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第26話 海上公試の衝撃

フリーダムの艤装が完了し、待望の海上公試が実施された。

180メートルの巨艦が初めて自力航行を行う歴史的瞬間に、多くの関係者が立ち会った。


「全機関、前進微速!」


アルバートの指令と共に、48000馬力の大出力機関が始動した。

巨艦がゆっくりと動き出す様子は、まさに鋼鉄の山が海上を移動するような迫力だった。


「速力5ノット...10ノット...15ノット...」


速度が上昇するにつれ、フリーダムの真の威力が明らかになった。

22000トンという巨体にも関わらず、軽快な航行性能を発揮している。


「20ノット...22ノット達成!」


設計値を達成した瞬間、艦橋に歓声が響いた。

重装甲巨艦でありながら、従来の軽巡洋艦並みの速力を実現したのだ。


「主砲射撃試験を実施する」


海上の標的に向けて、18インチ主砲が火を吹いた。

その轟音は雷鳴を遥かに超え、砲口から噴出する火炎は20メートルに達した。


「弾着!距離30キロメートルで命中!」


標的は完全に粉砕され、その威力の凄まじさを証明した。

18インチ砲の破壊力は、従来砲の比ではなかった。


「連装砲塔による斉射を実施」


3基の主砲塔が一斉に火を吹く光景は、まさに地獄の業火を思わせた。

6発の18インチ砲弾が同時に放たれ、海面に巨大な水柱を立ち上げる。


「これは...戦艦というより移動要塞だ」


見学していた海軍関係者たちは、その圧倒的な戦闘力に言葉を失っていた。


フリーダムの公試成功の報は、瞬く間に世界中に伝わった。

各国の海軍関係者は、その性能データに衝撃を受けた。


「射程30キロメートル、装甲厚300mm、速力22ノット...」


ブルトニア帝国海軍本部では、緊急会議が開催された。


「我々の建造中の戦艦では、全く対抗できない」

「計画を白紙に戻し、より大型の戦艦を建造すべきでは?」

「しかし技術力の差は歴然としている。追いつくには何年かかるか...」


各国で軍拡競争の激化が避けられない状況となっていた。

一方、王国内ではフリーダムの成功を祝う祝典が開かれた。


「アルバート・スチームフォード卿に、王国最高勲章を授与する」


国王陛下から直々に勲章を受けるアルバートは、この世界における技術革新の象徴的存在となっていた。

しかし彼の心は、既に次の目標に向かっていた。


「46センチエーテル砲...それが実現すれば、真の無敵艦となる」


フリーダムでも、アルバートの理想には届かなかった。

前世の記憶にある大和の46センチ砲こそが、彼の目指す究極の武装だった。

しかし、18インチ砲が完成した今となっては、ほぼ同じサイズの新しい砲だと言っても、予算は降りないだろう。

そこで、この世界の特殊なエネルギーであるエーテルを加えた46センチ砲を目標にすえた。

おそらく50kmまで射程が伸びる筈だ。

この世界に大和を実現させてみせる!


第26話の成果:

超戦艦長フリーダムの海上公試成功

30km射程の18インチ砲威力実証

世界各国への衝撃と軍拡競争激化

王国最高勲章の授与

46センチエーテル砲への更なる野望

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