12話 元カノ
1日目の体育祭準備が終了し祐樹が教室に戻ろうとした時、由紀が声を掛けて来た。
「祐樹、久しぶりに一緒に帰らない?」
俺は「良いよ!」と返した。
「じゃあ、10分後に駐輪場で待ち合わせで」
「そうだね、了解!」と一旦別れた。
その後、俺は教室にかばんを取りに行き、そのまま直ぐに駐輪場に向かった。
「ちょっと早かったかな?」
俺は自転車の鍵を解除し、その場で待っているとすぐに由紀もやってきた。
「お待たせ!早かったね」
「かばんを取りに行っただけだからね」
俺が自転車を押して駐輪場を出ると、
「祐樹、載せて!」
「そっか由紀はいつもバスだったよな」
俺は自転車を校門までは手押しで移動した。
「由紀は進学塾は相変わらず忙しいの?」と俺が尋ねると。
「そうだね、毎日2時間ぐらい行ってる。体育祭までは準備があるからお休みするけどね」
「祐樹は何も変わらない?」
「俺は何も変わってないかな?」と答えた。
「そっか!平凡が一番だね」と由紀は答えた。
校門を出て自転車にまたがると、由紀が後ろに座ってきた。
由紀を後ろに乗せて自転車をこいだ。
両手は俺のお腹まで手をまわして、顔を背中に密着する様な格好でしがみついている。
大きな胸が背中に当たる。
俺は少しドキドキした。
「昔はこうして二人で帰ったよね。」と由紀が言う。
「そうだね。この先の喫茶店で話をするのが日課だったね」と俺が答えた。
「久しぶりに行ってみる?」と由紀が言うと
「そうだね、良いよ!」と返した。
喫茶店に着くと俺は自転車を停めて鍵を閉めた。
少しヨーロッパ風の喫茶店。
パスタなども美味しく、平日の昼間は結構人が入っている。
俺が扉を開けて、2人で中に入った。
店員が笑顔で「いらっしゃいませ」と言うと続けて、「あら!久しぶりですね」と声を掛けられた。
「覚えていてくれたんですね」
「そりゃ毎日来ていた常連さんだから覚えているよ」
「でも最近は来てなかったから心配していたんですよ」
「ありがとうございます。勉強が忙しくて・・・。」
「そうだったんですね、空いている席に座って、ゆっくりしてくださいね」
と言うと店員は一旦水を取りに、カウンターに向かった。
俺と由紀は、奥の2人掛けの席に座った。
再び店員が水をもって、やってくると「注文はお決まりですか?」と声を掛けてきた。
「ではアイスコーヒー2つで!」
「アイスコーヒー2つですね。承知しました」
店員はカウンターの奥へ戻って言った。
しばらく沈黙が続く。
いたたまれなくなって俺が話す。
「店員さん、覚えていてくれったって凄くない?」
「そうだね。まー毎日の様に来ていたしね。それにコーヒーだけで3時間とかいたじゃん。絶対ブラックリストに入ってたと思うよ」と由紀が笑いながら答えた。
「確かにそうだね。店にっとっては迷惑な客だよね。でも毎日来ていて貢献はしていたけど」
「確かに貢献はしていたね」
しばらくして、店員がアイスコーヒーを持ってきた。
コーヒーをテーブルに置くと「ご注文は以上でよろしいですか?」と尋ねる。
俺は「大丈夫です。」と答える。
「では、ゆ~くりしてくださいね。。」と笑いながらカウンターに入って行った。
「ねーねー絶対さっきの聞こえたよね。3時間とか言ってたの・・・。」と由紀が目を大きく開いて言ってきた。
「そうだね。聞こえたんだよ」と俺も答える。
俺は少しコーヒーを飲み、続けて言った。
「あのさー、さっき俺たちは休憩時間って言ってたやん。」
「あれ、どう言う事?」
「えっ、はっきり別れようって言ってないじゃん」
「お互い嫌いになった訳じゃないでしょう?」
「だから休憩時間で良いかな?って感じかな?」と返してきた。
確かにどちらも別れを言ったわけでなく、会わなくなっただけ。
「でも、会ってないという事は別れてたのかな?って思ってたよ」と俺が返す。
由紀から「じゃあ、久しぶりに私の家に来る?お父さんもお母さんも帰りが遅いし」
俺は急にドキドキした。
「行っても良いけど、何するの?」と焦りながら返す。
由紀は真っ赤な顔になって「私は前みたいにしてよいよ!」と返してきた。
「祐樹は彼女とかいないでしょう?他の女の子とそう言うのした?私は祐樹だけだから・・・。」
「おっ!俺も由紀以外の女の子とそう言うのしてないよ」
俺はドキドキがマックスになった。
「そっか!良かった!」と由紀がうつむいてぼそぼそと言った。
2人はコーヒーを飲んで、レジへと向かった。
「お支払いをお願いします。」
「はーい!」とカウンターから店員が出て来て、「あら、早いのね」と笑いながら言った。
「はい、すみません」とだけ俺が返した。
「アイスコーヒー2つで850円になります。」
財布から1,000円札を出して、店員に渡す。
「1,000円ですね。おつりは150円になります。」
俺は150円を受け取り財布にしまった。
「祐樹、自分の分は払うよ!
「大丈夫!久しぶりだから俺が出しとく!」
「じゃあ!ごちになります」と由紀が笑った。
喫茶店から出ると自転車で由紀の家に向かった。
由紀の家までは喫茶店から自転車で30分くらい掛かる。
2人は喫茶店に向かった時と同じように2人乗りで走った。
「昔はこうして、喫茶店から由紀の家に頻繁に行っていたなぁ」と考えていた。
しばらくして、由紀の家に着いた。
由紀は「ちょっと待ってて」って先に家に入って行った。
5分ほどして、「入って!」ってドアを開け言ってきた。
玄関で靴を脱ぎ、階段で2階に上がる。
久しぶりの由紀の部屋
「前よりちょっと落ち着いた?」と笑いながら言った。
「推しメンのポスターとかあったしね。さすがに塾に行きながら推しメンも無いかな?ってはずしちゃった。」
「それに、今は特に推しもいないから」と返してきた。
「座布団、それ使って」
「ありがとう!」と言って俺は座布団に座った。
「何か飲む?」
「でも、今はお茶しかないけど」
「お茶で良いよ!ありがとう」と言うと由紀は部屋から出て行った。
しばらくするとお茶を持って由紀が戻ってきた。
由紀はテーブルを挟んで向かいに座った。
「この部屋に男の人をあげるのは、1年以来かな?まーお父さんは普通に入ってくるけど・・・。」
「聞いて!お父さんってノックもしないんだよ。この前私が着替えていたら急に入って来て、キャーと言ったら、ごめんごめんだけ言って出て行かないんだよ」
「普通、一旦直ぐに出て行くでしょう?どう思う?」
「まーお父さんだし、文句言っても仕方ないんだけど・・・。」
「お父さんは相変わらず由紀のことが好きなんだね。前からそうだったじゃん」
「そう言えば前も同じようなことを話したかな?」
「村口家も変わってないか?」と2人は笑った。
その後もたわいもない話をしていると急に由紀が立ち上がり、俺の隣に座ると肩を寄せて来た。
「私、本当に誰ともしていないから・・・」と言って俺の方を向いてきた。
俺は我慢できなくなり、由紀にキスをした。
久しぶりの由紀の唇の感触
やわらかくそして潤ってる感が凄い。
一度唇を離し、「急にごめん」と謝る。
「良いよ!もっとして!」と由紀が甘えてくる。
2人は再びキスをした。
数分間、甘く時には激しいキスを交わす。
「ベットに行く!」由紀が言うと「うん!」と俺が返す。
2人はベットに移動した。
由紀が左で俺が覆いかぶさる様に由紀の顔を見る。
「恥ずかしいよぉ」と由紀が顔をそむける。
俺は「顔をあげて!」と言って再びキスをした。
由紀の吐息が激しく感じられる。
俺はキスをしながら由紀の胸を触った。
やわらかく大きな胸を手で覆うように触る。
由紀から甘い声が漏れた。
制服のボタンを外すとブラが見えた。
ブラの上から更に胸を触る。
由紀の声が更に激しくなった。
俺はブラのホックを外すと、由紀の大きな胸があらわになった。
思わず由紀が手で胸を覆う。
「ごめん、久しぶりだから恥ずかしい」と顔を真っ赤にして言ってきた。
俺はその顔にキスをして、スカートをたくし上げ由紀の大事なところを触ろうとした時・・・。
「ガチャ、ガチャ」玄関の鍵を開ける音がした。
更にドアが開く音がして
「由紀!帰っているの?」
「誰かお友達が来てるの?」と声がした。
「あっ!お母さんが帰ってきちゃった」
俺は慌ててベットから降りて、由紀はブラを付け、制服のボタンを閉めた。
2人は何事も無かった様にテーブルの前に座った。
「祐樹!ちょっともっこりしてる」と由紀が言うと、ブランケットを祐樹に渡した。
[トン、トン、トン・・・]
階段を上がる音が聞こえる。
[コン、コン]
由紀のお母さんが、ノックをして「由紀、入るよ」
「はい!」と由紀が言う。
ドアが開いてお母さんが中に入ってきた。
「あら、祐樹君じゃない?久しぶりだね」
お母さんは2人を見て「2人は別れたんじゃないの?」と話しかけて来た。
俺は「お久しぶりです」と言うと
「体育祭の準備で一緒になって、たまたま」と答える。
お母さんは「それで何で部屋にいるの?」と聞いてくる。
由紀が「私が体育祭の準備の宿題を一緒にしようって言ったから」とフォローを入れる。
お母さんは、部屋をぐるっと見て、ベットの布団が乱れているのが目に入った。
「あら、おじゃまだった?」と笑いながら返してきた。
俺は「もう帰りますので・・・。」と部屋を出ようとした。
「ゆっくりしていけばよいのに、宿題は終わったの?」
「はい」と言うとお母さんの視線が俺の下の方を向いていた。
「宿題ねぇ・・・。」
2人は階段を降り玄関まで来ると、お母さんは「また来てね」と笑いながら言ってリビングに入って行った。
玄関で由紀から「続きは今度ね!また明日、バイバイ!」と手を振ってきた。
俺も「また明日」と言って家から離れた。
俺は久しぶりがアレはお預けになって少し虚しさが残った。
それは由紀も同じであった。
その日の夜、由紀の家のリビングでは「由紀!勉強はしっかりしてるから何も言わないけど、避妊だけはしっかりしてよ」とお母さんが由紀に言う。
「そんなんじゃないから・・・」と由紀がごまかした。
その日の夜、2人はそれぞれの部屋で、今日のことを思い出し自分で果てたのであった。
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