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ゲーム配信者とアイドルの恋  作者: りんぴろ
第1章 出会い~恋人に変わる
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11話 体育祭準備1日目

北原第一高校では毎年6月に体育祭が行われる。

梅雨時期にするなとの声もあるが、中間テストが終わってからの恒例行事となっている。

準備には生徒会役員と各クラスの代表2名が10日前から準備を行うのが決まっている。

祐樹の教室でホームルームが行われていた。


学級委員が教壇に立って、みんなを見ている。

「今日のホームルームは、今度の体育祭準備のクラスの代表を決めたいと思います。」

「知っていると思うけど、各クラス2名が生徒会メンバーと一緒に準備を行うことになります。」

その後、学級委員は申し訳なさそうに・・・

「代表は出来れば部活を行っていない人がよいのですが・・・。」


毎年ながら体育祭の時期は部活も盛んな時期で、部活に参加している人は外れると言うのが暗黙のルールとなっている。

「このクラスで部活に参加していないのは4名ですが、できる方おられますか?」

案の定一斉にシーンと静まり返る。


祐樹は「どうせ最後は俺に当たるのだろう?」と思い、手を挙げた。

「はい!参加します。」

全員の視線が祐樹に注がれる。


みんなから「さすが祐樹、分かってる!」

「相沢君お願いしますね」と声を掛けられる。


「ではもう一人は、女性でお願いします。」

と学級委員が言うと、必然的に一人の女子生徒に決まった。

女子の帰宅部はその女性だけだった。


「では中川さんにお願いしたいのですが、大丈夫ですか?」

「はい!大丈夫です。」

「ありがとうございます。」

決まったのは、中川さくらであった。


「中川さん、相沢さんよろしくお願いします。」と学級委員から声が掛かった。

教壇の端に座っていた先生が立ち上がり

「では二人は早速今日の放課後から生徒会メンバーと打ち合わせがあるので参加くださいね」と言われた。


「マジ?今日からかぁ」

「しばらくは帰るのが遅くなりそうだな」と祐樹は思った。

「相沢君、よろしくね」と中川さんが言った。

「こちらこそよろしく」と祐樹が返す。



放課後になり中川さんと俺は打ち合わせのため、視聴覚ホールに向かった。


「相沢君、あらためてよろしくお願いしますね」

「ちゃんと話すのは初めてだよね」と中川さんが聞いてきた。

「確かに!そうだね」と返す。

「相沢君はなぜ部活しないの?」

「スポーツとか得意じゃないし、文化部もイマイチだったから・・。中川さんは?」

「私も一緒かな?それに親が帰るのが遅いから、それまでに夕食とか私が作ってるの。だから部活とかで遅くまで残れないから」

「大変だね」

「もう慣れたから・・・。」

「でも体育祭の準備とか大丈夫なの?」

「それは短期間だから大丈夫!お母さんには連絡したから」

「そうなんだね」


そう話していると視聴覚室に着いた。

ドアを開け、視聴覚ホールに入ると既に数十名の参加者がいた。

その中に見慣れた顔があった。

「祐樹!久しぶりだね」

元カノの由紀が話しかけてきた。

「由紀、元気だった?」

「うん、元気だったよ」

「まさか体育祭の準備で一緒になるのは思ってなかったね」

「お互い帰宅部だからでしょう?」と由紀が笑いながら答えた。

「じゃあ、また後でね」と由紀が言うと、その場から離れた。


中川さんから「誰?」と不思議そうな顔をして聞かれたので、

「元カノの村口由紀さん」って返した。

「へー元カノなんだぁ、気まずくない?」

「そんなことないよ」

「そっか」


17時になり、体育祭の打ち合わせが始まった。

生徒会長から「みなさん、お疲れ様です。生徒会長の柳本博之です」

「体育祭準備への参加感謝します。」

「今日から体育祭まで皆さんと一緒に準備を進めていきます。」

「くれぐれも怪我の無いようにしてください」と挨拶があった。


その後、生徒会役員のメンバーから進め方の説明があった。

「これから、くじ引きで数人のメンバーに分けさせて頂きます。」

「そのメンバーに生徒会委員のメンバーも別れて入りますので、一緒に準備を行います。」

「準備は競技内容、ポスター制作、当日の運営などありますのでよろしくお願いします。」

そう言ってくじ引きの箱を机に置いた。

「では、こちらの席の人から順番に引いてもらえますか?」

「番号が書いてあるので、あちらの同じ番号の机に集まってください。」

「ではお願いします。」


クラスの代表のメンバーが一斉に立ち上がり、順番にくじの箱の置いている机に並んだ。

俺の順番になり、箱に手を入れくじを引いた。

「3番かぁ」

「3番の机は、あそこか!」

祐樹は3番のメンバーがあつまるデスクに移動した。


椅子に座っていると、元カノの由紀もその席に来た。

「祐樹、同じグループだね」と由紀がニコニコしながら話掛けて来た。

「そうだな」と返す。


別れてからしっかり話すのは半年振りになる。

「私達、別れた訳じゃないんだからね、少し休憩時間だから・・・。」

と訳の分からないことを由紀が話してきた。

俺は返す言葉がなかった。


その後、生徒会メンバーも各グループに入ることになった。

「あっ!根元さん」と声が出た。

星も「あっ!」と声を出した。

その後何もなかった様に「みなさん生徒会役員の根元星です。」

「体育祭までよろしくお願いします。」

「みなさんの準備して頂くのは、チラシ作成です。」

「生徒のみんなに配るチラシと、掲示板に貼るポスターを作成します。」

あちらこちらの席で、生徒会役員の説明が行われている。

その後、各グループ毎で作業が開始された。


祐樹のグループでは、各自チラシとポスターのレイアウトを考えることにした。

祐樹もレイアウトを考えていると、星が話しかけてきた。


「相沢君、この前は急に話しかけてごめんなさい」

「いえ、全然大丈夫です。ちょっと驚いたけどね」

「あらためてよろしくお願いします。」と根元さんが言うと

俺も「根元さん、よろしくお願いします」と返した。


それを見ていた由紀は少し不満な顔をして、こっちを見ていた。

俺が由紀の方を見ると、ほっぺを膨らましている顔があった。


「今日は時間も遅くなってしまったので、各自レイアウトを考えて来て、明日にみんなで紹介することにしない?」と根元さんが言うと

「そうですね。考えて来て明日から作業に掛かりましょう」と俺が答えた。

メンバーも納得して今日の準備は解散となった。

「みなさん、また明日よろしくお願いします。」と根元さんが頭を下げて言うと、

「よろしくお願いします」とみんなも答えた。

読んで頂き、ありがとうございます。

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