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ゲーム配信者とアイドルの恋  作者: りんぴろ
第1章 出会い~恋人に変わる
16/39

15話 体育祭当日

由紀に別れを告げてから、2日間の体育祭の準備に由紀は来ていなかった。

噂では、体調不良で学校にも来ていないらしい。

原因はなんとなくわかる。

「今日も休みなんかなぁ」

「ちょっと心配だなぁ」

「帰りに寄ってみる?」

「でも俺が原因なら行くことはできないし・・。」

「やっぱりショックだったんだぁ。でも今は仕方ないかな?」

「どうすることもできないし、してあげられないから・・・。」

そう思って2日間が過ぎた。


でも3日目には由紀の明るい笑顔が戻っていた。

視聴覚室で体育祭の準備をしていると由紀が入ってきた。

由紀は自分たちのグループの集まりの場所にきて

「お久しぶりです。」

「村口さん、久しぶり!体調もう大丈夫なの?」と根元さんが声を掛けた。

「はい、心配かけました。そして準備休んですみませんでした。」

由紀は頭を下げてみんなに謝罪した。

その後、祐樹の横に来て、

「相沢君、心配かけてごめんね。もう大丈夫だから」

「うん、お帰り」

「これからも友達としてよろしくね!」

「うん、よろしくね」

その顔はいつもの笑顔だった。

それから4日間の準備期間も普通に接することが出来た。



体育祭の準備も完了し、今日は待ちに待った体育祭当日。

[パン!バン!]

朝から空花火が打ち上げられていた。


グランドにはテントがいくつも立てられ、各クラスのエリアには足場が立てられ応援旗が貼られていた。

生徒のみんなジャージ姿でハチマキを頭につけている生徒もいる。

応援団だろうか?黒の制服にたすきをかけている生徒もいる。

太鼓や楽器を準備しているクラスもあった。

いつもながら華やかな体育祭が始まった。


放送部のアナウンスと共に全員がグランドに入場した。

グランドには生徒、先生が一斉に集合し先頭の生徒はクラスの名前が記入されたプラカードを持っている。

「それでは校長先生の挨拶と大会宣言」とアナウンスがあった。


校長先生が本部テント前の台に立った。

「みなさん、おはようございます。」

「本日は晴天にも恵まれました。みなさんは日頃の成果を発揮する場所です。

「くれぐれも怪我の無いように競技に参加してください。」

その後も長い挨拶が続く。。

最後に「この挨拶をもって、本日の大会を開始いたします。」


生徒のみんなからは「やっと終わった」「長かった・・」と聞こえる。

その後、生徒会長から挨拶と注意事項の説明があった。


「選手宣誓」とアナウンスがあると。

3年生の男女2人が中央の台の前に来て。それを囲う様に各クラスのプラカードを持った生徒が集合した。

「宣誓!私たちはスポーツマンシップにのっとり、怪我の無いように日頃のうっぷんを晴らします。」

生徒のみんなから笑いが起こる。

「正々堂々と戦うことを誓います。生徒代表3年2組、北島、同じく3年3組、柳崎」

みんなから拍手が起こった。

その後は、実行委員に合わせて生徒と先生全員でラジオ体操を行った。

「これをもちまして、オープニングセレモニーを終了します。」

「なお競技は9時30分から始まりますので、参加される方はプログラムに合わせて準備と集合をお願いします。」

「では怪我の無いように頑張りましょう!」と放送部のアナウンスがあった。


その後各クラスの競技参加者が一斉に準備に掛かる。

そんな中、祐樹は一人テントの中にいた。


祐樹達の準備はチラシ、ポスター作成だったため、当日は特に仕事はなかった。

しかし、実行委員と言う名目の椅子がテントの中にありそこに名前も書かれていたので、その椅子にずっと座っていた。

6月の晴れ間、テントの外ではもう既に夏日と思うような日差しが差し込んでいる。

実行委員は当日の運営があるとのことで、競技には出なくてよいと言う特権もある。

その時だけに実行委員で良かったと思う。


椅子に座って競技を見ていると、根元さんが隣に座り話掛けて来た。

「相沢君は競技でないの?」

「出なくても良いと言う特権を活用しています。」

「なるほど、実は私も」と笑顔で根元さんが返す。

根元さんは自分たちが作ったポスターを眺めていた。

学校の廊下などにはA3のポスターが貼りだされていたが、体育祭当日には模造紙ぐらいの大きさのポスターがテント横に飾られていたのである。

「あのポスター、みんなから凄い評判だったよ!先生方もほめてたし」

「みんなの努力のおかげですね」

「でも案は相沢君の案でしょう?」

「でも作ったのはみんなだから、みんなのおかげです。」

「そうだね」根元さんは笑顔になった。

「相沢君がパソコンで綺麗に仕上げてくれたから余計に輝いてるね」

「ですから・・・みんなのおかげです。」


「相沢君は何か趣味はあるの?パソコン詳しいから、そう言う関係かな?」と根元さんが聞いてきた。

「今は特にないかな?パソコンは親がIT企業に勤めてるからその関係で詳しくなっただけだから・・」と返した。

「実はゼネレーションLIVEしています」なんて言えないとこころでは思っていた。

「そうなんだぁ。でも音楽が好きそうだけど?」

「音楽自体は今までそんなに興味がなかったけど、最近かな?」

「前に言った『HIKARI』さんの曲を聴いてから毎日そればかり聴いています」と答えた。

根元さんは笑顔で「そっか!」と返した。


「根元さんは何か趣味があるのですか?」

根元さんは少し考えて「私はピアノくらいかな?」

「へー!ピアノ出来るんですね。凄い!」

「小さい頃から習っていたんだけど、うまくならなくて。。」


「でも何かに打ち込めるのってすごく大事だと思います。」

「特に今の高校生の時にしかできないことってあるから」と自分のゼネレーションLIVEの事の様に言った。

「そうだよね」と根元さんも返してきた。

「それなら相沢君も何か趣味見つけないとね」

「そうですね」

その後しばらく沈黙が続いたが、

「そうだ!ねーねー、連絡先交換しても良い?」と根元さんが言ってきた。

「良いですよ!」

2人はお互いのLINEを登録した。

「ありがとう!」

「じゃあまた後でね!」

そう言うと根元さんは競技の準備でその場から離れた。

俺は「やっぱり根元さんかわいいなぁ」とあらためて思った。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


星はオープニングセレモニーが終わったあと、競技の準備や放送の準備などバタバタしていた。

やっと落ち着いて、実行委員のテントに向かった。

星がテントにいる祐樹を見つけた。

星は数日前から祐樹の笑顔が忘れられないでいる自分があった。

「相沢君が1人で座っている。」

「話しかけても大丈夫かな?」考えるも心臓がどきどきしていた。

「でも準備でいっぱい話したし、大丈夫!」と自分に言い聞かせて、テントに向かった。


「相沢君は競技出ないの・・・」

「出なくても良いと言う特権を活用しています。」

「なるほど、実は私も」

星は祐樹が自分と同じ[競技に出なくても良い特権]を活用していることに親近感がわいた。


その後ポスターの話が始まるが、星は祐樹のことがもっと知りたくなった。

「相沢君は何か趣味はあるの?」

「今は特にないかな?パソコンは親がIT企業に勤めてるからその関係で詳しくなっただけだから・・」

「特にないのかぁ」と思っていると反対に私に趣味を聞いて来た。

星は少し焦った状態で「私?歌?ピアノ?どうしよう?」

「どこまで話しても大丈夫かな?」

星は、本人とは知らないけど『HIKARI』の歌を知っている相沢にどこまで話して良いか迷っていた。

「でもピアノぐらいみんなしてるし良いよね」と考えながら


「私はピアノくらいかな?」と答えた。

その後相沢君が

「でも何かに打ち込めるのってすごく大事だと思います。」

「特に今の高校生の時にしかできないことってあるから」

の言葉に自分のアイドルを目指していることに置き換え、共感した。


星はもっと相沢君と話したいと思い、

「ねーねー、連絡先交換しても良い?」と言ってしまった。

心臓が爆発しそうな状態となって、顔も赤くなっていた。

緊張と自分ながら恥ずかしいと思っていることから、体がガタガタと震えていた。

でも快く良いって言ってくれたので「良かったぁ。死ぬかと思った」とこころで叫んだ。

「じゃあまた後でね!」

「あっ!競技の準備しないと!」とその場から離れた。


その後、2人はお互い登録したLINE IDを見ながらニコニコしていた。


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