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ゲーム配信者とアイドルの恋  作者: りんぴろ
第1章 出会い~恋人に変わる
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13話 体育祭準備2日目

次の日の放課後も体育祭準備のため、生徒会役員、各クラスの代表メンバーは視聴覚室に集まっていた。

祐樹も少し遅れて視聴覚室のドアを開けた。


「あっ!相沢君こんにちは。」と根元さんが挨拶をした。

「こんにちは、根元さん」と返す。

その後由紀と目が合った。

「村口さん、こんにちは!」

普段なら「由紀」と呼ぶのに今日は「村口さん」と呼んでいた。

由紀も「こんにちは相沢君!」と目を合わさずに返した。

昨日の事もあり、俺と由紀は少しぎこちない感じてあまり会話もできなかった。


「では今日もよろしくお願いします」と根元さんがみんなに挨拶する。

「昨日に各自でチラシ、ポスターのレイアウトを考えて来てとお願いしましたが、みなさんどうですか?」

「なかなか学校の宿題もある中で難しいと思いますが、もし考えて来て下さった人は発表をお願いします。」


1人のメンバーが考えてきたと言うことで説明を聞くことにした。

そのメンバーは手書きでイラストと全体的な構成を画用紙に書いて来て、その出来は結構素晴らしいものであった。

「手書きで1日でこんなん出来るのって凄いね」とメンバーから声が掛かる。

「何か質問などあれば答えます」とそのメンバーは得意そうに言った。

根元さんが確認する。

「素晴らしい構成の発表ありがとうございます。時間掛かったでしょう?」と言うと

「まー1時間ぐらいかな?」とそのメンバーは答えた。

「そうなんですね。1時間も貴重な時間を作ってもらってありがとうございます。」と根元さんも笑顔で返した。

続けて、「他に質問ある方おられますか?」と確認する。

しばらく待っても誰からもなかったので「では、他に案を考えてきた方おられますか?」と根元さんがみんなに尋ねる。

祐樹の手が上がった。

「では次は、相沢さんよろしくお願いします。」と根元さんが言った。


俺はノートパソコンを取り出し、机の上に置いて電源を立ち上げた。

「立ち上がるまで少し待ってくださいね」

数分後、ノートパソコンの画面にパワーポイントでチラシのレイアウトが表示された。

それは、パソコンでイラストや飾り文字など凄く華やかな感じのするチラシの構成であった。

「メンバーは凄い!」

「もう出来上がってる」と驚いている。

由紀も祐樹の完璧なレイアウトに驚いていた。


俺は考えて来たコンセプトを説明する。

「イメージは[学園からオリンピック選手が現れる]と言う感じで作っています。」

「学校の体育祭は普段しない競技や運動部員じゃない生徒も参加するので、その人達が思いもよらない実力を持っているかも知れない」

「その体育祭で見つけた実力や人材が将来オリンピックで活躍するかも?って感じです。」

「まぁ現実にはそんなことは無いんだけど、それくらい張り切って参加しましょう!」って感じです。


それを聞いたみんなは「そこまで考えてるの?凄いね!」

「それにパソコンで1日で、ここまで作れるんだぁ」と驚いている。

いつの間にか他のグループのメンバー、生徒会役員のメンバーも寄ってきた。

「すばらしい内容と説明ありがとうございます。ここまで考えてるのって本当に助かります。」

「凄く時間掛かったでしょう?」と根元さんが尋ねた。


「でも30分くらいですよ」と俺が返すと「30分でこれが出来るの?」と声がした。

「まさしく、思いもよらない実力がこれですね!相沢君はパソコンとても詳しいんですね!」と根元さんが笑顔で言った。

「まぁ好きなだけですけどね」とテレながら返した。


結局、祐樹の案ともう一人のメンバーの2つの案が採用されて、2部チラシとポスターを作ることになった。

祐樹の分は既に出来上がっているので、もう一人のメンバーのチラシとポスターをパソコンで作成することになった。

「相沢君はサポートに回ってくれないですか?あとのメンバーで別れてチラシとポスターを作成しましょう!」

「わかりました」と俺は答えた。

2つのメンバーに分かれ、パソコンでチラシとポスターの作成が始まった。

「相沢君、これってどうやって作成するの?」

「ここは、この機能を使ってこうやって、こうすると出来ますよ!」

「ありがとう!」

「相沢君、こっちもお願い」

俺は由紀から呼ばれた。

そのころには昨夜の出来事のぎこちなさはなくなっていた。

「これって、作成できる?」

「あーこれはこうすると作成できるよ!」とマウスを操作して説明した。

その時に由紀の手が触れて少し「ドキッ」とした。

由紀もそれに反応していた。

「相沢君ありがとう!」

「どうも!由紀!」と笑顔で返した。

その後も祐樹はグループを行き来して、分からないことや操作の説明をしていた。


「相沢君、このイラストをちょっと変更したいんだけどわかる?」根元さんから声が掛かった。

俺は根元さんともう一人のメンバーのグループの中に入った。

「そうですね。ちょっと時間をかけてもう少し派手にしましょうか?」

「その方が良いですね」とメンバーは納得した。

そのメンバーの一人が「ちょっとトイレに行ってきますね」と席を離れた。

俺は根元さんと二人っきりになった。


あらためて「相沢君、本当にパソコン詳しいね」と根元さんが話しかけてくる。

「ちょっと好きなので、そんな感じです。」と俺が答える。

「生徒会に推薦しちゃおうかしら?」

「やめてくださいよ!」と笑顔で会話が弾んだ。


作業を進めていると根元さんから

「この前口ずさんでいた曲ってどんな感じ?」と話掛けて来た。

「あー『HIKARI』って言う方の曲で、めっちゃ好きなんです。」と答える。

「根元さん知っていますか?」

星は「知らないですね」と返した。

「でしょうね。まだ売れていないアイドルの卵って感じですから」と俺が返す。

「この前は路上ライブに行ってきました。」

しばらく沈黙が続いたが

「そうなんですね、その方、売れると良いですね。」と返してきた。。

「そうなんです」と俺は満面の笑顔で返した。


その後メンバーがトイレから帰って来たので作業を再開した。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



「相沢君と二人っきりになっちゃった」

「ちょっと緊張しちゃうなぁ」と星はこころで思っていた。

星は自分の別の顔を知っている祐樹と2人になることに少し焦っていた。

「思い切ってこの前の曲のこと聞いてみようかな?」と考えていた。


「相沢君、本当にパソコン詳しいね」と聞いてみた。

こころでは、「曲の件、曲の件!」と頭はいっぱいだった。

その会話はなにげにこなして・・・。

勇気を出して聞いた。

「この前口ずさんでいた曲ってどんな感じ?」

「あー『HIKARI』って言う方の曲で、めっちゃ好きなんです。」

「根元さん知っていますか?」と言ってきた。

内心焦った。

「名前も知っているし、私の曲を好きって言っている人が目の前にいる。」

「再生回数数十回の曲をこんなにも好きでいてくれている」

「それも同じ高校の同級生」

うれしさと、バレないか?の不安で頭が真っ白になった。

その後、「この前は路上ライブに行ってきました。」

「やっぱり相沢君来てた」

「という事はYou Tubeに登録してくれている?」

「ゆうってアカウントは相沢君なの?」

と突然の出来事で頭がぐるぐるになっている。

そんな状態で思わず出た言葉は・・・

「そうなんですね、その方、売れると良いですね。」

「自分が売れると良い?! 何言ってるの!」と頭で叫んで恥ずかしくなった。

「そうなんです」と祐樹は満面の笑顔で返してきた。

「えー本当に好きでいてくれているんだぁ」と本当に嬉しくなった。

平常心を保とうとしていても、心臓はどきどきで顔も赤くなっていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――


体育祭準備2日目は、2つのチラシのレイアウトがほとんど完成したので終わることにした。

「今日はありがとうございました。思ったより早くチラシとポスターが出来そうです。」

「明日は完成まで持って行って印刷を行います。」

「また明日よろしくお願いします」

根元さんが挨拶を行った。

みんなも「お疲れ様でした。」と返した。

その後帰る準備をしていると、由紀が近づいてきて。

「祐樹、今日も一緒に帰る?」と言ってきた。

「ごめん、今日は帰る」と答えると

由紀はぷくっとほっぺたを膨らましていた。

「今日は早めに帰って、ゼネレーションLIVEをしないといけないからごめんね」とこころで叫んでいた。

俺の帰りのイヤホンには、今日も『HIKARI』さんの『希望の一歩』が流れていた。



みんなが帰った視聴覚室で、生徒会役員のみんなが残って話し合っていた。

「もうチラシとポスター出来たの?」と生徒会長が言った。

「明日には完成できると思います。」と根元さんが答える。

「それにしても、相沢君だっけ?凄いよね!本当に完成度の高いものを作ってくれて」

「それにパソコンのことなんでも知っているんだね」

「そうなんですよね。私も驚いています。」

「生徒会に入ってもらおうよ!」

「私も言ったんですけどね。」

「やめてくださいって言われちゃいました」

「でも何らかの関わりはしてほしいなぁ」

「じゃぁ少し作戦と立てましょう!」と坂口早苗が言った。

「作戦?まずは生徒会メンバーと仲良くなってもらいましょう!特に星ね!」

「私?!」

「そう!だってお気に入りなんでしょう?親友だからわかるよ!」

「もう!早苗!何言っているの?」

「顔赤くなったじゃん」

「もう!知らない」

他の生徒会のメンバーは、「そうなんだぁ」とぼそぼそ囁いていた。



帰宅した星はベットに座りながらぼーっとしていた。

今日1日の会話を繰り返し思い出していた。

そして最後は

頭の中に相沢君の満面の笑顔がずっと残っていた。






読んで頂き、ありがとうございます。

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