34話 告白
次の週の月曜日の放課後
祐樹は中川さんの席に向かっていた。
「中川さん!ちょっと話があるんだけど時間大丈夫?」
中川さんは祐樹を見つめ、「うん、大丈夫!」と答えた。
「じゃぁちょっと移動しよう」
「うん、どこ?」
「付いて来て」
「はい」
2人は学校の屋上に来ていた。
「私、屋上って初めて来た」
「こんな場所があったんだね」と中川さんが話す。
「最近まで工事で登れなかったからじゃないかな?」
「数日前に工事が終わったって、聞いたから」
「堤防の方まで見えるんだね」と中川さんが手すりにもたれかかりながら話す。
「そうだね」
「夕陽とか綺麗そう」
「もう少ししたら見られるかも?」
「うん」
お互い堤防の方の景色を眺めていた。
しばらく沈黙が続く。
「あのぉ~ この前の返事なんだけど・・・」と祐樹が切り出す。
「うん」
「この前はさぁ、好きな人いないって言ったんだけど、あの後いろいろ考えるといつも頭に浮かぶのは違う人なんだよね」
「まだ片思いなんだけど・・・。」
「中川さんの気持ちはすごく伝わったんだけど・・・。」
「でも、このまま付き合ってもその人のことが頭にいる以上、やっぱり先には進めないよ」と正直に話した。
「好きな人って誰?」
「同じ学校の人?」
「うん」
「そっかぁ」
「違う学校の人なら見ることもないから、無理に付き合ってって言えるけど・・・。」
「同じ学校じゃいつしかその人と祐樹君が仲良くしている姿も見る訳だよね。」
「それはやっぱり辛い」
「うん、祐樹君の気持ちはわかった!」
「でも・・・。友達としてたまには付き合ってもらってよい?」
「パソコンとかおかしくなったらまた見てもらえる?」
「それは大丈夫!」
「でもこの前みたいな、服をいきなり脱ぐとかは、無しだよ!」
「あーあれね」中川さんの顔が赤くなった。
「あれは自分でも後で後悔した」と中川さんは笑って答えた。
「でも私のファーストキスの相手は祐樹君だからね」と笑顔で言った。
「それだけで十分」
「好きな人とキス出来たんだから」
「そうだね」
「じゃぁ、また明日ね」と中川さんが言った。
「うん、また明日」
中川さんはそのまま屋上の出口に消えて行った。
その後ろ姿は多分涙を流しているんだろうと思うような哀愁が漂っていた。
祐樹はそのままの足で教室に戻り、かばんを持って生徒会室の前で待っていた。
30分くらい経った頃、ドアが開いて生徒会のメンバーが出てきた。
「やぁ!相沢君、生徒会に入ってくれるの?」とあるメンバーが話しかけてきた。
「人を待っていて」と祐樹が返す。
「そっか!呼ぼうか?」
「いえ、待ってるので大丈夫です。」
「そっか、じゃあまたね」
「はい!お疲れさまでした」
そこから5分経った頃、早苗さんと星さんが出てきた。
「あら、祐樹君、何か用事?」早苗さんが話しかける。
「ちょっと星さんに用事があって」
「私?」と星が早苗と目を合わして答える。
早苗は少し「にこ」ってほほ笑んだ。
「じゃあまた明日ね」と早苗が星に言った。
「うん、早苗、また明日ね」
「祐樹君が待っててくれるのなんて、驚いちゃった。」と星が言う。
「ちょっと場所を変えて良いかな?」
「はい」
2人は、校庭に移動し、ベンチに座った。
お互い緊張が伝わってくる。
「この前の遊園地、楽しかったね」星が話す。
「うん、楽しかった」祐樹が返す。
「また、行きたいね」と星が言うと
「今度は2人で行きたいなぁ」と祐樹が言った。
星は一瞬祐樹を見た。
「2人で・・・」
星の顔が真っ赤になった。
祐樹はそのまま続けて、
「星さん!初めて星さんを見たときにとてもかわいいと思いました。」
「それから何度か接するうちに、性格とか表情とかそんなの全てが好きになりました。」
「僕は、星さんが好きです。」
「良ければ付き合ってください」
星は祐樹をしっかり見つめて、しばらくすると涙を目に浮かべてきた。
祐樹は、「ごめん、急だったよね」
「返事はいつでも良いから・・」と謝った。
すると星が「祐樹君、私も祐樹君が好きです。」
「こちらこそよろしくお願いします」と笑顔で返してきた。
祐樹はガッツポーズをして「やったー」と叫んでいた。
2人はその後お互いを見つめ笑顔になった。
その日、2人は一緒に帰った。
自然と手が繋がれた状態で・・・。
星はその夜親友の早苗に祐樹と付き合うことをLINEで報告した。
早苗からは「良かったね、星」と帰ってきた。
「うん、ありがとう」と返信した。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
ここまでが第1章となります。
結果的に星ちゃんと祐樹君は付き合うことになりましたね。
でもお互い秘密を隠したままです。
第2章 アイドルへの階段を引き続きよろしくお願いします。
第2章は星ちゃんが中心となって物語が進みます。
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