30話 ゲーム配信者からの連絡
日曜日、祐樹は『HIKARI』のYoutubeのページを見ていた。
登録者数52万人。
また増えている。
この前UPされた新しい曲も再生回数がどんどん伸びている。
祐樹は、この前のHIKARIさんの曲のバズりの理由を言うかまだ悩んでいた。
「どうするか?」
「このまま黙って自分も応援を続けるか?思い切って理由を説明するか?」
「でもきっとHIKARIさんも本当の理由はわかってないはず」
「どうしよう?」
「悩む」
祐樹はしばらく考えて決断を出した。
「よし!このまま黙っている訳にもいかないから、連絡しよう」と決意した。
早速パソコンを立ち上げた。
ユピネスの名前でログインをする。
この前アップされた『夢の先のHIKARI』のページを開きコメント欄に書き込みを行った。
[初めまして、ユピネスと言うものです。
できれば、下記のホープページから自分のページを開いて頂く様にお願いします。
その後、HIKARIと言う名前で、メールを送って頂けるとこちらもそのメールに返信します。]
と書き込み、自分のページのアドレスのリンクを貼り付けた。
ユピネスを知らなければ凄く怪しいコメント。
普通なら今流行りの危ないサイトの勧誘かなどと思われる。
でもこれしか連絡の取りようがない。
一か八かの賭けでもあった。
祐樹は返信が来るかどうかわからないが、パソコンを立ち上げたままにして待っていた。
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祐樹がコメントを書き込んだ数分後、星は自分のYouTubeページを開いた。
通知が来たわけでなくたまたま開いたのであった。
未読のコメント125件
コメントが多すぎて最近は全部のコメントを見ることが出来なかった。
「最近コメントもまともに見ていないし、返信すらできていない」
「ダメだとわかっていてもコメントの多さに追いつけていない」
「登録者数の多いYouTuberってこんな感じなのかな?」
「私はいきなり過ぎてわからない」
そう思いながら星はコメント欄を開いた。
その一番上にユピネスと言う名前を見つけた。
「ユピネス?」
「どこかで聞いた名前」
「そうだぁ・・確か早苗の好きな人」
「前に一度だけ私の登録者にユピネスと言う名前を一瞬見たこともある」
「自分のホームページへの誘い?」
本来怪しいメールの誘いの場合、無視するのが普通だが、星は早苗のこと、
前の自分の登録者名のことを振り返り、勇気を出してほのホームページを開いた。
一度見たことがあるユピネスのゲーム配信画面。
「やっぱり、あのユピネスと言う人だ!」
するとそのホームページの音楽に困惑した。
「こっ、これって!私の曲!」
そう、流れた曲はHIKARIの「希望の一歩」だった。
「どうして私の曲が流れてるの?」
その時、星はカンが働いた。
「もしかして、自分のYoutubeや曲がバズったのはこのページの曲のため?」
星は早苗から聞いていた。
「ユピネスはゲームのカリスマ配信者」
「配信時には毎回2万人以上のユーザーが見ると言ってた。」
「登録者数も200万人以上」
「そのページに曲を使用したら間違いなく気になるし、その曲を知りたくなるし、聴きたくなる」
「私でも好きなアーティストの曲はどんな曲かな?って検索するし知ろうとする」
「そう言うことか?」
「でもなぜ?」
と星は不思議に思った。
「そうだ!メールが欲しいと書いていた」
星はメールのページを探し、ページを開いた。
メールアドレスは携帯の第2のメールアドレスにした。
前回のCM曲の打ち合わせ以降、アリス人材派遣会社とのやり取りのために新しいアドレスを追加していたためである。
その後、メールの題名に
[HIKARIです。]
本文に
[初めまして、書いていたホームページを開いたときに私の曲が流れていました。
ユピネスさんは友達からカリスマ的なゲーム配信者と聞いています。
その方のページに私の様な無名の曲が採用されたことがわかりません。
でも最近の私の曲の再生回数、私のページの登録者数が伸びていることの理由がだいたい解りました。
すみませんが、私の曲を知って頂いた理由と、ユピネスさんのページに使用した理由を説明頂くことは可能でしょうか?]
と書き込み送信ボタンを押した。
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祐樹のアカウントのメール着信連絡が表示された。
祐樹はHIKARIにコメントしてからそのままログオン状態をキープしていたからである。
祐樹はメールを開いた。
そしてその内容を1文字ずつ丁寧に読んだ。
「説明頂くことは可能でしょうか・・・」
「そうだよなぁ」
「でもHIKARIさんがユピネスを知っていてくれた。」
「それで怪しいながらも返信をくれたたんだぁ」
「ひとまず返信がきてホッとした。」
祐樹は1人でつぶやきながら、返信の内容を考えていた。
「ライブに行っていたとは書けない。ましてやたまたまYoutubeに辿り着いたとも嘘に聞こえる。」
祐樹は悩んだ末、正直にライブに行っていたと書く覚悟を決めた。
ただし、あくまでゲーム配信者と思わせる内容にすると考えた。
[メールの送信ありがとうございます。
ユピネスと言います。
HIKARIさんの曲を知った理由と、自分のページに使用した理由を説明させて頂きます。
ゲームのイベントを秋葉原でおこなっていた時に、その支配人と一緒にたまたまHIKARIさんの出ているライブに行きました。
その時にHIKARIさんの『希望の一歩』を聞いて良い曲だと思いました。
また聞きたいと思い調べたところ、HIKARIさんのYoutubeを見つけました。
ページに拡散希望と書かれていましたので、すみませんが無断で使用させて頂きました。
無断で使用して大変失礼しました。
もし不快でしたら曲を削除しますので、ご連絡をお願いします。]
と返信した。
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星の携帯にメールの着信が入った。
ユピネスからであった。
「ユピネスと言う人もライブに来ていた?」
「そうなんだぁ」
星は内容を見て、なるほどと納得した。
「祐樹君もそうだけど、少なからずライブに来て頂いて自分の曲が良いと思われている。」
星は笑顔になった。
その後返信を行った。
[返信ありがとうございます。
理由がわかりホッとしました。
私の曲を良いと思って頂いて大変うれしく思います。
曲の削除はしなくて大丈夫です。
これからも人々に響く様な曲を作っていきます。
変わらず応援よろしくお願いします。
しかしながらユピネスさんの人気は計り知れません。
今後私の曲を使用して頂く際は、このメールアドレスに一報頂けると助かります。
よろしくお願いします。]と・・・。
読んで頂き、ありがとうございます。
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