第27話 究極戦艦への道
フリーダムの成功により、アルバートは世界最高の戦艦設計者として不動の地位を築いた。
しかし彼の挑戦は止まることがなかった。
「46センチエーテル砲の開発に着手する」
アルバートは研究チームを集め、究極の巨砲開発を宣言した。
18インチ砲でも限界に近い技術だったが、46センチエーテル砲はその常識をさらに超える代物だった。
「砲身重量は200トンを超える。砲塔込みでは1000トン近くになるだろう」
技術者たちは困惑していた。1000トンの砲塔など、戦艦というより要塞砲に近い規模だった。
「エーテル操作技術を究極まで高めれば不可能ではない」
アルバートは自分の特殊能力に確信を持っていた。
分子レベルでの金属操作により、従来不可能だった精密加工も実現できる。
46センチエーテル砲の設計は、これまでの常識を完全に覆すものだった。
砲身内部の構造、装薬システム、砲弾設計――すべてが革新的だった。
「初速900メートル毎秒、射程50キロメートルを目標とする」
この性能が実現すれば、地平線の向こうの敵艦を撃破することも可能になる。
まさに超長距離砲撃の時代が到来する。
並行して、46センチエーテル砲を搭載可能な超々戦艦の設計も進められていた。
全長:250メートル
全幅:38メートル
排水量:72000トン
最大速力:25ノット
主砲:46センチエーテル砲(460mm)連装砲塔3基
副砲:15センチ(150mm)連装砲塔12基
フリーダムの3.3倍の規模を誇る究極戦艦の概要が固まった。
「『ヤマト』と名付けよう」
アルバートは前世で最も愛した戦艦の名前を採用した。
この世界で大和を蘇らせる――それが彼の最終目標だった。
46センチエーテル砲の試作は、1年間の歳月を要した。
エーテル操作をフル活用した製造技術により、ついに究極の巨砲が完成した。
「試射を実施する」
専用試験場で行われた初発射は、これまでの常識を完全に覆した。
轟音は10キロメートル先まで響き、砲弾は設計通り50キロメートルの射程を記録した。
「成功だ...ついに46センチエーテル砲が実現した」
この瞬間、アルバートは世界で最初に46センチエーテル級超巨砲を開発した人物となった。
前世の大和に搭載された主砲と同等の威力を、この世界で再現したのだ。
46センチエーテル砲の成功により、ヤマト級超々戦艦の建造が正式に承認された。
「これが最後の戦艦建造となるかもしれません」
海軍首脳陣との会議で、アルバートは複雑な心境を吐露した。
「最後とは?」
「これ以上巨大な戦艦は、もはや現実的ではありません。ヤマトこそが大艦巨砲主義の究極形態です」
確かに72000トンの超巨艦は、建造可能な限界に近かった。
これ以上の大型化は、技術的にも経済的にも困難だった。
「それでは、ヤマトを我が王国海軍の最終兵器として位置づけよう」
ヤマトの建造が決定した瞬間、アルバートの夢がついに現実となる道筋が見えた。
造船所では、ヤマト建造のための準備が始まっていた。
250メートル級の超巨艦建造のため、施設のさらなる拡張が必要だった。
「これで本当に大和を再現できる」
アルバートは夕日に染まる造船所を見つめながら、深い感動に包まれていた。
前世で愛した戦艦が、この世界で蘇ろうとしている。
「大艦巨砲主義の完成まで、あと一歩だ」
彼の瞳には、揺るぎない決意の光が宿っていた。
第27話の成果:
46センチエーテル超巨砲の開発成功
射程50kmの超長距離砲撃実現
72000トン級超々戦艦ヤマトの設計完成
究極戦艦建造計画の正式承認
大艦巨砲主義究極形態への道筋確立
46センチ砲の最大射程は42kmですが、架空世界の異世界なので、エーテルと言うエネルギーを利用して、最大射程50kmとしています。スペック自体はほぼ大和で、現実的に建造が出来ると思われる内容です。旋盤があればですが。




