カフェオーレのアイスですね」
「はい」
「少々お待ちください」
祐樹が話す。
「星に前に言っていたHIKARIって人のYouTubeがテレビで紹介されてたんだよ」
「今日学校でみんなその話題になってる」
星は少し暗い顔を見せた。
「生徒会でもその話が出てたよ」
「祐樹の好きな歌手だよね」
「うん」
「でも売れてしまったら何か遠くの人に思えてしまって」
星は「いつも目の前にいるんだよぉ」と思った。
「そっかぁ。祐樹はそんなにお気に入りだったのか?」
「そうだね」
「でも一番は星だからね」
「ありがとう」
星は少し困惑していた。
どちらも同じ人物なのだから・・・。
星はこの話がこのまま続くとますます顔にでそうだったので話題を変えた。
「祐樹は、夕食はいつもお母さんが作ってるの?」
「そうだよ」
「たまには食べなくても大丈夫?」
「事前に言っておけば大丈夫かな?」
「それじゃぁ、私の家で一緒に食べない?」
「今度の金曜日とか?」
「私が作るから・・」
「えっ良いの?」
「うん」
「星の家かぁ」
「行きたい!」
「うん、じゃあ金曜日」
「僕もお母さんに連絡しておくね」
「うん、何が食べたい?」
「そうだねぇ、肉じゃが」
「えーハードル上げたねぇ」
「無理なら違うのでも良いよ」
「大丈夫、頑張る」
「でも買い物一緒に付き合ってね」
「うん」
しばらくして店員が注文したものを持ってきた。
「オムライスです。」
「こちらにお願いします」
「アイスコーヒーもこちらで、カフェオーレはもらいます。」
「ご注文は以上でしょうか?」
「はい」
「ごゆっくりどうぞ!」
店員が頭を下げて帰って行った。
「オムライス美味しそうだね」
「ちょっと食べる?」
「ありがとう!」
「スプーンもう1個もらおう」
「私は一緒で大丈夫だよ」
「はい」
「では一口・・・」
「美味しい!」
「ほんと?じゃあ私も」
「うん、美味しい」
「間接キスだね」
「へへぇ、祐樹だから大丈夫」
2人は食べ終えて
「そろそろ行こうか?」
「うん」
「今日は払うね」
「え、食べたの私の方が多いよ」
「お金はちょっとお小遣いを多めにもらってるから大丈夫だよ」
「うん、ありがとう」
2人は喫茶店を出て、
「私、ここからバスで帰るね」
「はい!また明日ね、バイバイ」
「バイバイ」
2人は別れて帰って行った。
家に着いた星は、スマホでお母さんを呼び出していた。
「もしもし、お母さん?」
「うん、星、おかえり」
「ただいま」
「ちょっと相談があるんだけど、今度の土曜日こっちに来れる?」
「相談?」
「何かあったの?」
「その時に話すから、出来たらお父さんも一緒が良いかな?」
「ちょっと待って!」
「あなた~、星からなんだけど今週の土曜日って仕事?」
遠くからお母さんとお父さんの話す声が聞こえる。
「大丈夫!」
「お父さんも大丈夫だって!」
「ありがとう。午後から用事があるから午前中が良いかな?」
「わかった、じゃあ土曜日の朝一でそっちに行くね」
「ありがとう!」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
星は両親にCM曲のこと、これからのアイドルになろうことを正直に話す決意をした。
読んで頂き、ありがとうございます。
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